坂下 サカ谷南尾根から小女郎ケ池 ’17.12.15

行者山トンネル手前-小屋-サカ谷南尾根-P762-小女郎ケ池南ケルン地-小女郎ケ池
-小女郎峠-ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-P735-林道-志賀中学-JR蓬莱

 サカ谷南尾根からの蓬莱山を登ろうと出かけたのだが、新雪による膝あたりの雪の連続に阻まれ予想外の時間切れによって小女郎ケ池でエンドとなってしまった。しかし、無理やりの蓬莱としなかったために、ヘッデン山行とはならなかったのでこれはこれで正しい判断であったと納得としよう。

 
本日最高点であった小女郎ケ池南ケルン地からの武奈ケ岳、コヤマノ岳に蓬莱山の比良ワンツースリーの眺め 

 さて、本日の取りつきは坂下手前の行者山トンネル左(9:30)から近畿自然歩道に乗り上げ、左へ進めばポツンと一軒家の小屋がある。そのあたりからがサカ谷南尾根に乗りあげるにはた易いように見える。すぐに尾根芯となり東向きへ進もう。

     
新道足尾谷橋バス停あたりはP432.2    近畿自然歩道沿いに一軒家 

 藪っぽい尾根だがそんなに苦にはならない。僅かで550まで上がりそれより方向を南へ変えてまた東へ下るのだが、このあたりまで来ると「アー、例の激登りをまたやるのか・・」と自嘲的に思ってしまう。そうはいっても570のコルから700あたりまでの急坂登りではあるのだが、左が切れ落ち、右が植林帯の境界を登り上げるには結構堪えるのだ。

     
 左下へ見下ろし撮る   半分ほど登って来たのだがフゥ 

 途中で上を向いて撮る最中にも気を抜くと下側にひっくり返りそうな急登で、いつきてもうんざりの箇所である。でも、なんとか登り上げ、右の植林が迫ってきて左の雑木の中を進めば、ポンと平らな部分がP762手前の750あたりである。ここで一本だ。ところが目の前には、そんなに時間も経っていない踏み跡が、眼の先の谷から上がってきて右後ろの谷に向かっている。
 鹿かな・・、いや、鹿にしてはトレースが人間の足跡のように見える。人ではないだろう、足取り方向から獣じみている。やっ、もしかして熊だろうか、エ~、5分も早ければガッチャンコだっただろう。だがこんなに寒いのだからすでに冬眠に入っているハズである。そう考えないと吞気に歩いてられない。やっぱり鹿の足跡だろうと勝手に決めて目の前の急登へ進行であった。鹿であれば蹄の跡がすぐに分かるのだが、人間の踵のようだったが、それにしては踵が小さかったように思えた。なにせ気味悪くなってしまい、落ち着いてそのトレースをしっかりと確認しなかったのだ。久しぶりに熊との遭遇だったと思うとやっぱり臆病者なんだと惨めな気持ちになったのも久しぶりであった。

     
Ca750で熊の足跡では・・?     Ca880くらいだろうブナの大木

 (12/18追記 いろいろ考えたのですが、やっぱりこの時期に熊ではなさそうと判断し、鹿のトレースだろうと思い直しました・・)

 さて、二度目の急登を登ればその熊の心配もケロッとしたかのように、今度はアヘアヘいいながらの登り道との闘いである。この部分はやや岩場交じりのために風で雪が飛ばされている部分は滑りやすい。一人ぼっちで滑落でもすれば一巻の終わりだな、などと考えながら息が止まりそうである。その内にようやく左手を見上げるとブナの大木(↑画像右)を捉えることができた。腕の針は後半時間で昼であった。

 「う~ん、こりゃあかん蓬莱は・・」と思いつつ、仕方なく昼飯は遅昼をケルン地しかないと決めつつ進むのみであった。その後の平らな地がCa900だ。目の前は細い自然林があまりにもびっしりで、空も見えないので気が滅入る。「だが待てヨ、後少しであの穏やかな広い稜線が待っているのだ」と思えば元気も出るというものだ。やがて出ました!Ca950だ。
 これよりまっすぐの広い尾根、ブナの周りにはミズナラやリョウブが立ち、青空が広がっていた。でもその中には台風の爪痕も少しはあってブナも可哀想だなと思いながら、そのそばを通らせてもらった。

 そしてCa1000あたりから本日最後の登り坂となってきた。この途中には写真には分かりづらいが、自然林に少しばかりの霜がついており、やや不足感もあったが、この暖かさでは仕方なかろう。でも、なんとかこの景色に気を紛らわせていた。笑

