湿地帯に咲く花 ’17.5.28 晴


 ヤマトキソウやトキソウが咲いているだろうかと出かけたが失敗だった。どうやら、やっぱりこの種も開花は遅くなりそうで、まったく花の姿もなかった。それでも、咲いていたのはイシモチソウ、シライトソウ、ソクシンランにクロミノニシゴリ、ガンピの五種ほどがなんとか咲いてくれていた。

     
モウセンゴケ科モウセンゴケ属のイシモチソウ 右はその葉部分 

 モウゼンゴケ科モウセンゴケ属のイシモチソウは仲間たちの中で一番先に咲く種で、1cm程の5弁の白花を咲かせる食虫植物で、咲いたばかりのみずみずしさが可愛い花だ。それに、イシモチソウというこの花は10時過ぎから開いて、午後3時頃には花弁を閉じるという開花時間の少ない花である。名の謂れは茎生葉には粘液滴がつき、これで小石を粘りつけて持ち上げることができる、として和名がついたとあるのだ。

 続いて、シライトソウが咲き初めで、木陰の中で15株ほどとちょっとした郡生で、白い穂のような花を立てていた。

 
シュロソウ科シライトソウ属 シライトソウ 

 その他の山野草は咲き終わって残り花がまだまだあったハルリンドウ、それに若い実をつけていたヒメハギが見られた。さらに、まだまだ蕾状態なのか咲き初め状態なのか・・というソクシンランくらいで、山野草では開花は前述の二種以外には目につかず、あわよくばと半分期待していたササユリにノハナショウブなどももちろん、影も形もなく、いったい今回は何をしにやって来たのかとの感じであった。トホホ

         
 毛深く、花筒6mmと小さな花を多くつける   キンコウカ科ソクシンラン属 ソクシンラン    叢生する葉の中心から花茎を出すから 



 一方、木本類では京都方面では個体数が極めて少なく、希少種のクロミノニシゴリが超満開であったのがせめてもの慰めであったのだ。

         
 花は直径8mmで雄しべが目立つ   ハイノキ科ハイノキ属 クロミノニシゴリ    低木の近縁種と違い6mほどと大きい 

 このハイノキ科ハイノキ属のクロミノニシゴリは東海地方では普通に見られるようだが、近畿圏では個体数がそんなに多くなく、ほとんど見られないことから京都方面では名前すら知られていない樹木ではないだろうか。でも、サワフタギ、タンナサワフタギといえば関西人には知られているがその仲間なのだ。花そのものの違いはほとんど相違ないが、葉裏などがほぼ無毛で、葉姿が細長い感じあたりが見分けるポイントではなかろうか。

 続いて、その他の木本類を見てみよう。こちらのグループはこれから開花の蕾をつけるものが多く見られた。それらは下記以外にサカキ、イヌツゲ、ネジキの蕾はまだ小さく、ナツハゼはようやく咲き初めの様子であった。もちろん、モチツツジ、コツクバネウツギなどの残り花の美しい個体も多くあった。とりわけ、いつもの黄緑色のコツクバネウツギの花色が淡紅色で咲いており、この花弁の花色が印象的であり、初めて目にすることができたのだが、咲かす場所が日差し強く、写真失敗となってしまったのが悔やまれた。そして、若い果実化が始まる樹種も多かった。

     
 咲き初めのガンピはこれからだ  このようにいっぱい花つき多し 負けずにイタチハギも開花寸前である 
     
まだまだ蕾小さなウメモドキだ   葉柄基部の蕾はイソノキだ  若き実のヘビノボラズは元気だ

 最後に本コースの渓谷沿いで見られるネコヤナギの様子である。

   
ネコヤナギの葉は細長く、測脈は明瞭で等間隔に並ぶ、葉裏に色づいた虫こぶ 

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