京都北山 西折立山からナッチョ ’17.7.23

 三谷口バス停-登山口-P432-P637-府県界尾根-P812-西折立山-ミタニ峠-ナッチョ-R477小出石-大原バス停

 一般的には花折峠からP812、そしてミタニ峠からナッチョへの道が普通に歩かれ、昨今ではすっかり道はできあがっている。しかし、この度は三谷口から京都府と滋賀県の境界を登って、無名峰のP812に突き上げるのだが、このピークの通称は最近では西折立山といわれており、これを踏み花折峠からミタニ峠への縦走路に合流してナッチョへと歩いてみようとするものである。

 しかしながら、梅雨は明けたハズなのに、あたかも梅雨空の下のようなじっとりとした湿気の多い曇り空の一日となったが、歩くそばにはアセビの木が濡れており、足元もジワっと濡れ、どうやら今朝がたは小雨が降ってた感じである。
 それに植林帯通過も多くあって、この時期の大敵であるヤマビルの心配もあったが、私は通常使用しないスパッツや虫よけスプレーによる対策が功を奏したのか、最終下山地点で一匹だけがズボンの上を這っているのをスパッツを外してみて初めて見つけたが、幸い献血の被害とはならなかった、

 そして、府県界尾根を西折立山までのルートファインディングを楽しんできた。もっとも、ルートファインディングといっても、真北に一直線に登るだけだから、コンパスなどほとんど用はなく、地形と地形図の照合を確認しながらの歩きがほとんどであった。しかしながら、踏み跡薄く道らしきものはとぎれとぎれで、ほとんど道なき稜線歩きのために、歩きやすい所を探すばかりの歩きであった。とりあえず、西折立山までのルートを取り上げてみよう。その後のミタニ峠よりナッチョから小出石までのルートは地図など見ることなく勝手に足が進むため地図は省略したい。

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 さて、出町から三谷口のバス停下車で三谷林道を左に見送り、すぐで石段を上がれば冬の暖炉用だろう割り木が渦高く積まれた中からスタートである。歩きだすと炭焼き釜跡が数えきれないほど目についたが、古の頃には大原方面の人たちの生活の糧としていたのだろう。おそらくそのため用の古道がしっかり登り上げている部分も前半は多く見られた。世は昭和30年代で燃料革命によって、電気ガス等の普及により、芝刈りや炭焼きの需要が変わってしまい、すっかり山仕事は不要となってしまって、この古道は使われなくなったのだろう。

 標高600m直前で府県界尾根に合流となっても、そんなに踏み跡などハッキリしてこないが、稜線尾根芯さえ外さなく進めば登って行けるのだが、どうしてもアセビなどの小枝がうるさく、これではわずかな登山者があっても、ここには道はできないハズである。
 時期的なものばかりではなかろうが、歩けども珍しき樹木や山野草の花など皆無であるので、ただ、歩きやすい個所を探して行くのみであった。山頂直下となればどこでもそうなのだが、やっぱりこの西折立山直下も急登を迫られた。しかし、地図を見る限りそんなに急登には見えなかったのだが、地図と現場のギャップは致し方なかろう。結局、登山口から山頂まで4Kにも満たないが、そのところを8時半から2時間もかかってしまったのは慎重に歩きすぎたのだろうか。

 いずれにしても、無雪期はそう方角等を難渋することはないにしても、積雪期の下り時にはルートファインディング力が要求されることとなろうし、中途半端な積雪であれば小枝等がうるさくアルバイト必死であるだろうが、いつか多雪時にでもチャレンジしたいものであるがさてどうなることやら・・。。

     
府県界尾根上で一番高い標高点   西折立山 820m 

 一休みしてすぐにミタニ峠へ向かおう。相変わらず見るべきものは見当たらず、とっとこ降りて半時間もかからないで古道のミタニ峠に降り立つ。ここは北へはヒノコへと南へは三谷口への古道の四差路地である。でも、あたりは相変わらずガスっぽく見晴らしはよくない。さっさとナッチョへ向かうが、こちらはややアップダウンがあって35分もかかり、疲労度が先ほどの峠までとは大違いだ。

 ナッチョの山頂も周りの樹木たちが成長著しく、南西の焼杉山などほとんど見えなくなってしまっている。でもしかたないのでここでお昼としよう。目の前には満開のノリウツギがきれいだ。これを眺めながら頂の昼食はやっぱり美味い!。

     
 ナッチョの山頂も同じくP812だ   山頂に咲くノリウツギがうれしい 

 この頂で半時間ほど昼食とし、日曜のお昼というのに誰一人姿もない静かな至福のひと時をすごして腰を上げ、後はのんびり気ままな一人旅を50分でR477号の小出石手前に下山した。ここで前述のスパッツなどの後片づけでヤマビルを退治してから、気をよくして予定通り大原バス停まで日本海へ向かう旧街道を自然観察しながら歩こう。

       
 オニユリ(ユリ科・属) 8/13 追記 左のむかご、別地  ヒメ ヒオウギズイセン(アヤメ科)  ヤブカンゾウ(ススキノキ科ワスレグサ属)

 旧街道での自然観察は楽しく、他にもいろいろな樹種の植物が見られ、無味乾燥の山中とは異なり、目立つ植物いっぱいの山麓の楽しみに十分なる満足感を得ることができたのだが、さすがにここまで山奥に来ていることを知らせてくれたのであった。また、時期を変えて来ようっと思わずつぶやいていた。笑

     
 雄花  オニドコロ(ヤマノイモ科・属)  雌花

 それこそのんびり花々を楽しみ、観光客で賑わう大原バス停まで心置きなくゆったりと歩いた。着替えた後一服しているとやって来た京都駅行へ14:44発に乗車し、すぐに船を漕ぎながらの御帰還となった。

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