京都西山に咲く花 ’17.4.28  晴

 

 今回は西山でも南部方面に咲いていた花々を紹介としよう。もっともほとんどはどちらの山域にでも咲く花の種でもあるのだが・・・。

 さて、そんな中でも次の花は何だろう・・?、この拙い画像でもって同定できる方はご立派というほかはないだろう。「ツツジ科だろう、でも、なんて言ったかな・・?」というような感じがほとんどだろうネ・・・笑

           
① この花の名は・・・     ②こちらはまだ蕾で開花はもう少し  左の②の木の5/4のスノキの開花状況  左のスノキと同じ木の5/10の様子 

 そうです。①はツツジ科スノキ属のスノキではなく、ウスノキである。この花の第一の同定ポイントは花時では萼筒が広鐘形で5個の稜があることだが、このことを知っていないと、近縁種のスノキとの区別が、開花時はやや同定に悩むだろう。また、7~9月になれば角ばった果実が赤くなることから、この点では夏から秋にかけては一目瞭然である。

 それでは、スノキ属のスノキであるが、こちらはウスノキに比べてやや開花時期が遅めである。今回も②画像のように蕾緩む程度であった。そこで①の萼筒の様子をよ~く比較してもらいたい。角ばっていなくて稜角はない。すなわち丸っぽい感じである。開花すれば萼片は低い三角形でふちに腺毛があることだ。さらに果実時はこちらは、はじめ緑色で7~8月に紫黒色に熟し、先端に萼片のあとが残るので両者の違いはよく分かる。要するに①と②の花時の相違点が容易でないのだが、萼筒に稜角のあるなしで観察するのが確実な同定ポイントと私は結論づけている。

 スノキ属には他にもカンサイスノキ、オオバスノキ、アクシバにナツハゼ、シャシャンボなどが低山に見られ、さらに、亜高山から高山ではヒメウスノキ、クロマメノキ、クロウスゴにマルバウスゴなどと、山歩きの中では比較的いろいろと出会える仲間たちが多い種であり、山歩きの楽しめる樹種ではなかろうか。。


 続いて、どちらでも個体数の多い山野草が咲いているのだが、このような山歩きをさらに楽しめるようにするために、私は植物達を一層自からの友とすることで、遊びの深さを得ることができるのではなかろうかと思っている。時は今、ゴールデンウィークに入ったばかりであるのだが、例年のことであるこの頃に新聞を賑わす「北アで遭難が・・」と聞かれるが、今年も悲しいかなその現実となっている。
 残雪多く雪崩発生が頻繁な春山の怖さを、あまりにも知らなさすぎる岳人の馬鹿げた行動である。世に、親より先に逝く親不孝はないと言われるのだが、今年も白馬だ、剣だ、それに妙義のクライマーだと命の大安売りには驚愕物であり、高校生くらいの子供であれば雪崩で・・、なら大人の責任だといざ知らず、それに比べて大の大人が、この時期にのこのこ高山に出かけて、挙句の果ては捜索のために、莫大な税金の無駄遣いとなるような行動は迷惑であり、厳に止にしてもらいたいものである。でも、まだまだ連休は始まったばかりだ、これ以上の山での遭難騒ぎがニュースにならないことを祈るばかりだ。
 要するに、この時期に高山へ向かうのは、相当のハイリスクが避けられないことをもっと知るべきであり、そんな無謀な楽しみ方よりも、雪も消えた低山でのいろいろな楽しみ方を、自分自身で切り開くことを切に願いたいものであるといいたいのだ・・・。

         
 ムラサキケマン   シロヤブケマン     ツルカノコソウ
     ↑= 完全な白花をユキヤブケマン
といわれる。

 さらに黄色の花を咲かすのを見て、
山歩きの中では「ミヤマキケマンが咲
いている!」、とよく耳にするのだが
これはよくよくしっかり見ればフウロ
ケマン、ヤマキケマンやエゾキケマン
などと見間違いし易い種もあるのだが
どうも安易すぎる名前で呼称している
ようだ。

 これは山人が割りあい大雑把な傾向
でしっかりと同定をしようとしていな
いような気がしてならない・・。笑 
   
 クリンソウも咲き初めとなり       ホソバカナワラビ 

 続いて、木本類であるが、まだまだ咲いている種はそんなに多くない。でも、これから次第に蕾からほころぶ状態が多く出てくることだろうから楽しみはこれからだ。

         
 クロバイは間もなく開花となろう。   左の葉だが、浅鋸歯で両面無毛    珍しく何とか撮れたチドリノキの花 
         
 コバノガマズミ この種の開花は早いほう   左の花時葉柄基部線形の托葉がポイント     ウワミズザクラ 実はまばらしかつかない

 『 追記 』

5月4日に同一箇所のその後の一部を確認してきた。

         
クロバイ 超満開     コバノガマズミ 満開    タニギキョウ 咲き初め

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