敦賀ヒメシャガを訪ねて岩籠山へ’16.5.15

 JR新疋田-市橋コース-岩籠山-インデアン平原-駄口コース-JR新疋田

 そうだ、岩籠山にもヒメシャガが咲いているだろうと思い出して、何年かぶりに出かけてみました。もちろん、この山も花の多いことで知られています。そんなことから、いろいろなお花も楽しめることだろうとの期待でした。でも、今年の天候異変はどちらの山域も同じで、例年とは大きく植生が異なっているような様相で、もう端境期の状態となっていたのでした。

 まず、ヒメシャガですが、こちらの山塊ではほとんどが咲き終わっているではないですか。先日二日前の比叡山ではまだ咲き始めたばかりだったのですが、こちらの方が北寄りのために、まだこれからだろうとの読みがすっかり外れてしまったのです。どうやら、わたしの今年の花の開花時期の予想は外れっぱなしのようです。(泣)、 取あえずほぼ終焉のヒメシャガです。

         
 ヒメシャガ(アヤメ科)花序の様子   3本の花柱枝の先はさらに細かく裂けて立つ   ヒメシャガの葉の幅は狭いのが特徴 

 きれいに咲き残っているヒメシャガはないようなために、早々に気分を変えて進みました。しかし、出てくるお花はシライトソウ、オオバキスミレともに終焉の種ばかりではありませんか。かといって咲き初めの可愛い山野草は目につきません。

         
 シライトソウ(ユリ科)   白い花被片は先が太い線形で、上方4個が長く、下方2個がごく短い 
 

 続いて元気に流れる渓谷の渡渉後半あたりから次第に標高を上げるにしたがって、オオバキスミレがまだまだ残花を見せてくれましたが、このお花も同じ野坂山塊の一角である赤坂山で二週間も前に咲き初めばかりを見ていましたので、そう感動のお花とはいえませんでした。

           
      オオバキスミレは野坂山塊が西限     

 本日のコースは清流の中の沢沿い歩きも楽しめます。そんな中に小さな花も少し見られました。

       
エチゼンカンアオイ(ウマノスズクサ科)越前地方分布のヒメカンアオイ系の花  まさに沢に咲くサワハコベ  茎に毛が無いのが特徴 

 他にミズタビラコやクルマムグラがようやく目につきましたが、ほとんど花は咲いていませんでした。

     
 ミズタビラコ(ムラサキ科)   クルマムグラ(アカネ科) *

 *クルマムグラに酷似するオククルマムグラもあるが、今回出会ったクルマムグラの茎には4稜があり、稜上には棘はないのが大きな区分点で、花は両者とも大きさや形とも変わらない。

 そして、岩籠山頂上直下の日のよく当たる乾燥地にはヒメハギがわずかに咲いていました。


ヒメハギ(ヒメハギ科)

 例年であれば、他にもいろいろなお花の見られる岩籠山の渓流地歩きなのですが、これだけ花の少ない、いわゆる端境期の経験は初めてのような気がしました。それでも足元にはコバノフユイチゴの新葉が群がっており、ササユリの葉もいたるところで見られます。次回の訪問時にはきっと白花や薄紅色の花たちを見せてくれるだろうと思いながら進みました。もちろん、コバノギボウシやヤマジノホトトギスなど初夏に咲くであろう花々の新葉も元気に方々で展開中でありました。そうそう、忘れていましたが、サワオグルマもきれいに咲いているのを見たのですが、車道歩きの中でしたから、写し損ねてしまいました。トホホ

 山野草はこれくらいで、樹木の花ですが、登山道になって歩き始めると、もうサワフタギの咲き初めで、進めばナナカマドも咲き初めでした。それにタニウツギ、ヤブデマリは満開で夕暮山分岐あたりから稜線に上がれば、関西圏の山歩きでは特に珍しいユキグニミツバツツジの残花がちらほら散見できました。


ユキグニミツバツツジ

 それに下山はインデアン平原から駄口コースでしたが、急降りが始まり出すとすぐにマルバアオダモのこれまた残花が綿雲のように白く咲いていましたが、それを過ぎるとほとんどが完全に咲き終わりとなっているのでした。また、中腹ではアズキナシがこれは満開でありましたが、残念ながら高木の花のために諦めました。そのそばにはハクンボクやヒトツバカエデという比較的珍しい樹木もある所でしたが、残念ながらさすがに時期早そうで花は見られませんでした。さぁ、次回訪問はうまく狙いの花時に行くことができるのでしょうか・・・。本日は写真撮りが少なく、3時間半ほどでJR新疋田駅に周回で帰ってきてしまいました。

ホームヘ

inserted by FC2 system