京都西山に咲く花 ’17.5.26 曇

 旧ユリ科の種の開花状況から取り上げよう。ナルコユリは遅く咲くグループのようで、ようやく開花が始まったが、場所によってはまだまだ蕾もあるようだ。その点、同属のミヤマナルコユリは開花が早く、もう果実化が始まっている。もちろん、ホウチャクソウの開花は早春であるのだが、果実化は早やくなさそうで、ようやく若い実となっている。

 植物分類体系の中において、ほぼ完全に解体されてしまったユリ科である。APG新分類体系において、その中の新ユリ科ユリ属として残ったものにササユリがあり、この花の開花は古い図鑑での開花時期は7~8月とあるものの、温暖化の近年は6月中旬の開花を見ているのだが、今回はもう蕾がほころびようとしていた。 

       
 キジカクシ科アマドコロ属 ナルコユリ  キジカクシ科アマドコロ属 ミヤマナルコユリ   イヌサフラン科チゴユリ属 ホウチャクソウ ユリ科ユリ属 ササユリ 

 続いて、その他の野草類をみよう。山歩きの中でシダのハカタシダは比較的目にすることがあるのだが、とりわけ、黄斑入りのハカタシダはあることを知っていても、実際に出会えたのはラッキーであった。葉の黄斑がハッキリしていて、上品な光沢があるので、まさに博多織のイメージとネット上でもあり、どうやらこのあたりがハカタシダという名の謂れのようで、この場所は記憶にとどめたい。

     
マメ科ミヤコグサ属 ミヤコグサ 満開   アヤメ科アヤメ属 キショウブ 満開 キク科ニガナ属 ニガナ 終盤 
     
 アカバナ科マツヨイグサ属 アカバナユウゲショウ  シソ科タツナミソウ属 コバノタツナミ 満開  オシダ科カナワラビ属 ハカタシダ 黄斑入

 最後に木本類である。

まずはバラ科バラ属のうちで、ノイバラの仲間も多くあってフィールドでなかなか容易に同定が出来かねる部類でもある。その基本種のノイバラを見つけたので撮ってみた。

         
 ノイバラは個体数が多い   小葉は普通3~4対の奇数羽状複葉     棘は鉤状、托葉は葉柄に合着クシの歯状

 その他の木本類たちである。

     
 スイズラ科スイカズラ属 スイカズラ 満開 バラ科ウワミズザクラ属 ウワミズザクラ 果実化 レンプクソウ科ガマズミ属 ガマズミ 終盤 
     
モチノキ科モチノキ属  ウメモドキ 蕾 モクセイ科イボタノキ属 イボタノキ 蕾   シソ科ムラサキシキブ属 ヤブムラサキ 蕾
     
 ツツジ科スノキ属 スノキ 果実化始まる  ツツジ科スノキ属 ウスノキ 果実化始まる  ツツジ科スノキ属 ナツハゼ 咲き初め  

 ところで、ユキノシタ科から変わったアジサイ科アジサイ属のコアジサイが今咲いたばかりの青みがかったきれいな花を見せてくれ、思わず「ワア~なんてきれいなコアジサイだこと!」と思いながらレンズを向けた。

     
コアジサイは白から淡青色の五弁花だが、これは咲いたばかりなのか青みが濃かった。  

 ・コアジサイは仲間の中で唯一装飾花がないのが特徴であり、また、花序はすべて両性花である。

・この花は花時もすばらしいが、秋の黄葉は特別山歩きの人たちの目を集めることで知られる。

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