蓬莱 ホッケ谷右岸尾根から蓬莱山 ’18.1.20 晴後曇

蓬莱駅-ホッケ谷右岸尾根-P735-縦走路出合-ホッケ山-小女郎ケ池南ケルン地-池-蓬莱山-打見山-クロトノハゲ-キタダカ道-志賀駅 

 今日は駅から9時前に歩き始めた。すぐ前に二人の中高年の男女が小女郎谷への道に入っていったが、こちらはその反対道を志賀中学校裏手から左折していった。今日もまた晴予報はほとんどが曇の一日となってしまい、山には青空はないに等しかった。おまけに雪は消えかかっており何のための山歩きだろうかというありさまで誠に残念至極の山歩きとなってしまった。それもそうだ琵琶湖バレーのスキー場でも積雪は50cm以下のようなのだからスキーヤーにも気の毒な状態にみえた。

 今回もマイナールートを登ってみたが、これだけ雪が少ないと登る意味のない地味過ぎるコースで、あの迷点すらもすんなり歩ける始末で舌打ちしながら登っているのだった。でも、↓画像は歩き始めた志賀中学校グランド前あたりから見上げた打見山からホッケ山あたりの稜線だが、そうはいっても途中の上り部分にも雪はもう少しあるだろうと期待しながら歩き始めていたのだが・・。

 
一番左の小ピークがP735の頭だが、迷点は頭より下なのだから無雪は当たり前だった・・ 

 別荘地を過ぎて林道に入れば軽四ジープが走り回っている。どうやら鹿狩りのようで、奥の三叉路で止まっているハンターに「猪狩りですか・・」と尋ねてみると「近年はすっかり猪は少なくなってしまい、鹿ばかりだヨ・・」とのことだ。「こちらは前方の尾根を登るのだが、鉄砲は大丈夫でしょうかね~・・?、これから野郎が一人登って行くよと仲間に連絡しといてくれませんか・・」とお願いすると「あの尾根の方面から離れたところをやる予定だから安心して登ってくれ・・」との返事にホッとしてその登山口のCa390(9:50)から取りついた。

 490mあたりにある北浜県営林の上の二つ目の看板地の人工物までは、去年10月の21号台風被害の植林倒木も多いが、歩ける尾根より東向きに倒れていることからほとんど我には支障はない。そして南尾根から北東へ向かう仕事道らしきCa550(10:15)の取りついて、Ca620あたりからがいよいよ迷点となるのだ。最初のこの左折点(Ca620)までは10分ほどで歩けた。
 やっぱり雪がないとすんなりである。当然か・・。この後は短いジグザク左・右を9回やるのだが、この間の道が極端に細くなって分かりづらいが、どうにか最後の迷点地(Ca690)へ着いた(10:40)のだ。やっぱりそこでも雪もないのだからこれではつまらない・・。もちろんその先のP735の頭(10:45)にも雪はない。

         
迷点最初の左折点(Ca620)    迷点(Ca690)ゴール     標高点P735は植林内

 そして750mを過ぎだすとようやく残雪が出だしてくれたのだが、それと同時に10月の台風被害の倒木によって735先下から続く古道歩きが楽しめない。倒木個所は前後の急斜面を巻きながら登らざるを得ないのだが、これが結構タフな上りとなってしまった。
 やっぱりその点でもこのルートは上りよりも降りで使うほうが良さそうと思うほどであった。それでも駅から2時間半もかかってどうにか縦走路(11:40)に上がった。でもこれからは踏み跡が散乱しているので、ここまでの歩きとは別の考えで歩くこととなるのだ。だがこの時間帯では平から上がってきたハイカーは既に小女郎峠方向へ進んでいるのだろう。誰も姿は見ない。

       
掘れ込んだ古道に残雪多し   イヌブナの倒木は他箇所でも  杉の大木の倒木も多し 静かな縦走路出合 

 出合から15分もかかってホッケ山到着(11:55)だ。雪庇はまだ生まれていないので、その箇所あたりまで先に出て、登ってきたホッケ谷右岸尾根を覗き込んだ。すると一番下に735の頭がここでもハッキリと見えた。山人はこうして歩いてきたあたりを俯瞰したりすることができ、それらを感動のひとつとしているのは同じなのだろうか・・。

 そして、縦走路を進めば単の先行者に追いついたり離れたりしながら歩いていると、今度は反対側から次第に交差者が増えだしてきた。ゴンドラで上がって来たので霊山まで行く人や、平からのピストン組の方がもう蓬莱から引き返してきたという方にも出会った。
 ほどなく小女郎峠が近くなったので、こちらは峠をパスしてその手前の笹原地から左折としよう。その笹原には消えかかった残雪が締まっており、なんなくケルン地(12:15)まで入れた。だが、今日もガスって武奈ケ岳は見えず、蓬莱山のみだった。

