京都西山に咲く花 '16.10.13


 もうそろそろ咲いているだろうとの花はキチジョウソウ、ジンジソウだったのです。もちろん、その花までには野の花も愛でながらの心ゆったりのひと時が楽しめたのでした。まずは山麓に広がる野の花たちから入りましょう。

 山の手前の畑そばには、イヌホオズキ(ナス科)がまだ咲き、緑色の実をいっぱいつけています。この花に出会えば、私にとってすぐにアメリカイヌホオズキかな、それともどっちかなと気になる花なのです。では、両者の違いはどう見ればいいのかなと思いながらの観察ですが、近頃はなかなかすぐには相違点の内容が出てこないようになり、困ったなぁ~との瞬間です。ようやく私的にはイヌホオズキの方は花柄やもちろん果柄がややずれてつくこと、果実では黒く熟したころとなれば光沢がないことだろうかと思い出します。今回は実はまだ若く緑色でしたから、花柄と果柄のつき方で同定でした。
 その後、少し進めば山沿いに入っていきますが、そちらでは同じナス科のハダカホオズキがいっぱいの赤い果実を下げています。どちらも花は8月より9月ころから咲き始めますが、花時ならその姿が少々異なるのですが、それよりも果実の色が赤と黒ですから分かりやすいですよね。。

     
イヌホオズキ  若い果実は熟せば黒色に  ハダカホオズキはすぐ赤色に 

 山と山の狭い広がりが目の前に現われました。そこには稲を刈り取ったばかりの田んぼです。畦道に近づけば小さな花たちがまだ咲いているようです。ハキダメギク、タカサブロウやタウコギ、メナモミに、前回には一部にしか見られなかったサワヒヨドリが場所を変えて背が低く多数咲いているのにはうれしくなりました。というのは最近サワヒヨドリが見られなくなったと先月(9/23)出会った田で仕事する方と話したばかりでした。

   
ハキダメギク   タカサブロウ

 もちろん、キク科の仲間たちも咲いています。ノコンギク、シロヨメナなどで、タデ科のイヌタデ、ハナタデやミゾソバなど田んぼの斜面の土手が真っ赤に見えるほど咲き誇っていました。そのそばでは遠慮がちに薄黄色のアキノノゲシがまだ咲き残っています。また、土手などをくまなく見て歩けば、先月見たマメ科の花たちはすべて消えてしまい、そのかわり果実がそろって見られました。その中で今回ようやく目についたのはヤブマメの豆果で、やっぱりノアズキとそっくりの果実で、葉の相違点を知ってないと分からないだろうなと確認できました。


 さて、いよいよ、古道の嫁入道から我が裏山へと登りましょう。嫁入道入口も二手あるのですが、前回と違いやや倒木などで荒れ気味の道から取りつきましょう。鹿柵までにはタケノコの竹やぶ地があるのですが、中でも筍料理で知られる長岡天満宮の錦〇亭の持山である竹やぶ前を通れば、もう来春のシーズンに備えて手入れの姿が見られました。もちろん、一帯の筍畑はあちこちで草刈り機音など作業の槌音のようでした。そのようなことから、このコースは毎年早春の頃は持ち主の方から登山者は筍〇ロと怪しまれて、白い目で見られることもないこともないために歩きづらいコースですが、この時期であれば堂々と鹿の柵除けを開け閉めして入りましょう。

 途中には、このルートには一本きりしかないナワシログミ(グミ科)が咲き初めて待っていてくれました。花の少ないこの時期に山の中で咲く樹木たちもほとんどないのですが、こちらの山塊で咲く木にはコウヤボウキ、他にもう少しでヒイラギ、さらにはシロダモくらいなのでしょうか。晩秋から冬場にかけてのうれしい樹木花でしょう。もちろんコウヤボウキ(キク科)は咲いていました。

   
 咲き初めのナワシログミ  コウヤボウキ

 ところで、今日の本題に入らねばならないですね。最初はキチジョウソウ(キジカクシ科)です。こちらの山塊では一か所でしか見たことはありません。行ってみました。近づけばあの涼しげな細長い葉が風を受けていました。しかし、その花茎は探せどまったくついていないようでした。アレ~、今年は嫌われたようです。淡紅紫色の花を穂状につけて細長く咲くのですが残念でした。でも、葉は元気に空を向いて背比べしていましたから大丈夫でしょう。来年の花咲けば吉事ありを期待しましょう。

 そして、もう一つのジンジソウ(ユキノシタ科)です。こちらは出かけるのがやや遅かったかなとの状況でした。他はほとんど咲き終わって花殻でしたが、一株のみ咲き残ってくれていました。やはり、今年は例年より相当早くに咲いてしまったようでした。他にはモミジガサ、オタカラコウやツリフネソウも咲き残り、びっくりものはジャコウソウまでが咲き残っていたのでした。この花はほぼ1ケ月間も順番に咲いていたようで、この地では完全復活といえるでしょう。ジンジソウも早く同じように増えていってほしいですね。

     
右の画像クリックで拡大    左と同一個体です。 

 それでは、最後に樹木の果実類で主たるものをみてみましょう。

     
 オトコヨウゾメ(レンプクソウ科)  コバノガマズミ(レンプクソウ科)  カマツカ(バラ科)
     
 ツルシキミ(ミカン科)  クサギ(シソ科)  ナツハゼ(ツツジ科)
 

9月23日  ホームヘ






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