東稜からの武奈ケ岳 ’17.12.23 晴のち曇

 JR比良-ダケ道-広谷-東稜-武奈ケ岳-コヤマノ岳-南尾根-金糞峠-青ガレ-JR比良

 今年の比良の初冠雪は11月19日だったが、1ケ月以上過ぎたにもかかわらずその後の降雪がままならず、加えて本日は気温上昇となって雪解けが進んでいるようであった。10月の21号台風被害はダケ道下部で4か所の爪痕が発生していたようだった。
 ところが有難いことには、その後に奇特な方による整備がなされたようで、どうにか通過できるようになっていた。その4種のそれらはイヌブナ、スギは綺麗に片付いおり、三番目の倒木(↓画像左から二番目)はウラジロガシだが、この倒木下はなんとか潜ることができた。
 ところが最後の四番目(↓左から4番目画像)のコナラ下だが、今日は無理やり潜れば行けそうだったが、さらに今後雪降れば潜れなくなるだろう、と判断して倒れた根株毎の上から巻いて通過してみた。無理して下を潜るより、この上方を巻く方法をとって通過すれば楽なようであった。
 ダケ道ではこれら以外の被害はなさそうだったが、この倒木被害整備に多大な活動をなさった方に対し、歩きながら感謝するものであった。その後15分ほどでカモシカ台において、整備していただいた岳人の行為に対し、これほど清々しい気持ちの一本には思うこと少なくはなかった。

         
雪は大山口では薄っすらだ・・   この倒木はどうにか潜れるが ウラジロガシの葉裏  コナラの倒木は積雪なら潜り難儀か  カモシカ台の道標が新たに立っていた 

 当方、今回は大き目のザックを担いだのが失敗で、いつもより相当の疲れが足にきてしまい、急がないで行こうとの歩きとなってしまった。でもようやくにして北比良峠へ辿り着けば、武奈の頭が見えてテンションUpであった。快晴の中なのに誰一人の姿のない静かな八雲が原を気持ちよく歩き、イブルキノコバでは久しぶりに沢水を少なくなったペットボトルに足して行こう。

     
 北比良峠から本日初の武奈が・・  八雲が原では人の姿なし  イブルキノコバの沢でPボトルへ補水

 いよいよ、武奈東稜登山口が近くになったことを知らせてくれる広谷である。望武小屋跡下から広谷丸太橋手前まで降りる。そしてこの丸太橋を渡らずに手前左から冬道の右岸側を広谷小屋へ向かうのだが、その向かい側の広谷広場には大木のサワグルミの木が突き上げている。
 そして黄色い小屋前まで進んで左岸側へ渡渉し、次の橋を渡れば広谷の「レスキューポイント1」の表示あり、その右前方にある小尾根に取りつこう。実はここまでは前日までのトレースを借りてツボ足でやってきていたのだが、さすがにこれよりは急登が続くためにスノーシューの出番であった。

     
広谷左岸に立つサワグルミ     右側には黄色い小屋ありその前渡渉
     
 渡渉すぐ上流のRP前の橋   右の谷手前の小尾根から登り 

 前回は左側取りつきから一直線の1000mまで真西に進み、その後は1070mまで西北西へ進んだのだが、今回は最初から1070mを目がけて西北へ西北へとジグをきって武奈への東稜を登ってみようとの作戦であった。しかし、急登は想定外に長くなったために武奈山頂までに1時間40分という考えられない時間を要することとなってしまった。
 もっとも重い背のザックが原因でもあったのだが、今後はやっぱり登りルートは「1000一ルート・・」仮称、笑、を使った方が安心であろう。だがしかし、1070mからの「1000一ルートから広谷」への下りは、急坂すぎて危険なために今回登った方角から下る方が無難であろう。

 
 Ca1070から見上げる武奈ケ岳
 
Ca1180あたりだろうか、すぐで頂に行けるだろうがゆっくりと・・ 

 さて、1070まで上がってくると西側真下のコルあたりから賑やかな女性のかまびすしい声が聞こえる。それにしてはいつまでも同じ声色でありなかなか上がって来ないようだ。どうやら腰をおろしてもう昼食タイムだろうか。その先の真上を見上げるとしっかりとトレースが降りてきており、その跡をまた一人の男性だろうか降りている最中だ。↑二つ目の画像ではハッキリ見えないが肉眼では踏み跡がよく見えていた。なんだー、ノントレーもここでお終いか・・と嘆いても始まらない。

 鞍部へ降りていくと、5人の方がやっぱり昼を囲んでいた。リーダーらしき女性一人が元気な声で張り切っていた。すぐそばに行ったので、その人の顔よりもしゃべらないので声は聞かなかったのだが、おとなしそうな笑顔がとびきり素敵な人の印象が忘れられない。えへへー笑

 すぐに「気をつけてネ~」との声を残して、その場を後にしてしばらく登れば、(くだん)の男性がこちら方向へ寄ってきて、「この道は一般路ではないのでしょうか、道はあるんですか・・」と聞かれる。「え~、ここは道はないですよ・・」「どちらから来たんですか」と私に聞かれるので、「広谷からですヨ」「そしたら踏み跡はずっとあるんですかね・・?」となんともトンチンカンな会話の主で、これはアカンワ・・とこれまたすぐに上を目指すことにした。その人のことはこれ以上は書かないでおこう・・・笑

     
コルからの急斜面よりツルベにナガオ  標高を少しづつ上げ頂上や  振り返り釈迦岳など見やりながら進み 
   

ようやく武奈ケ岳山頂だった。フゥ
 

 山頂は相変わらずの人だかりであった。東側の一段下がったいつもの席の先客が立ったところで、すぐに腰をおろし小一時間も居座ってあたりの眺めを楽しみながら昼食(12:10~13:05)とした。それにしてもコヤマノ岳にも雪が少ない。やはり正月が過ぎないと多雪は望めないのだろうか。

 さて、下山はコヤマノ岳から南尾根を下ったのだが、朝から大勢の人たちが登ってきていたようで、見るからに完ぺきなホンマモンのトレースが引かれており、その点ではつまらないコース取りであったなと笑いながら降りた。それにしても武奈ケ岳への上りにはきつい急登のダケ道でなく、この南尾根利用が大半をしめているようだ。それにヨキトウゲ谷奥の中峠からのコヤマノ岳へは誰一人登ってきていないようでトレースは目に入らなかった。

     
 コヤマノ岳最高点  南尾根取りつきすぐのブナの大木  15分ほど降りた地の本ブナ

 そして、金糞峠でいつものように最後の一本であった。この峠まで降りて来れば後は青ガレだけ注意すればいいとゆったりと行動食の残りもんの整理である。10分ほど休んで腰を上げ、そして急坂をアイゼンで降りていこう。だがすぐで雪は消え、連続する岩の上をアイゼンではかえって危ない感じでやっぱり不要だろうとしまってゆっくりと降りることにした。

 
 青ガレを見あげる

 峠すぐ下から青ガレあたりまでが中途半端な残雪で極めて歩きにくかったのだが、何とか下山してかくれ滝すぐ下の水場でコップ二杯も飲むほど喉がカラカラであった。これは峠からの足元の歩きにくさからだろうと思いながら降りた。すると「ゆったりのんびり堂満岳に登って来た」という仲睦まじそうな夫婦を追い越した。つられてこちらも更にゆったりの足取りでJR比良へと帰るのであった。それにしても珍しく今日の歩きは10時間(6:35~16:50)もかかってしまった。トホホ

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