     
ホッケ山から登った尾根を見下ろす    小女郎ケ池南のケルン地から蓬莱山 

 武奈も見えないのでは仕方ない。とすぐに退散で小女郎ケ池へ降りて行けば大勢のグループだろうか。昼食も終わった模様のようだったが、こちらはざわついている池の畔からすぐにP1101へ登りかけて振り向くと、リーダーらしき方がこちらの単独で降りて来た我がトレースを追うのだろうか、小女郎峠を避けた歩きに連れられるメンバーは喜々として声を響かせて初めてなのだろう、その初の小山を乗っこす歓喜がこちらまで面白く聞こえた。

 当方は北風が寒くて、1101すぐ下のアセビの木々の中に入り込んで、イソップ物語の逆太陽さんを思い出しながら、遅い昼食(12:20~45)を簡単にすませることとした。それにしても寒い!!。その先の夏道の縦走路も雪が消えたり隠れたりの状態となっており、岩の地蔵さんあたりもほとんど雪は融けていた。
 しかし、この岩場すぐ上からしっかりと雪は残っており、お蔭で急登もシューで歩きやすかった。ついでながら、本日のスノーシューは尾根上りの800mあたりから蓬莱山、笹平までの間だけの使用だった。アイゼンはザックの底から最後まで出はしなかった。

     
 ケルン地から小女郎ケ池目指して  大勢のグループが賑やか過ぎて  蓬莱山への上り口地蔵さんの岩場

 この辺りも多くのシューの踏み跡でよく締まり、蓬莱山(13:10)へは難なく上れたのだが、あたりは画像のとおりのガスばかりだ。すぐに打見山へ向かおう。スキー場もこんな客の少なさでは気の毒だ・・、でもボウダーは空いていてありがたいのだろう。格好よく滑り降りてジャンプも上手いゾ!、ロープ沿いを遠慮がちに歩いて降って笹平からボウダーの滑りに拍手をすれば青年は笑顔で応えてくれた。

     
 蓬莱山1等三角点も寒そう リフト小屋もこのとおり  格好のよい青年ボーダー 

 でも、打見山へ登ると、こちらは若い子連れの家族だろう。キャッキャと若いこだまが賑やかで、これはこれで素敵な光景であった。しかし、天候芳しくなくお客様の入りは多いとは言い難い状態のように見えた。こちらはここまで登ってきたら、後は下山のみだと予定どうりクロトノハゲからキタダカ道を降ろう。

 キタダカ道の上部は、木戸峠へは通行止めとなっており、もう一本の蓬莱山への夏道は大雪の中を昨年通過したのだが、冬場の通過者はほとんどないようだ。もちろん今年は誰も入っていなかった。今年はゴンドラ駅から降ってみた。
 しかし、クロトノハゲ(14:05)まではやっぱり踏み跡薄く歩きずらかったが、今回も天気のよい土曜日というのに一人しか登って来てはいなかったのだ。そのようなことから、こちらはツボ足のためにズボズボとひどい時には股まで踏み抜く始末であり、よほどシューを使おうかとも考えたのだが、履き替えが邪魔くさく、そのまま最後までツボ足行軍としてしまった。

     
 夏道と冬道の合流点地 クロトノハゲから比良岳、奥はボンヤリと  番屋岩はもうすぐ雪の中になろう 

 番屋岩が過ぎると5分ほどで、台風被害の倒木が次第に多く現われだしてきた。思うに昨年10月の21号台風被害は比良山系では裏側ではそう目立った被害はなさそうだったようだが、表側の東の斜面では相当な風があったようで、ほとんどの登山コース上に爪痕が見られるように思えるのだが果してどうなんだろうか。

     
キタダカ道の台風被害の爪痕多数あり 

 とりわけ、天狗杉一帯の爪痕からして猛烈な風雨がひどかったようだ。せっかくの有名な天狗杉地もこれだけの荒地がそばにあっては謂れある古木があまりにも可哀想な状況ではなかろうか。それにこれだけ自然が荒れてしまっては比良山系の姿が見るに忍びない。そしてこのような荒涼とした場所には来たいとは思えないと登山者のキタダカ道利用が減少しないかと気がかりでもある。出来れば可能な限り早い時期の回復を祈りたいものである。

     
  天狗杉一帯の悲惨なる爪痕   

 天狗杉から半時間ほど歩けば二股(15:13)(↓画像)となって左折は小さな橋の脇山橋である。その橋を渡って途中水場でスパッツなどの後始末をし、JR比良駅(15:45/56)へと帰えりついた。

 
志賀駅へは二股で脇山橋左折としよう

 それにしてもこのキタダカ道は過去からそんなに喜々として歩きたいと思うほど気に入ってはいなかったのだが、今回の台風爪痕の大被害を目の当たりにしてまたまた気が遠のく心となってしまったのが惜しい・・。

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