京都北山 愛宕山に咲く花 ’17.6.5

 今回は愛宕で見られるハズのオオバノトンボソウの状況とミヤコツツジにオオウラジロノキの残り花を狙って登ってみた。まず、オオバノトンボソウは昨年よりは減ってはいたが、それなりにあちこちへ芽出しが進んでおり、この種は蕾から開花までの期間が長いために鹿の食害に遭いやすいのだが、これならどうやら持ちこたえられるだろうと予測した。
 続いてヤマツツジとモチツツジの自然交配種であるミヤコツツジは開花時期が遅いグループであるのだが、さすがに6月に入ってしまうと終わってしまっていたので、来期は遅くとも5月末までに見たいものである。なお、前回見たミヤコツツジはこちらから見れます。
 お目当ての最後はオオウラジロノキであったが、この花もやっぱり時期遅しで、この種もミヤコツツジと同じだが、あえて言えばやや早く5月20日頃が花見時であろうか。

 ただ、今回の見どころはなんといってもこれだろう。そう、それはミヤマカタバミの「閉鎖花」である。しかし、うす暗いところで多数咲き、斜面で茎先の閉鎖花が風に揺られてどうしてもドンピシャとはいかなかった。涙

     
 ミヤマカタバミの閉鎖花    閉鎖花は葉の中から6~12cmの茎先に

 *ミヤマカタバミの閉鎖花とは=山歩きする方には閉鎖花といえばキク科のセンボンヤリやキッコウハグマで知られるのだが、カタバミ科ミヤマカタバミの閉鎖花は山歩きで話題になるのは珍しく、今回はこれを目の当たりして少々興奮気味であった。
 この花は3~4月の花期が過ぎれば、花は閉鎖花をだして果実をよく結実するといわれる。乾燥すれば基部の方から裂開して、熟せば種子を弾き飛ばして散布する方法の朔果(さっか)といわれる植物の果実の形の一つである。この朔果は長さ約2cmであるのだ。


 では、その他で今回の花の開花状況によりご覧いただこう。

『つぼみ』

 アクシバはまだまだ蕾も小さく、よほど目を凝らして探さなければ目に入らないほどであり、ツルアリドオシは蕾ほころぶ状態となって、日のよくさすあたりでは今にも開花が感じられる。もちろん、オオバノトンボソウは6末から7上の開花であるからずっと先の開花である。

 
 蕾期間が長いオオバノトンドソウ

『咲き初め』

 ツルデマリ、ネジキ、タンナサワフタギ、コマユミが咲きだし、きれいに開花が始まっていた。他にはナツハゼもこれからすぐが咲き初めのようすであった。オカタツナミソウやギンリョウソウが山野草の唯一の花であった。涙

         
ツルデマリ 別名ツルアジサイ   ネジキ 木がねじれ、有毒    タンナサワフタギ 近縁種にサワフタギ  コマユミ ニシキギの翼のないもの

 

   
 オカタツナミソウ  ギンリョウソウ

 『終 盤』

 続いて、満開を過ぎてやや終盤となっていたのは、ソヨゴだが満開や終盤のものがいろいろ見られた。ヒロハゴマギにカマツカは少し汚れたように咲き残ってほとんど終盤となっていた。他にはタニウツギ、モチツツジ、テイカカズラも色あせて咲き残っていた。さらに、小さな花で葉の下に咲くスノキであるが、こちらももう若い果実化が始まって多数見られた。クリンソウの花も残り花を寂しそうに立て、コウライテンナンショウやムロウテンナンショウのマムシグサの仲間たちもほぼ終焉であった。

       
 ソヨゴは雌雄別株でこれは雄花 雌花は長い柄の先に4mmの花が揺れる  ヒロハゴマギは多雪の日本海型気候地  カマツカは昔、牛の鼻輪の材料なり 

 

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