’16.4.12
今回は西山の山頂方面に咲くカタクリの様子をうかがいに出かけたのだが、現地の見守り隊の話によれば、ここの群生地は9日が最盛期でした。本日はもうほとんどが終わり花ですとのつれない声だった。どうりでデジを取り出す気にさせてくれる個体は見当たらなかった。
気を取り直してアップダウンの徘徊としよう。まずはスミレ類から入ろう。
前回探しに出かけた時にはまったく目につかず、今年はダメかなと思っていたアリアケスミレが例年よりは数を減らしてはいたが、それなりに見られた。また本家のスミレも見られ、消えてしまったのではなくてホッとした。
ここのアリアケスミレは基本的に白色 | アリアケスミレ、小さいのはツボスミレ | スミレは紫色が濃い | スミレの葉には翼が目立つ |
本日のスミレ類は他にタチツボスミレ、シハイスミレは道々でどこにでも咲いて見飽きるほどである。それにスミレ類の中で遅咲きというのか長く咲き続けるような気がするツボスミレの咲き初めが見られた。また比較的早く咲き始めるナガバノタチツボスミレやヒメスミレ、ノジスミレは終盤あるいは終了となっていた。
しかし、西山ではこれまでコスミレ、ヒナスミレなどにも出会った記憶があるのだが、もう見かけなくなって久しいのが残念だ。さらにアカフタチツボスミレも偶然咲いている群生に出会えたが、その道を忘れないでおきたい。
中でも可愛かったタチツボスミレ |
さて、他の山野草もそろそろ咲きだしてきたようだ。まずは咲き初めの種から入ろう。
サワオグルマ(キク科)これからだ! | ヤマブキソウ(ケシ科)も咲いたばかり | こちらも初々しいイチリンソウ(キンポウゲ科) | 同じくニリンソウもこれからどんどん |
さらにキンキエンゴサクも咲き出していたが、こちらは色合いが様々で楽しめた。また、ヒトリシズカも鹿除け柵内で保護されて咲き出していたが、ヤマブキソウとともに近くで見られず残念な種だった。
キンキエンゴサク(ケシ科)ブルー | 実際はもっとピンク色 | ほとんど白く見えたが | ヒトリシズカ(センリョウ科) |
他の咲き初めや満開のお花たちは次のような種がおおいに楽しませてくれていた。
ニッコウネコノメ、ヤマルリソウ、トウゴクサバノオ、マルバコンロンソウ、セントウソウ、ミヤマカタバミ、ミヤマキケマン、ミヤマハコベ、ツルカノコソウ、ハルジオン、ヘビイチゴ、ウマノアシガタ、キツネノボタン
終盤の種は次のような種であっただろうか。
ネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、タチネコノメソウ、カテンソウ、ムラサキケマン、シロヤブケマン
木本類ではツルシキミ、コバノミツバツツジがいよいよ満開となってきたようだ。他にはクロモジ、キブシも満開だ。タムシバ、ヤブツバキ、オオバヤシャブシ、ヒメヤシャブシはもう落花で、ヤマザクラは散り初めのようだった。それに終盤のウグイスカグラが見られた。
ツルシキミ(ミカン科)雄花 | 雌花、雄花より花数が密につかない |
こんなに可愛いお花たちに、心の隅をまさぐられるような気持がして、一人つぶやく言葉はうれしいことばかりだ。せせらぎの音もやさしくいつもの冷眼な目を忘れて頷きながら渓谷を歩むこのような時を、いつまでも流れへ無造作にいる小さな石を渡り続けたいものである。