     
 コース最大の穏やかな散歩道    最後の急登の上で見る樹氷の卵

 Ca1080あたりまで上がって西向きに振り返れば、本来ならば京都北山の面々が大パノラマとなる地なのだが、今日は精進悪く厚い雲が広がっていた。仕方ないと諦めて背の低いアセビの森の枝を縫うように前進すると、ようやくケルン地(Ca1090)到着であった。
 今日はメジャー持参であったから、そのケルンの高さを計れば140cmで、雪は南側には40cm、北側には60cmほどついていた。すぐに蓬莱、武奈やコヤマノ岳を眺めながら昼メシ(12:25~13:10)としよう。

     
 小女郎ケ池南のケルン地(1090m)    ケルンの前に出て蓬莱山が指呼の間


 しっかり食べて満腹である。この後蓬莱へとチラッと思ったが、いや、待てよ。小女郎ケ池へ下ってそれより蓬莱山へ行って戻って小女郎峠へとすれば1時間半は見ておかないと・・う~ん、やっぱり止めとこ、と決断した。ならばのんびりと小女郎ケ池へ降りよう。

 さすがに小女郎ケ池は薄っすら凍る状態で今にも破れそうな雰囲気となっていた。そばには古くから愛されていた小女郎ケ池の説明板が先の台風21号で壊滅状態となっていた。今後の冬季には説明書きが埋まってしまい、もう読めなくなるのだろう。復活はいつになろうか・・?。ちなみに先ほど昼を食べていたピーク1090は↓右画像の左の頂であるのだ。

     
 ケルン地から降りると鹿の跡ばかり   小女郎ケ池の看板は10月の台風で 

 池から小女郎峠へ直に行かず、途中から斜面を地蔵さん目がけて上がり縦走路に合わせ、それよりホッケ山まではノントレーの小さな一人旅である。だが、結構雪深いパウダーを噛みしめながらホッケ山だった。ここでは相変わらず雪は北風を受けて飛ばされていた。こちらの山名札もいつまで持ちこたえられるのだろうか。

     
 ホッケ山四周の眺望今日はよくない    この先の下り道尾根もくっきりせず

 ホッケ山よりすぐで権現岳へを右に見送って、東向きの左へのホッケ谷右岸尾根を下るのだ。ところが、本日午前中のサカ谷南尾根では10月の台風被害はほとんどなかったが、こちらの東向き方面は無茶苦茶な爪痕が多数出現していた。
 これまでのここの古道の中の倒木は4か所あったのだが、それに加えること6か所ではきかないだろう。これまでの4か所被害はそれぞれ古木1本ずつの倒木であったのだが、今回はそれぞれが固まって倒れているようで、とてもなんとか無理をすればその倒木地を潜り通せる状態ではなさそうであったので、こちらははなからその倒木地が見えるとほとんど右斜面の急坂を下ってエスケイプであったがこれが結構足にきた。いずれにしても今後のこの古道歩きコースには苦労が増えることとなって歩く人はさらに少なくなるのだろうか・・。

     
縦走路カーブ地点は右でなく左へ     倒木地数々あり、手前右側へエスケイプ

 そしてホッケ谷左折分岐点まで降りてくれば後はもう大丈夫だろうと思って、すぐ上のP735地点から少しで迷点最初のCa690あたりで一本であった。これよりジグザクで最後は南南東への仕事道の始まりがジグのゴールCa620地点である。この間のジグの分岐は計9回あるのだ。しかし、今日くらいの雪では分岐もなんとか様子が分かるのだが、1月以降2月末まであたりの大雪であれば、この迷点区間の通過はすんなりの可能性はほとんど薄くなろう。

     
 迷点のスタート地点    迷点ゴール地点

 それでも、最後の仕事道さえ捉えれば、左のびっしり生える植林帯から↓左画像地点(Ca550)のように南へのヤセ尾根が目に入ることになるから安心だ。これを南へ降りれば後は迷いようがない。二つある北船路の看板の上の地(Ca490)には植林の倒木が発生していたが、これ以降ほとんどが東向きに倒れているために山歩きにはそんなに支障はない。それにしても上の看板地から下には相当数の倒木が目についたが、山主には誠にお気の毒な状態となっているようだ。

     
南尾根の始まり地    看板右は大木の根からひっくり返る 

 この看板地から10分ほどで林道下山口390m地点へ16時10分前に降り立った。これより薄す暗くなった林道歩きがトボトボと長く、別荘地から湖西道路をくぐって志賀中学校のグランド上よりJR蓬莱(16:40/58)へとたどり着いた。それにしても今日の新雪ひとり旅のツボ足歩きで最初から最後までまったく人の姿には出会うことなく、人恋しい一日となってしまい蓬莱駅の駅員の声かけが耳にやさしく聞こえ、これほど駅員さんの言葉が身も心にも染みる思いがしたことがなかったような気がした。。

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