高島トレイル 二の谷山のナツエビネ '17.8.5

 保坂バス停=水坂峠-P486-二の谷山-P545-P477-桜峠=R367国道歩き=保坂バス停

 大型の台風5号が近づいている。近畿圏にもやってきそうで心配であるのだが、5日であればギリギリ影響は少なそうだ。とのことで、滋賀県と福井県境の山域に咲くという『ナツエビネ』を久々に出会ってこよう。だが、結果はやや時期尚早であったのだ。
 ほんとうのところは8~10日あたりがいいのだが、その間は台風がかみそうだから、やむなく5日の本日に向かうこととしたのであった。ところがその読みが悪い方へピッタリ当たってしまい、本日の様子は1本が咲き初めで、1本が蕾で、その他はすべてせいぜいうなだれた蕾の最初の段階ばかりで、ひどいのは花茎すら出ずに葉だけが元気な状態もいっぱいの様子であり、しまった!、無理をして10~13日あたりにすべきだった、となってしまった。こんなのはまったくの「後の祭り」であった。笑、なお、本日の山中では台風の余波だろうか、ずっと強い風となって花はじっとはしてくれず、写真には泣きどおしとなってしまった。当方は同じところへ二度も遠路はるばる出向く余裕など到底ない身なのだ・・。涙

         
    ナツエビネ(ラン科エビネ属)     

 今回のナツエビネ観察はほとんどが次のような蕾の初期段階のものばかりであったのだ。それはみんなうなだれており、どうやらこれから花茎が直立してそれぞれが球形の蕾に、淡紅紫色になってくることとなるのだろう。今のうなだれた蕾はもちろん色づいてなくて白いようであった。でも、そのような状態ばかりを相当数見つけられたのはラッキーだったが・・。
 なお、この種は現状ではお蔭で鹿の忌避植物から外れていないようでうれしい限りであるのだが、でも、それもいつまで食べないでいてくれるかは、気がかりではあるのだが・・?。後の心配事は人様の盗掘であるのだ。山歩きをする方々は写真は撮っても、間違っても手は出さないでほしい。

         
15株ほどの群生あり    4株だが初期段階の蕾すべてあり   葉も花茎も大き目の初期の蕾 

 次は歩いたポイント地点等の主たる画像

     
水坂峠には二ノ谷山への道標あり    二ノ谷山手前の「板戸の鎧岩」遠望 
     
二ノ谷山の山頂(608.1m)    最高点(611m) から武奈ケ嶽もガスの中
     
 二ノ谷山の下り途中のP545   下山地点の桜峠の標識、前は車道 

 ナツエビネの観察であったのだが、他の花はほとんど咲いていなかった。でも、三種だけ

① ハグロソウがポツンと一輪だけ咲いていた。その個体はすぐに踏みつけられて痛んでしまいはしないかと思うような箇所にあったのだが、どう手を差しのべてやることもできなかった。この種の個体数はそんなに多くなく、山歩きの方にもそう知られていないハズで、大切にしたい種であるのだ。

② ツツジ科の果実はほとんどが美味しく食べられるのだが、そんな中にあってハナヒリノキは比較的少ない有毒種の仲間なのだ。昔はこの枝を使って便所の中のウジ虫殺し、いわゆる殺虫剤代わりに使われていたともいわれて、地方では「便所の木」との名で呼ばれていたという話もあるといわれる。よって、秋深まる頃の山歩きで、この実のつまみ食いは決して好ましくない事を知っておこう。ついでに、他に有毒といわれる次のツツジ科の種はアセビ、レンゲツツジ、ホツツジ、イソツツジ、シャクナゲ、ネジキ等は口には入れない方が賢明であろう。

③ ミヤマウズラの蕾が1本だけ目についた。今回も出かける前にネットを事前下調べしたのだが、ミヤマウズラを書いているページ中でほとんどが一か所しか見つけられていないような記述ばかりのようだったので、こちらはミヤマウズラも気にしながら探索しながら歩いた。結果はやっぱり1本しか見つけられなかった。経験からこの種は比較的群落を作りやすい種と見ていたのだが、この山域ではほとんど咲かないようである。なお、花期は一般的には8月下から9月中に咲くのを見ている。しかし、この個体は後一週間もたてば咲きそうな様子ではなかろうか。

     
①ハグロソウ  キツネノマゴ科   ② ハナヒリノキ ツツジ科 有毒 
     
③ ミヤマウズラ ラン科 上部で蕾    左の下部の葉で、斑がほとんどつかず 

 ホームヘ






8/9ポンポン山  8/13湿地帯に咲く花  8/14京都西山に咲く花  8/24 湖南アルプスに咲く花  8/27 比叡山に咲く花  8/31.釣瓶岳から武奈ケ岳

inserted by FC2 system