シロバナベニバナヤマシャクヤク満開’16.6.1

 お天気のなかで満開のシロバナベニバナヤマシャクヤクの満開状態を見ていただくことができました。欲を言えば、花の咲く稜線ではやや風がきつく、写真撮りには容易ではありませんでした。さっそく、そのお花の様子をご覧いただきましょう。

     
 花姿がほっそりと花茎がスラット瀟洒だ    中にはひとつの根から多く株の開出もあり

  


群落で咲く 画像クリックで拡大

 続いてこのお花のポイントでもある花柱あたりをご覧ください。なお、画像は花柱が分かりやすいようなものを選びました。また、以下はすべてはチェックできませんので、目についたものだけです。

     
この種の花柱(雌しべ)は2~7個と個体差ありだが、ここでは5個が最多であった。 

 

     
花柱が4個のもの    花びらが完全に散って花柱が見易いものも 

 

 
花柱が最小の2個も多くあり 

 ヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤク等(以下シロバナベニバナヤマシャクヤク含む)のわたし的な相違点などを列挙してみます。

1.開花時期がヤマシャクヤクの方がおよそ1ケ月早く咲く

2.雌しべの先(柱頭)が写真のように渦を巻くように曲がるのがベニバナヤマシャクヤク等、外側に少し曲がるのがヤマシャクヤクの特徴とあるが、わたし的にはこの説はきわめて曖昧と感じている。

3.花柱の数で古い図鑑では5個がベニバナヤマシャクヤク等で、3個がヤマシャクヤクとあったのだが、近年では各々の数に幅が出てきており、前者は2~7個、後者が2~5個とあるので、こちらの説も同定ポイントとしては絶対信じてよいものではなさそう

4.葉の裏に毛があるのがベニバナヤマシャクヤクで、毛のないのをケナシベニバナヤマシャクヤクとしている府県もあるようだ。ただ、一般的にヤマシャクヤクの葉裏は帯白色といわれ、シロバナベニバナヤマシャクヤクは京都府下でも葉裏に毛があるのと無い両方があって、京都府ではベニバナヤマシャクヤク等について毛の有無は取り上げないとしている模様である。なお、わたし的にはよく行動する京都北山の山域では、少なくともシロバナベニバナヤマシャクヤクは圧倒的に毛無の方が多いように思っている。

5.花冠の大きさはあくまでも見た目ではあるのだが、ベニバナヤマシャクヤク等の方がヤマシャクヤクより小ぶりで、全体の立ち姿もすらっと華奢な感じのする方がベニバナヤマシャクヤク等の方のように感じている。

 話は変わりますがその関連として、このヤマシャクヤク類は毒性をもつようで、鹿の忌避植物といわれています。そのようなことから、この山域では鹿に食べられることがほとんどない植物のうちで、ヤマゴボウ科のマルミノヤマゴボウや、サトイモ科のマムシグサ、ムロウマムシグサ(別名キシダマムシグサ)、コウライテンナンショウ、ジンチョウゲ科のカラスシキミなどが見られるのも特徴的なようです。なお、ここでは同じ鹿の忌避植物のひとつでもあるオモトは見たことはありません。

 山野草ではオカタツナミソウが満開となって咲き誇っていました。また、キンポウゲ科のハンショウヅルが咲き残っており、アカネ科の中で珍しいヤマムグラ(花3mm)に、ヨツバムグラ(花1mm)など小さな花をつけるものが見られました。特にヤマムグラは初見でした。
 なお、ハンショウヅルの仲間にはこれ以外にタカネハンショウヅル、シロバナハンショウヅル、トリガタハンショウヅルがあり、なかでもタカネハンショウヅルだけが8~10月咲き以外は4~6月あたりの春くらいに咲きます。次は当日花に詳しい男性のお客様からお聞きしたコウヤハンショウヅルに出会うのが楽しみとなりました。情報ありがとうございました。

       
オカタツナミソウ、上の葉が大きく毛深い  ハンショウヅル、葉は3出複葉 ヤマムグラ、葉は1対づつ大小あり   ヨツバムグラ、葉先が小さくとがる

 一週間ほど前には樹木花もいろいろ咲き誇ってはいたのですが、今回はそのほとんどが咲き終わっていました、せいぜいウツギが咲きだし、ヤマボウシが咲き残っていたくらいでしょうか。また、歴史話がバスの時間等これあってまったくできなかった点についてお詫び申し上げます。ご参加の皆さまお疲れさまでした。

 5月24日  ホームヘ

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