比良 サカ谷南尾根から小女郎ケ池 ’17..2.16 晴

 坂下-サカ谷南尾根-P762-Ca1090ケルン地-小女郎ケ池-縦走路-
 ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-P735-林道-志賀中学-JR蓬莱駅

 大雪の比良だが、なんとか晴れるのを待って、ようやく二年ぶりの雪のサカ谷南尾根を登ってきたが、さすがに気温上昇によりネット情報の最高深雪時より若干融雪が進んでいたのが悔やまれたがこれもやむを得ない。今回のこのコースの見どころはサカ谷南尾根の自然織りなす静かな山歩きが楽しめることであり、そして下りにとるホッケ谷右岸尾根の後半における迷点を如何に通過できるかとの面白味であろう。(ただし、無雪期はこの迷点部分もほとんど踏み跡を追えるのでその面白味は半減してしまう。)ただ、今年のような多雪時にこの迷点箇所をそのコースどおりにクリアーすることは、どなたであろうとほとんど容易ではなかろう。

 さて、こちらはサカ谷尾根は8回目であったことから、感動の山歩きとは言い難い昨今であるのだ。とは言え、今年の多雪で一人ラッセルしながらのCa1090のケルン地まではしっかりアルバイトが続き、やっぱり蓬莱山までの時間が足りず、小女郎ケ池までとし、ホッケ山からホッケ谷右岸尾根へのコース取りとせざるを得なかったのは残念至極であった。

         
坂下の葛川橋手前の雪の状況     崩坂峠の碑は埋まり、説明板も雪   サカ谷南尾根末端の様子 

 続いて、サカ谷南尾根からCa1090ケルン地あたりまでの様子

         
 Ca550~700間の最初の急登    フラットなP762あたり    Ca880付近のブナの大木
         
「北船路共有林」の札が随所に     大自然の中にブナ、ミズナラが見事   中にはタカノツメの冬芽も見つけ 

 緩やかな雪の散歩道が終われば、やや雪の壁となって東方向へ進めば1000m越えとなる。そして振り返れば京都北山の大パノラマが待っているはずと思えど、暖かすぎて遠くは霞んで愛宕山すら目にできないが、せめて京都のワンツーの皆子山に峰床山はもちろん指呼の間だ。

 そして着いた。Ca1090ケルン地だ。ただ、今年の大雪で120~30cmはあろうかと思っているケルンのアタマすら雪ノ下であった。目の前には小女郎ケ池越しに蓬莱山から武奈ケ岳までがお出迎えであった。

 ケルン地を後に小女郎ケ池へ降りよう。前回の1月28日は池までは踏み跡散乱で見るも無残であったのだが、さすがに平日の今日は貸し切りであり、ノントレーがうれしい。


蓬莱山を背に撮ろう。Ca1060の高層湿原にある小女郎ケ池看板がこれだけ埋まっているのは最近では珍しい。中央が先ほど居たケルン地だ。あの西側から登って来たのだ。

 さて、13時で向かいの蓬莱はパスし、適当に小山を抜けて縦走路としよう。でもその後はトレースありのハズだからと進めど、え~、ノントレーではないか。ということはバスで一緒だった男女6名グループの高高年組と若人単独はどうしているのだろう。若人はワカンもシューも持ってなさそうだったし、アイゼン歩きで手間取っているのだろうか。などと考えているとなぜかケルン地方面からスノーシューがホッケ方面に歩いているではないか。

 ケルン地付近には踏み跡はなかったので、どうやら平からマイカーでやってきて引き返したようだ。でも、そのトレイスは雪庇が怖いのか、樹林の中方面をごそごそ歩いていた。当然こちらはそんな跡は無用である。雪庇方面を堂々と歩かせてもらいながら進めば、反対側から若人がアイゼンでスノーシューのトレイスを追ってやってきた。30mほど離れた地から6名組はどうしてるのか聞けば、「最初に追い越してから姿は知りません。」といって「蓬莱からゴンドラで降ります。」と見送った。

 3:3の男女の姿はその後のホッケ山から権現山方面を眺めても姿はまったくなかったのだ。バス内でほとんど話はしなかったが、半分の装備を見ているとあれで蓬莱山への縦走しようとよくも計画したものだと見ていたのだが、無謀そのものの見本であった。全員がワカン、シューを持っているようには見られなかった。半分はザックもそれなりのものを担いでいたが、残りの人は小指で持ち上がるくらいのリュックであの年で可哀想に・・と思わずリーダーらしき方に「大丈夫ですか・・?」と声をかけようとしたが飲み込んだのであった。

