ウメガサソウとカキノハグサ ’17.6.20

 ランの希少種でもある『ヒトツボクロ』、他にウメガサソウとカキノハグサを、今年も他への山歩き優先であったことから、それぞれもう遅いだろうが・・と思いながら登ってきた。これが残念ながらその通りとなってしまったのだ。それにつけても「我が身の運の悪さヨ、情けなヤ・・」である。笑

     
 ラン科ヒトツボクロ属 ヒトツボクロ    花枯れの状態

 * 漢字は「一黒子」とある。やや乾いた林内に生える1葉の花で、葉の表は主脈が白く、裏は葉柄とともに紅紫色の独特の葉姿である。
花茎は20cmほどとひょろ高くなり、数個の花をつけるが、今回は10個の花涸れが残っていた。思うに開花期間が極短いようだ。

 次のお目当てであるウメガサソウはイチヤクソウの仲間であり、この花も終わりとなってもう果実化が始まっていた。この種も比較的出会いは少ない花である。さらに、カキノハグサも、これまた限られた山域にしか咲かない種であって、山歩きの中で容易には見られない花であろう。

         
ツツジ科ウメガサソウ属 ウメガサソウ    この花はバックシャーンだろう・・?   ヒメハギ科ヒメハギ属 カキノハグサ 

 * ウメガサソウや近縁種のイチヤクソウなどは半寄生植物のために、持ち帰ったり、場所を移動させても枯れてしまうので手は出さないでほしい。
なお、ウメガサソウは高さ10cm程と小さいので、草本に見えるのだが、実際は常緑の矮小木本であることは、あまり知られていないようだ。

 * カキノハグサはマメ科に似た黄色い花をつけ、名の謂れは柿の葉に似ることからの名で、地域によっては準絶滅危惧種となっているようだ。

 ところで、アキノタムラソウといえば秋の山歩きでどちらの山でも普通に目にするのだが、そのタムラソウの仲間には春と夏の名がついている種があるのだ。そのナツノタムラソウが咲き初めとなって今年も出会えた。雄しべ二本がよく目立ち、濃い紫色が印象的な凛々しい花ではなかろうか。これまたそんなに出会えぬ種だろう。

     
シソ科アキギリ属 ナツノタムラソウ 

 その他の草本類は、この時期であることからほとんど見当たらないのはやむを得ない。それでも何とかヤマトウバナ、ツルアリドオシ、シソバタツナミ、ミゾホオズキ、キツネノボタン、ニガナ、キキョウソウ等と種類少なく見劣り気味の野草たちであった。


 さて、変わって木本類も観察しながらの歩きであった。

 最初はブドウの仲間のひとつでサンカクヅルからである。ブドウ科といえばヤマブドウやノブドウがよく知られるのであるが、こちらサンカクヅル、アマヅル、エビヅルなどは山歩きの中で、相当の方でないと関心を示すことはなさそうな種であろう。今回はその内のサンカクヅルがダンコウバイにつるんで大繁茂であったのだ。

     
 ブドウ科ブドウ属 サンカクヅル   葉の二つの鋸歯の間が谷となる特徴 

 * 一方、酷似するアマヅルの葉は二つの鋸歯の間が山となるのが相違点の一つであることを知っていれば同定し易い。
なお、エビヅルの葉はふつう3裂から5裂することが多いから見分け易い。

 続いて蕾から咲き初め状態の種である。

         
 トウダイグサ科シラキ属 シラキ   リョウブ科リョウブ属 リョウブ    シソ科ムラサキシキブ属 ムラサキシキブ

 満開を終わって散り初めの花である。

     
 キョウチクトウ科テイカカズラ属 テイカカズラ   ブナ科クリ属 クリの雄花と雌花 

 果実化が始まったばかりのヤブデマリとコバンノキの二種

     
レンプクソウ科ガマズミ属  ヤブデマリ    コミカンソウ科コミカンソウ属 コバンノキ 

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