京都東山に咲く花’16.5.31

 低山の東山でも見られる花もあるだろう。手軽な花巡りの楽しさをみつけようと、5月末ながら早くも真夏日を超える日に出かけてしまった。外国人ばかり、いや、6人グループの中学校の修学旅行生ばかりが目立つ喧噪の京の街中をすり抜けて、やっと里山に分け入った。

 しかし、やっぱり山の中は、むせかえるような暑さばかりで、期待に答えてくれる花はそう簡単にはなかった。しかし、そうはいっても、もう少し待てば咲いてくれる種の葉を見つけられたのだから、今日の花巡りはいい日となったのだ。


 この時期あたりの里山歩きはこれまで経験はあまりないに等しい。これまでから、初夏には夏山前の低山からせいぜい亜高山帯登りが多かったのだが、同じ行いばかりは飽きがくるというものである。それに反して里山を静かにさまようのも、これだけ気分いいのかと今さらながら気に入った。はな・はなと花ばかりを思いながら歩いていると、あまり見かけない薄黄緑色の花を下向きにして咲く木が目の前に現れた。

 おっ、なんだ、ウルシではないか。いや、待てよ。ヤマハゼでは・・・、そうそう、こちらは自らの身体が近年は慣れてきて、ウルシ科の樹木達を手に取っても、カブレることはなくなっているのだ。早速に葉をひっぱって小さな花を撮ろう。

 花弁やしべも5個ついている。それに葉は奇数羽状複葉で、4対もあれば7対も見える。葉そのもの姿は細長く先端は長くとがるし、両面とも無毛である。それから、奥に立つ木も立派に成長している。軽く5~6m以上はありそうだ。木肌も縦長く細い裂け目が見えるのでこの木はハゼノキだと一発決定であった。。

 なお、ウルシ科にはヤマウルシ、ヤマハゼ、ウルシ、ハゼノキ、ヌルデに、この種だけがつる性のツタウルシの6種があるのだ。紅葉のシーズンになるとウルシ科は相対的にきれいになって秋採を見せるのだが、とりわけヤマウルシとハゼノキの紅葉は山の風物詩となるので一見の価値ありであろう・・・。今年の秋色はこの地でも楽しもうと予約する。笑

         
 ハゼノキの雄花  ハゼノキ、雄株と雌株二本立つ  ハゼノキは雌雄異株  ハゼノキの樹皮 ハゼノキの小葉の姿、4対~8対 

 さて、他にもいろいろ楽しめたのだ。ツツジ科スノキ属の酷似するスノキとウスノキ二種の見分け方について考えてみた。この種の花時から若き果実に向かうころの同定は並大抵ではないように思っている。でも、花の終わるころの比較は、前者のスノキは初め緑色の球形で、真夏になると熟していき、最初は赤色になってそれから7~8月ころに紫黒色に変化していくのだ。
 また、後者のウスノキは5個の稜があり、7月~9月ころに緑色から赤く熟してくる。ということで晩夏から秋も深まるころには、この二種の果実ほとんどが黒色か、赤色のいずれかになっており、結果として果実が黒色であればスノキ、また赤色であればウスノキと同定完了である。さぁ、今回わたしが見た画像をご覧あれ、どうです。
 上記のような説明を聞いてから、こうして画像を見れば一目瞭然ではないでしょうか。この時期5月末ころのスノキの様子である。葉の違い等を調べてからの区分を考えても、わたしのような素人には不可能に近いのではなかろうか。要はさらなる経験を積むより仕方なさそうだ・・。フゥ

     
5末現在の果実の後ろから   若い果実正面と横から  葉の様子だが・・

 続いて、こちらは如何だろう・・・。クワ科イチジク属のイヌビワである。まずは画像を

     
 イヌビワの花は花嚢(かのう) 冬芽、円錐上が葉芽、丸いのは花芽   葉先尖り、基部は円形又は心形

 花はこの画像三枚ともに写る球形の緑色の実のようなのが、花嚢という花であるのが独特であろう。やっかいなことには花嚢時点では雄雌ともに10mmほどで同形のようだ。そして、これが10~11月ころに約2cmの球形となって黒紫色に熟してくれば雌果嚢は食べられるが、雄果嚢はかたくて食べられない。
 なお、この種は雌雄別株であるのだが、さて、この画像の花はどちらか・・・?、といわれても見分け方を知らないと分からない。それは雄花嚢は基部が伸びているのが特徴であり、まさにこの画像すべてが雄花嚢である。雌花嚢の基部はあまりのびないし、雌花嚢は黒紫色に熟せば上部に割れ目が入るといわれる。そんなことより花嚢基部が伸びているか伸びていないかをみれば雄雌の区別はできそうだ。


 花はまだ先となるのだが、次のような葉を見つけた。いずれもラン科である。それぞれ花期はずれており、また、開花時期は各々相当な間隔がありそうで、これからも何度かの再訪が必要となりそう~

     
 コクラン、花期6~7月   アケボノシュスラン、同8~9月 

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