比良 武奈ケ岳 ’16.7.10

 JR比良駅-イン谷口-青ガレ-金糞峠-南尾根-コヤマノ岳-武奈ケ岳-細川越-広谷-イブルキノコバ-北比良峠-大山口-JR比良駅

 梅雨の晴れ間との予報を信じて一番の電車でイン谷口へ向かった。とりわけ青ガレ以降より金糞峠の間が猛烈なる大汗をかかされてしまった。でも、途中の落差18mといわれる隠れ滝の水の流れの元気さにつられる様に頑張れたのがうれしい。


隠れ滝は今日も元気な流れを落としてた~

 金糞峠からヨキトウゲ谷へ入り、南尾根に取りついたが穏やかな坂道、20分もしないで足元にシャラノキともいわれる白い花のナツツバキがいっぱい散らばっている。この暑い夏時に今年もこの花に出会えたのだと、ざわざわと心騒ぐのであった。そしてブナの木が出だすと心もさらに喜びで弾んでくるのだ。大杉に太めのブナのそばまで寄って木肌を撫でまわして、気迫をお裾分けにいただこう。コヤマノ岳あたりは若いブナの木多く、これはこれで100年先のあたりの風景をひとり連想しながら武奈へ向かおう。

 最後の登りをどうにか片づけてやってきました。比良山系の最高峰、日本200名山1214.4mの武奈ケ岳へ登頂だった。腕を覗けば10時前であったが昼としよう。でも、あたりの山並みは白い雲が低く垂れこめているではないか。それより昼だ昼だと暑いが東側に陣取ろう。
 まだこの時間帯だから静かな頂である。食べている間に二週間前にあの頂に立ってこちらを見ていた、蓬莱山の山頂が顔を見せてくれた。その内に釣瓶もチラッと見えたが、最後まで正面の釈迦岳は頭はなく、かろうじてカラ岳のアンテナが見え隠れする程度で、予報とは大違いの空模様だった。

 ゆったり40分近くも我を忘れるほどの山頂に身を置いていたのも久しぶりであった。そろそろ腰を上げようと見上げれば、青空も広がっているではないか。すわ、写真だと押したのがこれ↓であった。日曜日だというのに山頂には10人ほどしか姿はなかったのも珍しい。

 下山は北陵である。でも、この道に葉の切れ込みが独特のコハクウンボクが大繁茂するようになってきている。もっとも幼木がほとんどで花を咲かせる成木はそんなに多くはなさそうだ。その花時も逸してしまったのが悔やまれたが、ほとんどが花枯れとなって若い実に姿を変えてきていた。カマツカ、ムシカリなどが実をいっぱいつけて頑張っている。オオバアサガラは花枯がぶら下がっていた。この花も開花状態を今年は見ず仕舞いだった。実のところはフウリンウメモドキの今を見たかったので、探すのに夢中になったが、残念ながら若い果実化は緑色のハズだから、見つけることはかなわなかったのが悔しい。やっぱり花時か葉を落とす秋の赤くなった実時くらいしか目にはつかないようだ。


コハクウンボク(エゴノキ科)

 細川越から右折してスゲ原より広谷へ下るも、この時期の植物たちは見るべきものはなさそうだった。そうそう、広谷からイブルキノコバへ上がる場合の最初の橋だが、何年振りにこの橋をストック一本を頼りに渡ることができた。メタボ(いや失礼!)の方や、それより重要なのはバランス感覚の衰えてきている中高年は、最初からそばより渡渉をなすべきであろう。若い人も含めて、この橋を渡れる資格のある人はそんなに多くないことを知っておきたい。もちろん、グループでやってきて、恰好つけて無理し、沢に転落しても当方は責任は取らないことも断りしておきたい。笑
 要するに普段からの食生活やバランス等のトレーニングも十分意識した山歩きを経験していきたいと申し上げておこう。ヘリに世話にならないよう、無事を祈ろう・・。

 この後は何の変哲もない山歩きが続くが、北比良峠、かもしか台からイン谷口へ、そしてJR比良駅と帰りついた。それにしても蒸し暑い一日だった。でも、今回は次のようなつまらない独り言をつぶやかざるを得ない。

 さて、またしてもオオバノトンボソウが鹿に食べられたのではなく、人の仕業が歴然としていた盗掘であったのには残念至極で腹立たしいのはこの上ない日であった。ちなみに鹿が食べた場合はそばにそれらしき残りや茎だけが残る等で分かるものである。
 もちろん、先月にも登山道沿いに咲きかけていたクモキリソウも盗掘されて姿を消したのだが、人はどうして盗掘しようとする気が起きるのだろうか。咲いている花は山主以外に、山歩きする人個人のものではなく、持ち帰る行為そのものが泥棒となっていることを知ってほしいのだ。
 こちらは葉の芽出しの頃より足しげく通って、その成長ぶりを愛おしく見守ってきている状態なのだが、いよいよ花を咲かせる頃だろうとルンルン気分で向かったにもかかわらず、影も形もなく根っこからごっそりと掘り返してその跡もきれいに枯れ葉で、あたかも何もなかったようにしているのを見て居た堪れない気持ちで情けない。
 思うに山歩きの慣れない花に関心のある人ではないだろうかと分析するのだが、要するにこれまでから山歩きの中において、自然を大切にする点ではいろいろな分野の話がある中に、盗掘は犯罪だとの話など聞いたこともない、山歩きを初めて、まだ日が浅いいろいろな経験の少ない人ではなかろうか。
 そのような行為を繰り返していると今に山歩きのなかにおいてアクシデントにつながり、不幸にぶち当たる罰がくだされるかもしれない。このような不幸が自らに降りかかってくる可能性は出てこようというものである。すなわち。人は誰でも自らが不幸になることを望まないように、多くの山を愛し、自然を愛する人たちに迷惑をかけるというようなこと自体にも目を向けるべきではなかろうか。私は盗掘している人を目の当たりにしたことはないのだが、万一そのような事態を目にした場合は、勇気を出して恐れずに注意喚起に意を決していただきたいものである。

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