希少種 キバナサバノオ ’17.4.22 曇のち晴
今年も希少種のこの花を見に出かけてきました。ところが、咲いている個所が年々少なくなってきており、この地ではとうとう私が知る限りでは一か所のみとなっておりました。キバナサバノオ(キンポウゲ科シロカネソウ属)は本州でも分布が限られるために全国から訪れる野草愛好家が多くあって、やっぱりそのあたりにも減少の原因ではないでしょうか。分け入る方は特に盗掘はもとより、節度ある撮影行にも心したいものであります。
キバナサバノオは超希少種で環境省 カテゴリーは絶滅危惧Ⅱ類(VU)指定 |
さて、この花が世に出たのは、まだ20年にも満たないようで、そのようなことからこの花の名すら認知されるには、まだまだ時を経なければならないようです。環境省は絶滅危惧Ⅱ類(VU)であり、分布域の府県でも次のような位置づけで把握管理されていることから、さらなる慎重さで見守る心が必要ではないでしょうか。
それは、この花が京都府カテゴリー絶滅寸前種で、滋賀県カテゴリー絶滅危惧Ⅰ類、兵庫県RDBカテゴリー Aランク種、岡山県カテゴリー 絶滅危惧Ⅰ類とそれぞれ指定されているようです。なお、この種の分布は本州だけで、計四府県しか分布が見つかっていないといわれます。
キバナサバノオの特徴は、花は全開せず、横向きに咲き、花径1~1.5cmとずっと大きく見栄えがします。 花弁は蜜を溜める蜜弁となり、橙黄色、舷部は直立し、杯状のようです。また、根生葉はほとんど見られないことから、ないのかもしれません。萼片は5個で、また、茎の高さ30~50cmと近縁種のトウゴクサバノオ、 サンインシロカネソウ等に比べて大型といえるでしょうか。
この山塊に見られたいろいろな花たちですが、一部を除いてそんなに珍しい種は多くはなさそうです。
ハグロシハイスミレ 表面黒紫色 | 山陰型タチツボスミレ 葉基部切形 | スミレサイシン 多雪地へ大型の花 | ||
ニッコウネコノメソウ しべが突き出る | タチネコノメソウ 苞葉丸っこい | コチャルメルソウ 花弁羽状に7~9裂 | ||
ヤマエンゴサク 苞葉切れ込む | イワウチワ 葉身基部心形 | イカリソウ 花は紅紫から白と変化多し |
他にもウワバミソウ、エンレイソウ、ミヤマカタバミ、ショウジョウバカマやタチツボスミレなど多数咲いてはいたのですが、残念だったのは以前きれいに咲いていたシロバナニシキゴロモが確認できず、食害なのかそれとも盗掘だろうかと案じる悲しさでした。。
コバノミツバツツジが丁度満開 | 同左、葉柄が有毛なのがポイント | シロバナコバノミツバツツジ葉が小さい | ||
ムシカリ 蕾ほころぶ | キンキマメザクラ 萼筒細い筒状 | 散り初めでも、まだまだ花いっぱいつく |
谷沿いには残雪があちこちに残っていました。稜線からはまだまだタムシバが満開状態で、美しい山の景色を眺めながらの山歩きができることが、ことのほかうれしい想いでした。