希少種のタシロラン ’17.7.6

 今回はタシロランと出会ってきた。この地ではほとんどが終焉となっていたのだが、数ある中にはまだ見られる状態の個体もあっての出会いであった。図鑑によれば九州で発見者の田代善太郎の名を取っての牧野富太郎による命名といわれ、常緑林内のうす暗いジメジメとした地に生える葉緑素を持たないで、その共生菌であるイヌセンボンタケの菌から100%養分を得るとのことで、これぞ完全、菌従属栄養植物のようだ。

         
  ラン科トラキチラン属 タシロラン   

 このタシロランは九州で発見されて以来、約50年間見つからなかったが、近年近畿でも和歌山、奈良、三重の各県、京都府などで発見されたようだ。RDBでは環境省と近畿カテゴリーでは準絶滅危惧種指定で、京都府カテゴリーは要注目種である。それにしてもこのランもやぶ蚊の多い地を好むらしく、撮影者泣かせの花であった。蚊取り線香必携である。泣

     
群落を作りやすい種のよう    中にはまだまだこれから咲くものも・・ 

 続いて、キジカクシ科ジャノヒゲ属のジャノヒゲ(別名リュウノヒゲ)の花をうす暗い藪の中で見た。この種は瑠璃色の実(ほんとうは果実ではなく、種子であるのだが・・)を山歩きの中で見ることがあっても、今回のように白い花の開花時では目につくことはそうなさそうだ。
 というのも、低山での暑い中で開花ということは、その時期には猛暑の低山歩きをほとんどが避ける山域となるからだろう。それに、よく似た種にヤブランもあるのだが、花や実のない時の葉だけで同定はポイントをほとんど知られてなさそうで、容易ではないだろう。

 
ジャノヒゲの花も撮影泣かせの花・・? 

 続いて、木本類のフジの仲間である。マメ科のフジ(別名ノダフジ)とナツフジ(別名ドヨウフジ)を見た。なお、両者ともつるの巻き上がる方向は左巻きで、ヤマフジ(別名ノフジ)のみ右巻きである。しかし、山歩きの中でヤマフジを確認できる方は経験上からそうざらには見当たらないないようである。というのも個体数がそんなに多くはなさそうだからだろうか。。

     
 フジの豆果にはビロード状の短毛密生    ナツフジは一番開花が遅くまだ蕾

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