比叡山に咲く花’16.5.27

 セッコク、カキノハグサにバイカツツジはもう咲いていることだろうと花巡りしよう。本日の日和はそんなによくはなかったが、まだましだと天候のことなど花暦のことを考えればいってられない。咲いていました。セッコクとバイカツツジです。ところがカキノハグサはどうしたことでしょうか。

 さて、まずラン科のセッコクは厄介な花である。高い樹上に多数の根をだして着生する習性をもっているのだ。ここ比叡山でも大木の杉木立の古木に着生しているために、バカチョンでは到底撮るのは無理というものだ。望遠鏡持参で覗くのが精いっぱいであった。

 続いて、樹木のバイカツツジがきれいに咲き初めを見せてくれた。もっともこの種もツツジ属の仲間の中でも樹高が、どうしてもほかよりやや高く手の届きにくいあたりに咲くような気がした。でも、この個体数の少なめなバイカツツジに、これだけ出会えることはこの時期の花巡りをより楽しくさせてくれる種でもあるのだ。

 バイカツツジについて、また同じフレーズで書いてみよう。

『このツツジは葉が展開してからの白い花でやや遅咲き種だろう。葉は枝先に集まってつき、その葉の下へ隠れるようにつき、花は2cmほどで花冠に紅紫色の斑がついて輪になっている。葉柄や若枝には腺毛が多い。雄しべは上に短い2個がつき軟毛が密生する。また下に長い3個のしべで合計5個であり、このようにしべまでかわったつき方の姿ではないか。
また、その花弁には珍しい姿の斑模様が入る。その模様も輪になるのが西日本型で、東日本では上側3弁に紅紫色の斑点であり、斑の姿が異なるのもおもしろい。この2形態は静岡県の富士川から新潟県の糸魚川に至るフォッサマグナを境界にしているといわれるのも多くのツツジとは異なる話ではなかろうか。』

 さぁ、ことしのバイカツツジをご覧いただこう。手も届きにくく、高いところで風に揺られてなかなかじっとしていてくれないのが残念である。いつかドンピシャを撮りたいものだが、やっぱり腕も機器も両方取り替えないと合格写真は撮れそうにない。あきらめよう・・


ツツジの王様はバイカツツジだい!、笑

 それにしても、ツツジの中においては最高級の気品の高さを誇っていると当方は勝手に気にいっているシロモノである。ちなみに我が所有の図鑑ではツツジ科ツツジ属には70種程度の種が掲載されているのだが、これまで実際に出会ったツツジの中では一番のお気に入りなのだ。その理由は単純に、分布域は日本全国とあれども、どこの山でも咲いて見られるツツジではないだろう、それがうれしい。

 さて、続いて本日のお目当てであったカキノハグサであるが、こちらの花はどうしたことか今年は極めて出会える株数が少ないように感じた。それも昨年より二週間早かったのだが、これはこちらが勇み足だったのだろうか。数えられるほどの株のうちの一部が蕾をすこし膨らませ気味くらいで、寂しいかぎりであったのだ。しかし、この後も引き続き追って観察していきたいものだ。


もっといっぱい早く咲いてよ カキノハグサさん

 それでは他に見られた種を並べてみよう。まず、山野草から

         
 ヨツバムグラ(アカネ科)花2~3mm  フタリシズカ(センリョウ科)これから ウワバミソウ(イラクサ科)満開  ジシバリ(キク科)乾く地へ長く咲く   ミゾホオズキ(ゴマノハグサ科)湿り気地
         
 サワギク(キク科)湿り気地へ  マルミノヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)初め白花から淡紅色に変化していく   ユキノシタ(ユキオシタ科)湿り気地  ミヤマヨメナ(キク科)陰湿地へ

 続いて木本類、さすがに樹木花は今が盛りの花時となっている。

         
 コゴメウツギ(バラ科)今回最多満開 ツルデマリ(ユキノシタ科)ゴトウヅルとも   ヤブデマリ(スイカズラ科)花弁1枚ノミ小 バイカウツギ(ユキノシタ科)葉三行脈  カマツカ(バラ科)終盤状態
         
 キバナツクバネウツギ(スイカズラ科)葉大 コツクバネウツギ(スイカズラ科)一般的   ジャケツイバラ(マメ科)逆向棘  スノキ(ツツジ科)萼筒稜見えず  タニウツギ(スイカズラ科)満開
         
 モチツツジ(ツツジ科)満開 コバンノキ(トウダイグサ科)終盤  コアジサイ(ユキノシタ科)装飾花無   ナガバモミジイチゴ(バラ科)実美味 アブラチャン(クスノキ科)秋に黄褐色に 

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