京都東山に咲く花 ’17.7.2

 今日は午後から急な雨の心配があるのだが、コクランの開花のために徘徊してみようと出かけてきた。今回はキンチョールのスプレーや蚊取り線香にムヒなどを持ち、さらに暑いのに手袋までもはめて薄暗い湿ったコクラン地へ完全武装の準備万端で出かけたのである。
 ところが、なぜか、各地共に一株が咲き始めているくらいで、その他は蕾ばかりであったのだが、蛇はいるはこれなら、蝮もいるのではと思ったり、もちろん蚊が大群でいるはで、これだけ苦労してやってくる値打ちのある花なのだろうか・・と思い出さざるを得なくなってきたのが残念であった。トホホ

         
    ラン科クモキリソウ属 コクラン     

 続いて、ムラサキニガナがあちこちに咲き初めていたのだ。キク科アキノノゲシ属であり、ニガナといえば山歩きする方は知らない人はないくらいの黄色花だが、こちらは紫色であり、薄黄色花のアキノノゲシの仲間としての黄色花にはヤマニガナ、チョウセンヤマニガナにミヤマアキノノゲシがあるのだが、黄色花の方は個体数少な目からか割りあい知られていないようだ。

 しかし、そのムラサキニガナはアキノノゲシと同じように1m以上にもなって背が高くなり、山の斜面などにも生えて写真泣かせの花でもある。それに花は下向きに咲き、直径1cmほどであり誠に可愛らしい。また茎の下部の葉は羽裂し、上部の葉は小さく披針形で目立たない。

       
 1cmほどの小さな花  高い茎の上部に花多数、花柄に腺毛  谷間に背高のっぽの花が目立つ  茎下部の葉は羽裂し葉は大型

 

 そして、木本類である。最初はツツジ科スノキ属のスノキとウスノキの果実である。前者が緑から赤になり最後は黒色となって熟すが、ウスノキは緑からすぐに赤くなって熟すのだ。また、スノキは普通無毛だが、関西では葉裏に短毛があり、主脈や測脈、葉柄に曲がった毛が密生することで、カンサイスノキと名を持つものがあるというが、わたしは相当探してはいるのだが、まだその種が見つけられない。

         
 スノキの実は緑から赤そして黒熟する   スノキの葉裏、葉柄は無毛     ウスノキの果実は緑から赤く熟している

 次はバラ科キイチゴ属の仲間たちであるコジキイチゴ、ナワシロイチゴの果実が目についた。また、幼木のビロードイチゴが見つかった。この種は比較的個体数は少ない方だと感じている種なのだが、棘につかまり葉を見て、アッ、ビロードイチゴだと喜々とした瞬間に、着ていたシャツに棘が執拗に絡みついていたことから、取り外すのにシャツが破れそうになってしまい、この野郎!、、の気持ちの方が先に感じたのである。涙

         
コジキイチゴは薄黄色く熟す    ナワシロイチゴの果実は赤熟     ビロードイチゴの幼木、茎無毛

 

 その他の樹木類であるが、まず①マメ科ナツフジ属のナツフジの蕾である。

 この仲間は誰でも知っているのがフジ(別名ノダフジ)で、山歩きの人でもあまり知らないヤマフジがあり、今回見たナツフジの三種があるのだが、そのナツフジは一番小型種で、目につきにくいだろう。つる性で左巻きである。なお右巻きはヤマフジのみだ。また、秋の果実が無毛なのがナツフジだけで、後の二種は毛がある等が同定ポイントだろうか。。


 ②クワ科イチジク属のイヌビワの花嚢が見られたが、この種は花は花嚢といい、また雌雄別株で雄花嚢の基部が細長く伸び、雌花嚢の基部はあまり伸びない。画像はその基部の長さから雄花嚢だろう。


 ③今回見たハイノキ科ハイノキ属のシロバイの果実である。この実の花は昨年の夏から秋にかけて開花したもので今回見られたこの果実は、今年の秋に紫黒色に熟すことになる。開花から熟すまでに1年は充分かかることになり、その点では比較的珍しい。

         
① ナツフジの蕾     ② イヌビワの花嚢   ③ シロバイこの果実は今年秋熟す 

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