比良山麓に咲く花’16.6.12

 梅雨の中だが、何とか雨の来ぬうちに山麓の花徘徊としよう。この時期はやっぱりラン科がお目当てである。でも、花の最盛期は短く難しい。クモキリソウは終盤となっており、オオバノトンボソウはまだようやく蕾で、まだまだ開花には日がいりそうだ。

 まずは多数咲いていたクモキリソウである。今年は当たり年だろうか・・。
 でもそうはいっても、今回も5日前に登山道沿いに咲いていた一株が根っこからごっそり盗掘の被害で跡形もなくなっていた。私は最初に見つけた時に人目を避けられる場所へ移植してあげるべきだったと心痛めているがもう7月24日だ。すなわち後の祭りだ。(笑)、(7/24、この日は京都では祇園祭の後祭りが行われる日で、7/17の祇園祭の本宮である前の祭りの方が、7/24の後の祭より格段に豪華で雅やかだということからの古くからの謂れ言葉)
 かといって、当方はいつもザックにシャベルを持ち歩く訳にもいかない。どうか、「花は自然のそこで咲いているのが美しい」と山歩きする人は心してほしい!・・・。自然と比べ、アナタの猫の額ほどの庭に植えても、その花はすぐに命を終えてしまうことを知ってほしい。

 さて、クモキリソウ(ラン科クモキリソウ属)の図鑑による説明は次のとおり。
山地や低地に生え、葉は2枚相対してつき、長さ5~12cmの卵状楕円形で、ふちは鋸歯があって波打つ。葉脈の網目ははっきりしない。花茎の高さは10~20cmで、直立し稜がある。茎の先に5~15個の淡緑色ときに淡紫褐色の花を総状につける。萼片、側花弁とも長さ約8mmで細い管状、唇弁はそり返る。花期は6~8月

         

 ラン科のクモキリソウ属の種は多数あるようだが、私はクモキリソウ、コクラン、ジカバチソウとスズムシソウ、シテンクモキリの5種を見ている。

 さて、ラン科の二番手はツレサギソウ属であるオオバノトンボソウにも今回出会えた。ところで、この種にも苦い経験があるのだ。今回の山ではなく、異なる山塊においてだが、このオオバノトンボソウの咲き初めあたりだっただろうか。大きな株もろとも盗掘にあってしまったのだ。いずれにしてもラン科はどんな種であろうとも盗掘が絶えないのが居た堪れない。今回の個体は一株のみひっそりと樹林下で蕾をつけて立っていた。この属の仲間たちにはコバノトンボソウという種もあるのだが、この種はやや早く咲くようだ。その他の種の開花はやや遅めに咲くグループのように思っている。とりわけジンバイソウは8~9月の晩夏といえるほどのラン科の最終ランナーではなかろうか、ほんとうに遅咲きのような気がしている。
 さぁ、ここのオオバノトンボソウはいつ頃咲いてくれるのだろうか。私的な予想では次の土日あたりは如何だろうか。乞う、ご期待を!!、というより、雨予報や他の山行予定等で、当方の比良への山行予定が6/18~19としているものである。(笑)

         
 一番下の葉、互生で1~3枚は大きくなる   下から2,3,4、5枚目の葉、4,5は小    6.7.8.9.10枚目の葉は小さい、蕾 

 図鑑によると、山地、丘陵の林下に生え、茎の高さは25~60cmとなり、葉は下部の2~3枚が大きくなる。その葉は長楕円形で長さ7~12cm、裏面の主脈は翼状となって茎に流れる。花は淡緑色で径1cmほど、茎の先に10~25個が穂状につく。唇弁は広線形で長さ6~8mm、距の長さは1.2~1.5cmで垂れ下がる。花期は6~7月とある。

 ラン科のツレサギソウ属もクモキリソウ属に負けないで多くの仲間たちがいる。多すぎて我ながら整理がつかないのが実態である。そのツレサギソウ属の主たる種の同定方法についてふれてみよう。

*ラン科ツレサギソウ属の花の姿からの同定ポイント
①正面から見て花びらが輪になったもの=コバノトンボソウ(距が跳ね上がる)・ホソバノキソチドリ(下がる)

②正面から見て頭の上に庇状に背ガク片が被さって花びらが中にあるもの
                         =ツレサギソウ・オオバノトンボソウ(距が垂れ下がる)・オオヤマサギソウ(反り返る)(なお、ツレ・とオオ・との相違点は葉、距の大きさや花色が異なる。)

③正面から見て花びらが角のように飛び出て万歳しているようなもの
                         =キソチドリ、オオキソチドリ(距が下向きに曲がりこむ) =ヤマサギソウ(距が日本刀のように反る) =マイサギソウ(距の先半分ほどが持ち上がる)

 
 さすがに山野草も全くないに等しいが、無理やりに探してみたが・・

       
 タツナミソウ(シソ科)  コモチマンネングサ(ベンケイソウ科)  キキョウソウ(キキョウ科)  コバンソウ(イネ科)

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