京都北山に咲く花 ’16.3.23

 今年も早春の北山へ花巡り山行を楽しめた。まさに古都の間近で堪能できる、花と樹木と水の静寂境が続いているのだ。いつの年も北山の最初は心ときめくものがある。さぁ、どんな花姿で見せてくれるのだろうかと・・・。しかし、今年の暖冬で例年よりお目当てのこの花は早く咲きだしているだろう。だが、歩きだしてすぐに感じた。残念だったが昨年よりずっとその数が少なくなっているようにみえた。土砂崩れ等で一気に群落が姿を消すことはこれまでから見ているのだが、この種は鹿の食害はいかがなものだろうか。そう最初の花は白と赤色がよく似あうこの花だった。近年情報で同定ポイントの決定版は花粉色が白いのがシロバナネコノメソウで黄色がハナネコノメと言われる。

シロバナネコノメソウ(ユキノシタ科) 
     

 

         

 同じく次の花はネコノメソウ属のアカヒダボタンだろうか。それともボタンネコノメソウだろうか。ちょっと自信はないのだが・・

 
 
 ボタンネコノメソウの葯は暗褐色だが、こちらは黄色に見えるが


     
葯が黄色のようで同定   根生葉部分 
     
ただし、雄しべの長さが下の説明だと萼片とほぼ同長とあるが、これは半分くらいしかなさそう 
 

 ネコノメソウ類は多数あり、その同定は容易ではなさそうだ。こちらをアカヒダボタンと見たのは次のような説明を参考としたものであるが、その条件がばっちりだとはいえなくもないので、厳密には従来どうりボタンネコノメソウでいいのかもしれない・・?。

「山地の谷沿いなどの湿った地に生える多年草で、高さは10センチほど。苞は広卵形で鮮黄色。萼片は赤褐色で直立し、雄しべは8個、萼片とほぼ同長、葯は黄色。花期は4~5月。本州中部地方西部~近畿地方東部に分布する。」

 続いてネコノメソウ属の仲間たちを見てみよう。今年はキンシベボタンネコノメソウがひと花しか葉だけも含めて見られなかったが、今年の雪不足が原因であろうが、これからさらに咲いてくれるのを期待しよう。それに、こちらでのヤマシロネコノメが昨年盗掘され、その姿がまったく見られなかったのが惜しまれた。

       
 キンシベボタンネコノメソウ  タチネコノメソウ  ネコノメソウ    ヤマネコノメソウ

 その他の種はまだまだの段階であったが、満開はスズシロソウ、ユリワサビ、ミヤマカタバミくらいだっただろう。とりわけミヤマカタバミは例年白色オンリーだったが、なぜか淡紅色で咲いてくれたものが少し見られたのがうれしい。

   
スズシロソウ(アブラナ科)  ミヤマカタバミ(カタバミ科) 

 

 
 ユリワサビ(アブラナ科)

 その他は咲き初め、あるいは蕾状態だ。

         
 トウゴクサバノオ(キンポウゲ科)    コチャルメルソウ(ユキノシタ科)    ヤマルリソウ(ムラサキ科)
         
 カテンソウ(イラクサ科)    ヤマアイ(トウダイグサ科)    フッキソウ(ツゲ科)蕾

 

 

   








 
 ミヤマキケマン(ケシ科)   ミヤマキケマンをアップで 

 

 他にはダンコウバイも満開であったが、残念ながら谷むこうで渡渉できない山の斜面に咲いていたのが悔やまれた。

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