湖北花の赤坂山’16.5.2

 JRマキノ駅=マキノ高原-ブナの木平-赤坂山-明王禿-黒河峠-林道P=JRマキノ駅

 久しぶりに花の赤坂へ大阪の金剛山の観察会Gの方々とご一緒させていただきました。とはいえ、「花の赤坂」は今では名ばかりで、今日はオオイワカガミがたくさん咲いてはいたのですが、その他に咲いているお花は以前より激減となっているようで、わたし的には寂しい花巡りとなったような気がしました。

 トクワカソウ、カタクリ、ヤマエンゴサク、バイカオウレン、スミレサイシン、ミヤマカタバミ、エンレイソウなどの山野草や、樹木花でもキンキマメザクラ、ユキグニミツバツツジ、イワナシなどは5/2という時期でも、すでに終了でとなっていました。
 赤坂山といえば日本海側と太平洋側との風の通り道であって自然植生等すばらしい山域であるのですが、近年の温暖化現象や獣害さらには登山ブームによるオーバーユース等によって、どちらの山々も同じような傾向にあるとはいえ、花歩きが大好き人間にとっても植物層の減少は誠に残念なことと思えるのでした。

 さて、マキノ高原登山口から取りついたのですが、山野草は最初の方ではほとんど見当たらず、せいぜいガマズミ類がちらほらと見られるくらいでしたでしょうか。このコバノガマズミにミヤマガマズミの相違点などを観察しながら進みましょう。母種のガマズミは目につかなかったようですが、もちろん分布しているはずです。

 それでも、お休み処でもあるブナの木平が近づいてくれば、次第に山野草も少しずつ現れてきたようです。トキワイカリソウは少なくなっていますが、ぼつぼつ咲き初めのようです。他にニシキゴロモ、ツルキンバイ、モミジチャルメルソウなども少しは見られました。それにブナやミズナラの若葉が目にやさしく木漏れ日の中を爽快な気分で心地よく歩けます。

     
 トキワイカリソウ葉常緑  ニシキゴロモ白花  ツルキンバイ(葉は三小葉)

 

 さらに歩けばオオイワカガミの群落が出てきて、このあたりまではお花の少ない歩きでしたから、さすがにこのイワカガミの大群生で嬉しくなって気持も上々となるのでしたが、見慣れたこの種へのデジは出番などありません。でも、なんとか花色で楽しみましょう。淡紅色から濃い暗赤色や淡い白っぽく咲いているものまで、いろいろと探すようにして楽しみましょう。

 イワカガミといえば、関西圏ではこの種はせいぜいイワカガミにオオイワカガミくらいしか出会えないのですが、中部、東海地方以北になれば、さらにヤマイワカガミ、ヒメイワカガミやアカバナヒメイワカガミにコイワカガミなどのいろいろなイワカガミ類のお花も楽しむことができます。とりわけ、あたり一面を真っ白のお花畑にするヤマイワカガミの大群落は静岡県安倍奥の山で出会って、目に焼き付いているのを思い出しながら、赤坂山のオオイワカガミの群生地を見ながら歩くのでした。

 さらに進めばオオバキスミレが見られ、アツミカンアオイも咲き、マキノスミレにも出会えたのですが、以前いろいろなお花咲き乱れる状態を知るものにとっては、あまりにも少ない咲きようであるのがほんとうに寂しいと思えてしまうのでした。考えればオオイワカガミ以外はほとんどが群落でなく、単発で咲いているのが寂しく感じた様子でしょうか。

     
 オオバキスミレ アツミカンアオイ  マキノスミレ 

 ゆっくりのんびり歩きで赤坂山でしたが、この山頂ではやっぱり風を避けるようにして南向き斜面に腰を落として大谷山、大御影山などの山並みを眺めながら昼食とするのでした。食事を終えて立ち上がれば北方向には三国山に乗鞍岳などが指呼の間で、さらに右奥には花の横山岳も目にできました。
 奥に白山が見えますねとの声に、よくない目をこらすとなんとか白く見えるのでしたが、これまであまり天気のよくない日ばかりで、ここからの白山を目にした覚えがなかったのを思い出すのでした。もちろん東方向には滋賀県最高峰の伊吹山や金糞岳も見えます。

     
 北に三国山   北東に乗鞍岳さらに右に横山岳 

 この後は北へすぐに明王禿にやってきました。こちらは風化作用といって、固い岩石が長い間に水と温度の変化によってぼろぼろになり、粘土のような状態になった景色が得も言われぬ地でした。なかでもまるでモアイ像のような奇岩は見どころではないでしょうか。


中ほど右寄りにあたかもモアイ像
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 この後も、足元に花を終えたトクワカソウなどを観察しながら行けば、今度は小低木のウスギヨウラクが咲き初めとなっていっぱい出てきました。でもドウダンツツジ、サラサドウダンはまだまだ咲くのは先のような姿でした。さらにはオオバノトンボソウなどもちらほらと花茎を伸ばしている最中のようでした。
 そして三国山分岐を左に見送って直進すれば6月に咲くだろうキンコウカの三国湿原でしたが、ぬかるむ湿地にまだまだ葉だけの展開のようでした。こうして黒河峠登山口のトイレ小屋で一本としましょう。あたりにはウリハダカエデが満開です。

     
 ウスギヨウラク    ウリハダカエデ

 これより、長い林道歩きとなります。でも今日は途中のPよりタクシー配車となっていますから、まだまだのんびり自然観察しながらの歩きとなります。日当たりもよいことから主として樹木の花々が咲いていました。ウワミズザクラ、マルバアオダモがいっぱい満開で咲き誇っており、イヌシデ、ムシカリなどやカエデ類もハウチワ、コハウチハなどにガマズミ類も咲き、ユキグニミツバツツジも残り花が色鮮やかなものも見られました。

   







 
ウワミズザクラが林道に超満開で咲き誇っていました~ 

 

     
負けじとマルバアオダモも随所で満開の花を見せてくれました~ *

 *マルバアオダモの葉は鋸歯が低くて不明瞭であり、ほぼ全縁で、小葉はふつう1~2対でまれに3対がある。また、近縁種のアラゲアオダモやアオダモの小葉は1~3対で、ふちには明瞭な鋸歯があるのが相違点で、マルバアオダモという名から、葉が丸いのではない。

 観察会の皆さま、ご参加お疲れさまでした。久しぶりにご一緒させていただきありがとうございました。またどちらかでお会いしましょう。

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