比良 花の蓬莱山 ’16.5.5

 南比良の雄である日本300名山の蓬莱山へ春の路に咲く花を求めるハイキングを楽しんだ。例年通りGWはお天気のよい比良である。南比良の楽しみは何といっても眼下に日本一の琵琶湖を眺めながら稜線漫歩が楽しめることであろう。

 さて、名水広場で一口入れて、オオルリソウに飛翔するアサギマダラの洒落た写真付きの名水案内を見よう。山の路案内や道標にはいろいろあるのだが、このような見る人を引き付ける品は嬉しい。あまりに感心しすぎて写真を写すことも気がつかないほどであった。

 さあ、この先へは近年、林道が上の方まで伸びているとのことでの初歩きでもある。その林道歩きはこれまでから、登りでも下りでも必ず一息入れる場所のズゴノバンは元より、さらに先まで伸びているではないか。わたし的にはせめて、この山の雰囲気満点のズゴノバンより下あたりで終わりにしておいてもらいたかったと、山歩きの人なら思うだろろうにと考えるのであった。でも、これも山仕事の人たちには考えが異なるのだろうから致し方ない。でも、そのうち足元にはタチツボスミレやチゴユリはほとんど終わりだが、イワカガミがぼちぼちと咲きだしている。そして突然目の前に黄色と紫のテリハキンバイやヒメハギのコラボがわずかに見せてくれる。

     
 テリハキンバイ(バラ科キジムシロ属)   ヒメハギ(ヒメハギ科属) 

 そして、ふうふう言いながらなんとか権現山につき三人が昼食中のようで、通り過ぎようとすれば、○○さんやないですか・・?、と呼び止められる。しばらくぶりの知り合いの方であった。近頃視力が落ちてきたのだろうか。以前の山友の知り合いの顔すらハッキリ見えなかったのだ。いや、これは目だけでなく頭も衰えてきている証拠であろう・・・笑
 懐かしい方たちでもあったので、すぐに合流させていただき、一緒に昼食としてしばし山頂の憩いとした。こちらは出発が遅かったために、ここで11時過ぎなのは初めてであったが、男女三人はもうこれより下るだけだという。相変わらず元気そうな歩きをされているようだった。

 お互いに反対の路へ向けて腰を上げた。これからが稜線漫歩となってくれるが、琵琶湖は暖かすぎてややぼんやりと広がっている。そんなことから景色より足元の花探し歩きが中心であった。そしてまたキジムシロの仲間の黄色いテリハキンバイが続いて出てきたが、こちらの場所は初出会いであった。
 そしてようやくホッケ山に立つと、琵琶湖から北山の山並みなど360度の展望が嬉しい。さぁ、あまりの亀足では具合が悪かろう。それ歩けと自らに言い聞かせながら進めば、あちこちのニセピークで友達どうしでだろう、お昼を囲んでいるグループも見かける。
 こちらは、そろそろフモトスミレが出てくるだろうと足元ばかり気にしながら、また探す歩きになるのであったが、さすがに今年の花の速さではほとんど終盤となっているのが見つかった。あ~、でも、今年も比良の稜線で、このフモトスミレに出会えたのだとの喜びを噛みしめるのであった。

 
 
 

 
   フモトスミレ  

 よし、フモトスミレも出会えたし、これで後は歩こう!、と心し、どんどんハイカーを追い越して小女郎峠から池へ立ち寄って、南側の高み方向のケルン地を眺めるのであった。あのケルン地コースもまた歩かねばと思いつつ、峠には戻らずに笹薮を踏み分けP1101から蓬莱と武奈ケ岳を眺めるのであった。この眺めも素晴らしいものがある。


P1101の笹原から左奥に武奈の頭が・・

 小女郎ケ池から25分で、着いた山頂には100人乗りのゴンドラで上がってきた観光客いっぱいの蓬莱山1等三角点にタッチであった。この山頂の賑やかさには、少々閉口ではあるがそれも致し方なかろう。賑やかなファミリー連れの人たちに乳母車まで見て、まさにここは山上の大公園と化しているのを目にし、なんと登山スタイルが訝しいばかりであった。

     
 蓬莱山1174.2m   蓬莱山から見る武奈とコヤマノ岳など 

 場違いな山頂を辞して金ピラ峠道へ下ろう。相変わらず琵琶湖はぼんやりと霞んで広がっているように見え、あまり景色には気がいかない。やっぱり心はお花に向かってしまうのだ。この時期はどこへ行ってもイワカガミが大群落となっていた。

 蓬莱のスキー場の金ピラ峠分岐道標から入ってすぐで、「駅から、それともゴンドラ山麓駅のどっちから・・?」と声をかけると、「蓬莱駅から延々と歩いてきました。しんどかったで~す。」という若い山ガール&山ボーイのアベックがすがすがしくて可愛い。
 そして二人はにこやかにこちらに対し、「この下すぐで岩場が出てきますから足元に十分注意してくださいヨ!」、とやさしい言葉をかけてくれた。もっともこちらは、若い初心者の山登り二人なんかの足とは比べものではないヨ・・と口に出かけたのだが、そこは言葉を飲み込んで、「すぐそこだね、分かったおおきに!」と笑顔で別れるのであった。

 掘れてよく踏まれた道にはイワカガミがうんざりするほど満開であったが、中にはフモトスミレも咲いているではないか。これにはびっくりであった、それはこの道でのフモトスミレは初見であったのだ。ベニドウダンなど樹木花はまだまだで、イワカガミ一点張りの山肌である。










 
   








  イワカガミ   

 さらに降りれば、カタクリはどこでも見ているのだが、このコースでも咲くことを初めて知った。これは来年のお楽しみとしよう。またバイケイソウも咲きそうだ。他にはタニギキョウ、ミヤマカタバミ、マルバコンロンソウ、ヤブウツギにトリカブトなどなどが咲くようで、サワハコベも終盤ではあったが見られた。そして林道に飛び出すと金ピラ神社の冷たくおいしい名水があるのも嬉しい。

 ただ、駅からのこのコースは登りに取る場合は相当タフなルートで過去には下りばかりなのだが、それでも季節を変えて一度は登りで花探しをやってみたい。なお、今回は時期的に稜線ではムシカリの咲き初めくらいで樹木のお花の出会いはほとんど皆無状態であった。それに金ピラ道に入ってから上部でもまだほとんど咲く木は見当たらず、標高がそこそこあるのだからやむを得ないのだろうと思いながら下っていった。

     
 マルバアオダモ満開 コバノガマズミ終盤 

 そして林道から金ピラ神社で無事の歩きに感謝した。その後の長い林道終盤にきて初めてマルバアオダモ満開、コバノガマズミやウワミズザクラが終盤ではあったが、これらが結構楽しませてくれた。これは樹木花が上部の寂しさを打ち消すかのような状態であって、それなりの満足度で北船路集落下のR162号にある八屋戸の信号を見ると、やれやれJR蓬莱駅は近いナとなった。。

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