比良神爾谷と中井新道を歩く’16.4.30

 JR比良=イン谷-神爾谷-北比良峠-釈迦岳-ヤケオ岳-中井新道-JR近江舞子

 25年の夏に比良駅からのバス便が再開したのですが、今回初めて利用させていただきました。車内は満席のようでした。さて、8時半から歩き始めてどうやら3人が神爾谷を目指すようでした。最初に身支度したために最後に歩き始めたのでした。そしてやっぱり滝への寄り道でした。普段はあまり明るくない感じの滝と思っていましたが、今日はうまく日陰もきつくなく撮れました。白っぽい花崗岩から豪快に水を落とす瀑布は見事でした。


神爾滝

 この後は流れに近づいて浅瀬を渡ります。道は右岸左岸と繰り返します。いつの間にか二人を追い越してどんどん進みましょう。流れから少し離れてRP3番表示が現れると、その上に天神社の赤い鳥居が二つ見下ろしています。ここまで1時間で上がってきたようです。すぐで56年前の遭難碑、その先のキレットにかかる新しくなった橋も渡らせてもらいましょう。

     
 天神社の赤い鳥居  洪水の中にも負けず遭難碑  新しくなったキレットの橋

 そしてさらなる岩を越して左折点の三角おにぎり岩地点で最初の一本でした。腕を覗けば1時間20分かかったようです。ここでイワカガミを撮りましょう。ほんとうはイワウチワを撮りたかったのですが、すべて花は終了で、来るのが遅いヨ~と声がするようでした。


イワカガミ

 いよいよガレの急登です。しばらく進めばイワカガミの群生が花盛りとなっています。この花は撮ったから他に何かないかとヤセ尾根上で探せば、ありました、木の花の咲き初めが・・そうです。ヤマグルマが咲いたばかりです。クチグルマではないですよ。(笑) この種は急な斜面や岩場を好みますが、ここも足元がそのような地にぴったりでした。

     
 1属1種のヤマグルマ    アップです。

 急な道をトントンと上がった向かいに二つのお地蔵さんが祀られています。無事に通過できました、この後も安全に歩けるようにお詣りしましょう。それにしてもここまでの足元に咲くのは、スミレ類以外にイワカガミだけしか目にとまらなかったようで、花は寂しい頃なのでしょうか。


峠の石仏

 北比良峠から武奈やコヤマノ岳をチラッと目に留め、今日は釈迦からヤケオを目指しましょう。反対側から来る登山者はあっても、我が方向の歩きは皆無でした。パラポラアンテナが立つカラ岳あたりまでくればホンシャクナゲが出だしてきました。咲き初めのようでなかなかきれいです。
 そして稜線上に黄色い花がいっぱい咲いています。これは何かなと手に取れば、それはクロモジではありません。シロモジでした。樹皮でも分かりますが、花より遅れて展開してくる葉を広げて見ればすぐに分かります。それは3浅裂しているのです。もちろんカナクギノキでもありません。こちらは樹皮で一目瞭然でしょう。他に咲いている樹木類はムシカリぐらいだったでしょうか。もう少しかかりそうです。

     
 ホンシャクナゲ シロモジ   シロモジのアップ

 釈迦岳には11時前でした。4~50代の男性二人が仲良くもうお弁当を食べています。その山頂近くに立つブナの大木にタッチで挨拶してすぐに前進でした。フジハゲの先にようやく本日のお目当てピークのヤケオ山が目に飛び込んできました。
 本日はお天気よすぎてもやっているようで、琵琶湖もきれいに見える状態ではなさそうです。そしてイン谷を歩き始めて2時間50分の11時20分です。予定時刻より半時間ほど早かったようです。Ca970のヤケオ山へ到着でお昼としましょう。

     
 縦走路からフジハゲの先のヤケオ山  フジハゲから釈迦、打見に比叡も  ヤケオ山から釈迦、堂満、打見山

 半時間ほどで腰を上げました。さて、中井新道とは「登る、比良山」の書によれば、このコースは拓かれた方達の代表であった中井一郎氏の名を取ったものらしいです。南小松から梅ノ木谷の堰堤工事用の林道から入り、大堰堤からは昔から南小松の人たちが山へ入るのに使っていた古道がよく歩かれていたらしいです。そして、Ca761より下あたりまで伸びていたような古道から先をヤケオ山までの間へ繋いだもののようです。

 さぁ、これより地形図とコンパスを出して久しぶりの読図山行です。歩きだせば最初の稜線歩きは薄っすらと踏み跡らしき状態でしたが、これならそう心配はいらないでしょう。そして肝心のCa761あたりまで降りてきた所へシロヤシオが1本だけきれいに咲いているではありませんか。早いですね、今年の開花は例年より2週間は早かったのではないでしょうか。

 このシロヤシオの樹木はここまでに釈迦岳手前あたりに何本も確認していました。来月は比良のシロヤシオの花巡りを楽しまないと、思いながら今日もここまで歩いてきていたものであります。といいますのは樹木類で通年花や葉がなくても、これは○○の木だ!、といいきれる比較的珍しい樹木であります。その同定ポイントは樹皮にあるのです。この種はシロヤシオ、ゴヨウツツジ以外に別名としてマツハダという名を持っています。それは樹皮が松の木の肌にそっくりなことです。右↓をご覧ください。

     
 満開のシロヤシオ 道中で見たのはこれ1本だけ咲く  どうです、松の木に見えないですか 

 さぁ、花はこれくらいにして道です。でもこのシロヤシオ咲く地から南への方向を覗けば、もうしっかりと掘り込まれた道形が見えているではありませんか。なんだ、ここまで古道が上がってきているではないのか。と早くも胸をなでおろすのでした。これでは地図読みとはなりませんね。確かに後半部分あたりには倒木が折り重なるように出現する箇所があちこちに出てはきますが、それは単に体力勝負だけで、地図の出番はありませんでした。

 梅木ノ谷の大堰堤で一息いれましょう。どうやら1時間20分ほどで堰堤まで下山してきたようです。それもそうです、コバノミツバツツジが咲き終わりくらいで、ほかに花などまったく目にしませんでした。この堰堤からは20分足らず林道を歩けば壊れて荒れた別荘地に着きましたが、でもそれら以外の別荘内の建物には現在でも利用者がありそうで、幼児が遊んでいる姿がありました。そして新しく伸びた湖西道路下から八幡神社へ出て本日の無事に首を垂れました。JR近江舞子駅には14時前に到着でしたから5時間半のハイキングでした。

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