比叡山に咲く花 ’17.5.22 晴

 10日前には咲いてはいなかったヒメシャガを見に登ってみた。するとぴったり満開の状態となっていた。花の開花の早かった昨年にくらべ10日程度の遅れによる開花であったのだ。この花はどちらでも見られるシャガに似るが一回り小さい。それに山地の岩石地、とりわけ石灰岩地に生えるといわれる。花は約4cmほどで淡紫色、アヤメのような黄色の斑紋と紫色の脈の複雑な色あいである。

         
ヒメシャガ(アヤメ科) 今年もそれなりに咲いていた 

 ついでに、同じアヤメ科の仲間たちを登る途中に見たので区分点等も紹介しよう。

 ①のアヤメは説明の必要はなかろう、ただ、仲間たちの中では最も乾いた草原に生えることが特徴であろう。なお、中央の斑紋が黄色く青紫色の網目模様と図鑑等には説明があるが、私は虎斑模様と覚えているのだ。

 ②のカキツバタは古より「いずれアヤメかカキツバタ」の古語でも知られるように、もし野原でこれらが咲いている場合に確実に名が分かりずらい方も・・?、とにかく花弁中央の斑紋が披針形の白色であることだ。というのも、今回見なかったが「ノハナショウブ」というのがその部分が黄色い斑紋のつく種もあって見分け辛くなるのだが・・。

 ③のキショウブはヨーロッパ原産だが、今は日本全土の湿地に野生化しており、花の色からすぐにどなたでも判明する種であろう。

         
①アヤメ     ②カキツバタ   ③キショウブ 

 

 さて、アヤメ科以外の野草たちにもふれてみたい。

         
 サギゴケ   トキワハゼ     ムラサキサキゴケ
上記三種もサギゴケ以外は酷似しており同定が容易ではない花であるが、走出枝があるのが ムラ・・でこの見分け方が簡単
         
 ウワバミソウ これで満開    ミヤマヨメナ 咲き初め    アカバナユウゲショウ 終盤
         
 オオバノトンボソウ 咲くまで1ケ月かかる   カラスビシャク 三小葉あり    マルミノヤマゴボウ 花は淡紅色になる 
         
 オオバノヤエムグラ 山地の草原に咲く   左の花をアップ 4mm程と極小さい    シライトソウ 満開だった 

 

 続いて木本類についてもご覧いただこう。まずはほとんど終盤となっていたレンプクソウ科ガマズミ属のオトコヨウゾメだが、この種は以外に分布山域が限られるようだが、こちらでは多数見られる。

         
オトコヨウゾメ のいろいろだが、ほとんど 終わりで最後の残り花ばかりだった 

 それ以外に樹木類も花の終盤がコバノガマズミ、スノキ、タニウツギ、ナワシロイチゴなどで、満開はヤブデマリ、ヒメウツギなどで、ミツバウツギ、コゴメウツギ、カキノハグサやコアジサイなどはまだまだ蕾ほころぶ程度であっただろう。もちろん、若い果実化が始まっているアブラチャン、クロモジ、ダンコウバイ、キイチゴ類等も散見された。

         
 ヤブデマリ 満開    コバノガマズミ 残り花    スノキ 残り花
       
ヒメウツギ 咲き初め    ミツバウツギ 開花はすぐ   カキノハグサ 蕾で開花は少し先

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