比良牛コバから擂鉢山、烏谷山’16.2.18

 坊村-牛コバ-擂鉢山-烏谷山-荒川峠下道標-中谷出合下-JR志賀

 ようやく、いつものコースへ出向けた。暖冬異変の今年はどうやら豪雪は期待できないと分かって、少々の雪遊びで我慢の年となりそうだと重い腰を上げた。さて、坊村をいつもの時刻に出発(9:40)した。明王谷林道も伊藤新道出合を過ぎてなんとか雪が途切れなくなる有様であった。

 そのようなことから牛コバ(10:20~30)からの山道でも、夏道を見失うことなく、シャクナゲの古木と杉の木が絡み合う擂鉢への取りつきまで到着(11:00~10)できた。いつもなら、夏道はほとんど消えてしまうことから、急登で相当のアルバイトを強いられるのだが、今年の雪遊びにはこれでは少々物足りないと思えるほどだった。もっとも今回はこれまでの雪は完全に溶けたために、今日は薄いが新雪のパウダーコースとなってくれ、いつもの深雪とは異なり、それはそれで気分上々であった。

         
林道歩きは牛コバまで     消防署の最初の看板はほぼむき出し    擂鉢へのとりつきの絡み合う木

 擂鉢山までへのコースは取りたてて見どころはない。でも900mあたりだろうか、太いモミノキの大木があり、その上にナツツバキのやや太めがあるくらいだが、今回はどうしたことかいずれも撮り忘れてしまった。多分しんどいばかりで、その余裕がなかったのだろう。そうそう、それより、Ca696の絡み合う木までが相当の急登であることは知ったうえで向かいたい。そうはいっても半時間ほどだから、頑張れる範囲だろう。

 そして、その大きな絡み合う木からは登りは緩んでくるが、でも急登部分よりやや距離は長いようだ。それに植林帯はないが雑木ばかりで展望は冬期でもないに等しいのが残念だ。やや小広い山頂(12:00~30)に着いたら、麓の昼を知らせるサイレンが鳴り響いた。本当であれば見晴らしの良い次のピークの烏谷山で昼にしたかったのだが、あそこも雪はそんなに積もってはいないだろからと、ここで腰を落とすことにしてのんびり小春日和のような中で昼食とした。
 それにしてもこの森閑さはどうだ。これを求めてやってきたのだろう。どこまでも続くノントレーの山中徘徊のたまらない喜びの結果である静けさであったのだ。

         
 擂鉢山1006m比良山塊第15番目の高さ   南東方向の左奥が烏谷山     北向きの武奈もこれくらいしか見えず

 腰を上げれば次の頭へ標高差70mほどの登りだから物足りない。でも若いブナたちに混じって大きなブナの樹があるのだ。厳しい自然の中で何年もじっとしている植物の偉大さに畏敬の念を感じるのも楽しみの一つだろう。そして武奈やコヤマノ岳方向も見通しがよくなってくるのだ。そして、どうにか少しの樹氷景色が待ってくれていたのは期待していなかっただけに喜びが重なった。

     

 雪景色を楽しみながら、ゆっくりのんびり歩き、その烏谷山(13:05~15)について驚いた。どうやら打見山の方から縦走路のトレースがあるのにびっくりポンだった。冬期にこのピークまでのピストンは別にして、比良岳方向からの縦走路トレースはまず見ないのだが、その御仁は単独で前爪アイゼンで果敢に踏破しているようだった。もっとも今日は雪も少ないためにできたことだろう。
 さて、この方、この後どこまで踏むのだろう。ひょっとして堂満も踏むのだろうか。その踏み跡からや、温度の高さで解けはじめているようで、ここの通過は1H~半時間くらい前だろう。時間的には堂満も可能だろう。踏み跡から背の高い、いや、足の長い人だった。今日は木曜だから若い人ではなかろう。

     
 烏谷山1076.7m、3等三角点    山頂直下のゴヨウツツジの古木と道標

 人のことはこれくらいにして、それにしても烏谷山山頂付近の余りにだらしない残雪状態はあまり見たくない状況であった。踏み跡あり、夏道の地道まで部分的にあらわであった。東南向きのためにこれだけ温度上昇で雪解けも進んでいるのだろう。昼食を済ませてきたのが当たりであったのだ。でもしかたない、自然のことだからとなんとかあたりを眺めまわすのであった。しかしながら、いつもの多雪時とは問題にならないほど白さが少な目なのが悲しい。

     
 左、武奈にコヤマノ岳と右は堂満   打見山に蓬莱山 

 さて、下山にとりかかろう。これよりシューは担いで、アイゼンは持たないことからツボ足で下ろう。いつもならすばらしき雪庇の景色の中を堂満岳や奥の釈迦岳、さらに琵琶湖越しの伊吹山などの景色を楽しむのだが、今日ばかりはそんな様子は期待できない。
 やむなくかき分ける雑木の中の樹木でも見ながら前進しよう。お~ゴヨウツツジが結構あるのだ。やっぱり5月下、いや今年は中旬には真っ白なシロヤシオ(別名ゴヨウツツジ、またはマツハダ)を目にすることのできるコースとなることだろう。その時期にもこのルートを踏査することにしようなどと思いながらの歩行とした。

 
ゴヨウツツジの木肌は松の木に似る 
 

 下の方の眺望地あたりから、先ほど立っていた烏谷山の頭などを振り返り、今年の冬期におけるこの山は最後となるよと、お別れの挨拶をレスキューポイント14番の看板地から惜しんでいた。それにしてもあの雪庇尾根を降ったのだが、なんと惨めな尾根姿なのだ。

     
 左の雪庇尾根に雪なし、右奥、烏谷山    R.P第14番の看板地はフラット

 さぁ、この後は下りオンリーだ。と縦走路を分け入ると、おや、先ほどの10本アイゼンが降りているではないか。な~んだー、荒川峠ルートを降りるのか、これならば大した歩きではないな。いつまでアイゼンつけてるのだ・・と、自分も同じ道を歩いていることを忘れて思わず吹き出してしまった。
 縦走路上にある荒川峠の道標はパスし、道はショートカットして荒川峠下の道標へ直に降りるコース取りであるのだ。でも、この下の道標から植林帯の道が長く1時間ちかくもかかってしまい、林道に出る中谷出合下(14:45)まで疲れきってしまった。そしてJR志賀駅へさらに40分ほどで辿り着いたが、途中で烏谷山を振り返り仰ぎ見れば、雪の白さなど微塵たりとも見えなかったのには笑ってしまったのだった。

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