湖南 金勝アルプスに咲く花 ’17.6.18

 

 湖南へラン科のジガバチソウを見ようと出かけたが、残念ながらもうすべてが終わってしまっていた。なんとこの種は開花期間が短いのだろうか。1週間前に下見にやってきた時点では咲き初めのような様子であり、小さな葉や蕾もいろいろ見られたので期待して、これなら本番ではもっと咲いて満開となってくれるのだろうと喜々としてやってきたのだった。

 ところが、あにはからんや、一本たりともきれいに咲いている個体はなく、オール咲き終わりであったのには驚きであり、せっかく期待された方々に申し訳ないことをしたようだった。もっとも今年の梅雨は空梅雨で、さっぱり雨が降っていないのもその大きな要因ではなかろうか。いずれにしても、ジガバチソウは花を咲かせるのが数日間となることも教えられた感じで、今後の観察でも配慮したいものであるが、極めて短いため見られる事は容易ではない珍しい種のようで、それだけ価値ある種と思うのであった。

 続いて同じくラン科のヤマトキソウであるが、こちらは残り花となって持ってくれていたのが、せめてもの慰みであったが、やはり希少種であることに間違いないなさそうだ。末永く盗掘に遭わないでここで頑張って咲き続けてもらいたいものであると願わずにはいられない。

 他にもラン科のカキラン、クモキリソウの咲き初めを期待していたのだが、両者ともにまだ早いのだろうか。それとも今年は裏年なのだろうか。さっぱりであった。また、コバノトンボソウはようやく芽だしが始まったばかりのようで、それらを探すのにも、一苦労するほど少ない状態であった。
 もっともオオバノトンボソウは開花時期が他とは異なり、元々の開花時期が7月上旬前後と遅いことから安心しながら観察して回ったが、その個体いずれも順調に成長が進んでいるようであった。ただこの種は鹿の食害や盗掘の心配も多く、いかにして開花まで生き残れるかが問題で、これまた開花できる個体も多いとは言えない種ではなかろうか。

 ラン科以外での開花は、食虫植物の一種の代表格で、葉にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲すると言われるモウセンゴケがようやく白い小さな花を1個だけ咲き初めていた。かたわらに仲間内では一番開花時期の早いイシモチソウが花を終わって葉ばかりが元気に独特の姿で目立っていた。

 キンコウカはいよいよ満開時期となって、あたりの湿り気ある山肌に相当の黄色花が広がって風に揺れていた。同じ仲間のノギランはまだまだ開花は先のようであった。そしてこれまた同じ仲間のソクシンランはこちらの山域では見つけられなかったが咲かないのだろうか。

 野草の最後は、別名ダンダンギキョウともいわれるキキョウソウが満開となっていた。本家のキキョウよりずっと小さな濃い紫色の花を咲かせるのだが、こちらは北米原産の外来種であり、日本の自生種としてのヒナギキョウが知られるのだが、昨今ではそのヒナギキョウの姿はそう多くは出会えない。
 それはやっぱり、キキョウソウあるいはもうひとつの外来種である、ヒナキキョウソウあたりがヒナギキョウを駆逐しているのであろう。この三種はパッと見は酷似しているが、よりよく観察すれば一つ一つに相違点をもっているのだが、今後も探す機会があるはずであるので、三種全部出会ってから相違点を並べることとしたいので、それまでお待ち願いたい・・。

     
 ラン科ヤマトキソウ  モウセンゴケ科モウセンゴケ  同左の葉の部分
     
キンコウカ科 キンコウカ  蕾でまだまだのオオバノトンボソウ  キキョウ科キキョウソウ

 

 続いて木本類でもいろいろと楽しんでいただいた。まずはモチノキ科は落葉と常緑いずれもあるが、その仲間たちである。何といってもこの科は日本ではすべてがモチノキ属であり、それに雌雄別株であるのが特徴的な科である。その内で今回目についたのはアオハダ、イヌツゲ、ソヨゴがそれぞれ満開時期となっていた。なお、モチノキ科で果実が黒熟するのはイヌツゲのみで、その他は赤熟となる。

       
 落葉樹のアオハダの雌花 常緑樹のイヌツゲの雄花  常緑樹のソヨゴの雄花 ソヨゴの雌花 

 

 他に、花の開花時期にはハンゲショウのように葉の半分ほどを白くすることで知られ、蔓性の樹木のマタタビ科のマタタビが満開となっていた。それにテイカカズラは残り花状態で繁茂していた。リョウブは蕾が膨らみまもなくの開花となるのだろう。しかし、紙の原料となっていたことで知られるガンピはもうほとんど終焉となっている。

 ところで、『猫にマタタビ』って聞いたことあるよね。猫にマタタビの葉っぱを外で投げ与えたことがある。頭をこすりつけたり、くねくねと転がったりする興奮状態となるのだ。人間に例えると、まるで飲酒酩酊の状態に見えるが、人間がアルコールに酔っている状態とは全く違うらしい。

 マタタビの中に含まれるアクチニジンやマタタビラクトンなどの成分が、脳の中枢神経を刺激して、軽い麻痺状態とさせるためといわれているそうだ。マタタビでメロメロになる様子は、ライオンやトラなど猫科の野生動物でもみられるらしい。こちらは私は試したことはないので知らない。
 しかし、なぜ猫科の動物がこのような反応を示すのかについて詳しい理由は現在のところでは分かってはいなくて、いわゆる猫の不思議のひとつとなっている。とネット上にあるのだが・・。こんどマタタビの樹を見たら、枝を少し拝借して猫の土産にしてみては如何だろう・・。庭で転げ回って喜ぶのがおもしろい~~アハハ笑
 猫のことより、人間様の左利きの方々には、このマタタビの実は、マタタビ酒として珍重されていることでもよく山歩きの中で聞かれる話であるのだ。エ~、そうなんだ・・?、という方は是非一度お試しあれ~~!

      
満開のマタタビ   リョウブがまもなく開花しよう  ほとんど終焉のガンピ

 バラ科のキイチゴ属でなくバラ属の仲間たちの内でテリハノイバラが満開であった。ところでそうそう、本日もニガイチゴの真っ赤に熟した実をたらふく摘まんで食べて山歩きでの腹の足しにしながら降りてきたのだった。笑
しかし、こちらのバラ属の仲間たちの果実はキイチゴ属とは異なり、食には適さない。熟すのも10~11月と時期も全く遅いのである。

     
 テリハノイバラの花は大き目  托葉のふちは先が腺の鋸歯あり  葉は濃緑色で光沢あり


 最後に、水は細いが落ケ滝も見事だ。それに天狗岩、顔面岩や耳岩、そして重ね岩に国見岩等とコース中に面白い岩多く、それらの上端に身を置くためにいろいろな術を磨いてまたリベンジしよう。。

     
岩石並ぶ中の落ケ滝    天狗岩から左に鶏冠山、右に三上山 

 ご参加の皆様、お疲れ様でした。花歩きも楽しみましたが、岩場への戯れもまた楽しみのひとつでしたね。これからもいろいろな山歩きをご一緒して、さらなる花を楽しみましょう。ありがとございました。

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