京都西山に咲く花’16.6.22

 梅雨の晴れ間を狙って西山の花探しに出かけて来た。京都府の絶滅寸前種でもあり超希少種の「ムヨウラン」はどんな状態であろうかと足が向いていた。そもそもラン科ムヨウラン属にはいろいろな種が多くあるようだ。こちらで出会った種はどうやらその中のムヨウランのようだ。

 ところが本日の段階では、その様子は取り立てた変わりようではなさそうだ。でも、そろそろ開花準備に入るのだろうと思っているのだがどうだろう・・・。よ~く見れば、今年3月頃に花枯跡と思っていたものが、その中がつまってきているみたいだが・・?。
 ともあれ、この種に出会ったのが、今年だったのだから、その生態がよく分からないのが正味のところである。ネット上で調べるもこのような姿の写真もほとんど目にしないのだ。手元の図鑑では花期が6~7月と記載あるも、ネット上ではほとんどが5~6月との表記が多い。また、調べるにしたがって、なかなか花を見ることの容易でない種のようであるらしい。

 本日の姿は昨年の果実のようにも見え、それとも今年の花の準備だろうか・・?。。

 
 ムヨウラン、 葉が無く、花茎15~20cmくらいで茎は細くて針金状で硬い

 植物は本来、光合成によって自らエネルギーを作り出す独立栄養性にある訳で、すなわち独立栄養植物に対し、その光合成をやめてしまい、共生する菌類から栄養や水をもらってのんきに暮らす植物が、世界に多数いるといわれているのだが、それらのグループを菌従属栄養植物というのである。
 以前は後者のような状態を葉緑素を持たない腐生植物と表現していたのだが、その後研究が進んで、昨今ではいわゆる菌従属栄養植物といわれているのである。いずれにしても、あまり神経質にならないように、のんびりこのムヨウランの種と向き合いたいものである。


 さて、続いての徘徊後のご褒美は、ラン科のツレサキソウ属であるオオバノトンボソウであった。といってもこの種はいろんな山塊で出会ってはいるのだが、そうはいってもラン科の種はどうしても気になるものである。

         
互生の葉は基部3枚の一番下が大きい    花穂一番下の花もまだ最盛期手前   花が下から咲くがまだまだこれから 

 近縁種であり、湿地帯分布のコバノトンボソウとは異なり、こちらは丘陵や低山の林内に生え、出会える場所が大きく違うが、両者とも梅雨期に咲くためにほぼ同じころに楽しめる種といえるだろう。あえていえば開花がオオバノトンボソウの方がやや遅いだろう。


 野草が少し見られた。

         
 紫花が目立つ、ムラサキニガナ    ウバユリが今年も咲くだろう   今年こそ咲けヨ、キチジョウソウ 

 花がとっくに終わっているヤブムラサキがいっぱいあったが、そばにはムラサキシキブの花は終焉だった。こちらカールが可愛いアクシバの花は最盛期の満開だったが、雨には負けるのか、花びらがクルリとカールしているものは数えるほどであった。

 一方、ツツジ科のスノキは実をいっぱいつけていたが、みな、まだ薄黄緑色の若い実で、熟す手前には赤色となって、最後は黒色で熟すのだが、まだまだ先であろうか。ところが、それに比べて、ウスノキは若い実からすぐに真っ赤な角ばった実となるのだ。だが、なぜかスノキと違い最後まで枝につく実は数少ないのが特徴である。それでも、頑張って赤い実をひとつ、ふたつつけてもう熟しの時期なのだろうか。しかし、雨に濡れて数も少なく寂しそうな枝が広がっているのを見ながら可愛そうな気持になるのであった。。

     
  ムラサキシキブは咲き終わり   アクシバは可愛いく満開だった~ 

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