比良 小女郎谷北東尾根から蓬莱山 ’16.9.11

 JR蓬莱-八屋戸-P265-無名峠-北東尾根-P717-P1101-蓬莱山-ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-P735-JR蓬莱

 
長大な小女郎谷北東尾根(ホッケ山手前の稜線よりの展望)

 

 明日からは秋雨前線の停滞と台風の発生等の影響を受けてしばらく天候は思わしくなさそうだ。三連ちゃんではあるが、今日も山へ向かうこととしよう。今回の登りルートは初のためにワクワク気分で電車を降り(9:00)、北への車道歩きから始まりでした。

 最初は八屋戸の信号左折で金毘羅峠コースへはいりましょう。あたりにはヤブランの紫色の開花がこれからのようです。登りがきつくなってくればキツネノマゴ、キンミズヒキ、ゲンノショウコなどの野の花がいろいろと見られます。でも、今日ばかりは花巡りの時間は取れません。なぜなら、初ルートのために山中では花より道に頭を使う必要があります。ま、たまには花を忘れる山歩きをやってもいいでしょう・・。

 半時間ほどで、地形図上のP265の分岐までやってきました。この左角には「森の中の手づくりギャラリー木花夢坊」の看板表示が下がっています。さぁ、これより初ルートに突入です。すぐで右に古い広めの林道ありで、これを登ります。ギャラリーの建物まで行ってしまうと行き過ぎです。

     
木花夢坊の看板を左折     ギャラリー看板からすぐの林道入口

 幅広の林道へ入れば右横に元気に流れる水路が続いているようです。この林道も古そうで、植林の枝落ちで足元は快適ではないのですが、それなりに歩けて助かるという程度でした。でも、次第に急坂になってきています。そうこうしているとCa400あたりで左手下の谷も終わって源頭部へ上がってきたようです。広い林道もここで突然消えました。もちろん、この上からは踏み跡はほとんどありませんが、よ~く見れば踏んでいるような感じではあります。

 これからが、いよいよ地図読みとなります。上がって来た林道と同じ方角の西へ西へと登りあげます。でも、次第に傾斜が堪えるようになってきますが、ほどなく左上に稜線が目に入ってきます。空が見えてくると元気が出るというものです。最後は急坂を堪え切れずにわずかに左に振ってその稜線に乗ったのでした。そしてこの稜線を北へ取ればすぐ峠(10:20~25)でした。どうやら無名峠のようでCa500くらいでしょうか。見れば左下へしっかりとした踏み跡が小女郎谷方向へ降りています。もちろん、ここで一本でした。

 
 無名峠にはポール二本のみあり

 さぁ、これからが本日のハイライトの急登となります。地形図ではこの500mから640mあたりまでが特に急登となっています。ネットでも45度もあるのではと書かれたHPもあるようですが、まさかそんなにもあるわけではありませんが、いずれにしても覚悟を決めて、↑写真のように、通せんぼの枝が置かれた北西方向へと登りましょう。ご覧のように植林は結構伐採の手が入っているようです。足元の下草はほとんど目に入らないのですが、急坂となってくれば持つ枝も皆無状態が続きます。

 でも、さらに登れば次第に草や小灌木も残って、峠より15分ほど上がってきたのですが、文字の消えかっかった白い看板が急坂に立っています。このあたりは斜度も最大なようで、気を抜けば後ろへ滑落しかねない急坂となっています。何か枝などを持って立ち休憩もほどほどに上を目指しましょう。

 
 公社営林地の看板

 さらにこれより20分ほど頑張れば植林の手があまり入ってなさそうになり、ようやく急坂は楽になってきたようでした。すぐ下の登りに比べれば緩やかに感じてしまうほどでしたが、Ca640mくらいでしょうか。この後もそれなりの登りで、やや平くなってくれば浅く掘れた古道らしき道型も現れたり消えたりしだすと、なんとかP717あたりでしょうか。
 ところがどう行ったり来たりしても、ここがP717だと言い切れる頂らしきところが見つかりません。やむなく高度計の示すP717(11:15~20)あたりで一本でした。このやや平な部分あたりからボツボツと目印のテープも目につきましたが、この下の急登部分ではテープはなかったように思います。いいえ、あっても登るだけで精一杯でテープを見つける余裕というか、元気がなかったような感じでした。そして踏み跡もこれまでとは違って分かりやすくなってきだしました。