 権現山くらいで撤退し、平日の平からは帰りのバス便はないためにタクシーしかない。でも、歩けるのであれば権現山から栗原へ下山し、バスで和邇駅への方法もあるのだが、このあたりもリーダーは承知しているんだろうか。など他人事ながら案じてしまった。

 さて、こちらの歩きではホッケ山までは雪庇は本物ではなさそうだが、どうにか見られた。

         
 縦走路から雪庇を友に行こう    ホッケ山が近くなれば樹林で路は狭い    ホッケ山だ(Ca1050)

 山頂から少し琵琶湖側へ出るとこれから降りるホッケ谷右岸尾根のピークのP735が黒く見えるが、後でドラマが起きることも知らず、のんきに見下ろしていた。

     
 ホッケ山頂先に出て右岸尾根を見下ろす    さっきホッケ山の雪庇の上に立っていたのだ

 縦走路右カーブ地点がホッケ谷右岸尾根への下り口であるが、なぜかシューのトレースが降りていた。そんなハズはないだろう。バスには乗っていなかったのでマイカーであれば権現に向かうハズである。さらに進めばやっぱり引き返していた。どうやら様子見に進んだだけのようだ。やれやれ、こちらの今日のテーマは登りも下りも深雪のノントレーを歩くことだったから邪魔しないでほしい。。笑

 実は先月28日にはJR蓬莱駅からこのホッケ谷右岸尾根を登って蓬莱山からキタダカ道を下っていたのだ。その時にも今日と負けないくらいの深雪で、迷点箇所を無雪期のコースどうりとはいかなかったのだが、今回は反対の下りとしたのだ。でもやっぱり深雪で無雪期どおりの道形とはならず大変だろう。

 無雪期の本来コースはP735からわずかで植林帯から雑木林帯にぶつかるCa690あたりから迷点が始まる。①から右へ左へ小さくジグを繰り返し、最後の⑨回目の右折地点がCa620あたりで、この後はここまでの道とは異なり、南南東へ比較的見やすい仕事道らしき150mほど下り、Ca550あたりまで降りると目の前に南への支尾根が見えてくれば、後はたとえ雪がついていたとしても道形がはっきりするのでCa390の下山口までは容易となって後は林道歩きとなるのだ。

 
①の迷点スタート地点の様子 

 ところが今日はこの迷点でまたまたドラマであった。①からはすんなり進み、④あたりから⑤と怪しくなるも、うろうろしてどうにか⑥を見つけることができた。そして次の⑦でまたまた深雪に道らしきものは消えてどれが道やら状態で、また⑥までバックし、⑦を探し回り、それより次の⑧を必死で探せばどうにかそれらしき樹木が見つかった。この⑧から最後の⑨までは20mほどは直線に東南へ10度ほどの角度で降りるハズである。ところがである。このあたりがまたまた多雪によって道形はまったく分からず、バックしまた探すも⑨へたどり着けない。もう一度⑧までバックし角度を変えて探し回るも⑨へたどり着けない。

 仕方ないとバック探索を諦め、南南東よりへ11~2度振って急斜面を進むと、やっと⑨Ca620あたりから20~30mほど南東よりのその仕事道へ降りたことが判明した。やれやれこれでもう急斜面を降りなくて済むんだ。と胸をなでおろしたが、その後も倒木だらけで、ようやくにしてCa550の↓右画像の地まで降りようとするも、やっぱり雪による倒木が何度も出て来て、すんなり降りれば約150mほどの間にまで苦労する始末であったが、どうにかCa550あたりまで降りてきて一本たてることとして腹おさえをするのであった。


①からここまで途中での写真は余裕なしだった・・

 このCa550以降は支尾根が細いために、もう雪がついていても道形を見失うことなくCa390の下山口到着ができるだろうと、途中のCa490と400あたりの唯一の人工物の「北浜県営林の標識」を見て林道に降り立った。さぁ、これより1時間少しでJR蓬莱駅までの林道歩きである。

 1時間ほどは本日の反省会をしながら暢気に歩き、別荘地から湖西道路をくぐって、志賀中学校を左折して学校周辺を賑やかに走り回っている生徒のそばから、こちらは山を振り返り比良の山並みを心行くまで眺めているのであった。そして倶楽部活動をしない帰宅部の生徒達と一緒にJR蓬莱駅(16:20~42)に着いたのである。

 今日の歩きは9:40~16:20の6時間40分もかかり、重い雪質に苦しめられた深雪だったのだからと自らを慰めながら、それに下山ではドラマのオマケまで創作ってしまったのだからと電車に揺られながら舟を漕いでいた。

 拡大は画像クリックで、軌跡は手書きのため正確でありません。悪しからず・・

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