 
 P717のようだ・・

 この後はほぼ稜線歩きとなってくれますから、地図は片づけました。それに多くのテープがつけられていたのでした。そしてP717から半時間ほどでCa900を超えてくると、金比羅谷側には美しいブナ林の景色が飛び込んできました。ここまで大汗して上がってきたのですが、この景色でテンションUPでした。贅沢は言ってられないのですが、願わくばたくさんのブナ林達がやや小ぶりなのが残念でした。そのブナ林もCa1000あたりで終わって、今度は多くの苔むす岩が転ぶあたかも日本庭園っぽい一帯まで来ます。これらの岩を縫うように上がっていきましょう。

     
ブナ林の美しい景色にうっとり~     岩連なる日本庭園のごとし

 Ca1050を過ぎればまばらな低木や笹原が広がってきます。でも、その笹原の中にはちゃんと踏み跡ができています。このあたりから判断すれば、本日のコースは過去から相当の登山者が上がり降りしていたことを伺わせます。そして北へは本日の高みである蓬莱山が指呼の間となっています。でも、ここまで静寂の山登りを楽しめたのですが、もう縦走路を多くの団体さんが大声や笑い声が響き渡っているのも耳にはいってくるようになって、あっ、本日の楽しい山登りもこれで終わったも同然だなと思ってしまうのでした。

     
Ca1060くらいからの蓬莱    登ってきた尾根を見下ろす 

 笹原を左手に小女郎峠を見下ろしながら、縦走路の小さな地蔵さん座るP1101地点手前まで踏み跡を拾えば難なく到着となりました。振り返るとあたり一面の笹原の中にうっすらと踏み跡が伸びて、縦走路を歩く人から見れば、右に薄い跡はどこへの道なのかなぁ・・、と思いながら歩いている人はどれだけいるのだろうかと思いながら地蔵さんのそば(12:30~35)で一休みとしたのでした。でも、通り過ぎる団体さん達の様子を注意深く観察していると、こちらが思うようなそぶりは誰一人なく、前後の人と駄弁りながらの通過がほとんどのようでした。

     
笹原から西のホッケ山を眺め     ようやく縦走路へ
     
 小女郎峠北のお地蔵さん   蓬莱山1等三角点 

 一休みが済めば団体さんを追い越して半時間もかからないで、蓬莱山で遅目のお昼(12:50~13:20)を山の神休憩所でさせていただきましょう。山頂ではパラグライダーを楽しむ人たちやリフトで上がってきた観光客たちに山歩きの方々でごったがえしていましたが、こちらは貸し切りの休憩所内でゆったり休ませてもらえました。

 さぁ、それでは下山に取りかかりましょう。でも、その道は勝手知ったる道ですから、何の変哲もない無味乾燥的な歩きとなります。のんきに草花でも見ながらくだりましょう。リンドウがようやくひと花咲いていましたが、葉が痛んでおり撮れません。でも、小女郎峠では少なくなったキタヤマブシがようやく二株咲いていました。ホッケ山手前のテンニンソウ群生地はやや早すぎたようです。

 
 キタヤマブシがきれい!

 この後は花もなく、ホッケ山からホッケ谷右岸尾根をJR蓬莱駅(16:30)へくだりました。それにしても、登りの山中にはバイカオウレン、オオバノトンボソウ、イチヤクソウやツルリンドウなどの葉が目につきましたので、次回はまずは来春くらいには登って、花も山登りも両方とも楽しみたいなぁと思いながら車中の人となって船を漕いでいるのでした。

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