京都西山 小塩山に咲く花 ’18.4.16 曇

 黄砂の一日となってしまった。それにつけてもこのところの気象状況は寒の戻りや夏日となるなどいまいましい限りである。まだ穀雨もこない4月中旬なのに気象予報士は「もう春は終わりました。夏です。ひょっとして4月中に真夏日の暑さがあるかも・・」というありさまである。困ったものである。

 さて、西山でも山野草の女王といわれるカタクリはもう終わってしまっているのだろう。イヤ、カタクリだけではない、その他の野草達の今年の開花は異常すぎて花巡りに困惑しているのだ。例年この時期は西山のカタクリお目当てのハイカーの方々には小塩山行きが慣わしとなっているのだろうが、皆さん戸惑っておられることだろう。

 こちらのカタクリ巡りは今回も乗り遅れたのだが、ようやくにして小塩山へ足を向けた。その道は亀岡よりから谷筋へ入ったのだが昨秋の台風被害だろう、倒木多しで少し引き返して、関電道の尾根を登り上げ大枝山へ着くとNの無線中継所のパラボラアンテナは消えていた。

 道すがらには、ただひとつの花ぶりがいいコバノミツバツツジも散り初めで終盤だ。咲いているのはツルシキミだけで、やっぱり鹿の忌避植物くらいしか目につかない。西山団地を抜けてシハイスミレの大群落地をチェックだ。まだまだ今回も見事な咲きぶりであった。

 そして谷沿いはやっぱり昔の花の谷への復活はなさそうで一草だに目にしない。ハンター殿への活躍が待たれる・・イヤイヤ、そうではないだろう。山麓の農業従事者の方々のためにも、害獣駆除に対する生き物への思考を日本全体が考えなおす時代なのに、一向にその取り組みが聞こえないのが誠に残念であるのだが・・。

 大暑山への三角点地もしばらくぶりであった。高木となることで知られるタムシバの倒木はいよいよ枯れきってしまっていた。過去には何年かこの山頂で手に取ってタムシバの花を撮ることができるために喜々として目当てを済ませた想い出が遠くない。
 しかし、さすがに命永らえるほどの時は過ぎ去ったようだ。その後の道からこれまではすぐ指呼の間に愛宕と地蔵の展望が楽しめたのだが、もう雑木が伸び放題ですっかり空すら見えなくなりそうな道となっていた。そんな中で唯一「オトコヨウゾメ」の蕾つく小樹を見つけた。西山ではその種の個体数はそんなに多くないために、その開花のために来週中にはもう一度再訪が必要となってしまった。笑

 さて、いよいよ小塩山カタクリエリアだ。本日は4か所のカタクリ地を徘徊予定である。「咲き終わってる花しかないのにようやるネ~・・」と笑えてくるというものだ。でも、せっかく久しぶりの小塩山なのだから、それぞれのカタクリ谷のアップダウンを楽しむためなのだ。
 それは池の谷・炭の谷・Nの谷に御陵の谷であった。それぞれの谷で咲く種や位置までもほとんど記憶に残っているのが嬉しい。でも、「シロバナニシキゴロモ、あの花がここから消えて残念だ、それに、イチリンソウ、この花は今年はもう芽だしが始まっている・・」などと回想の花歩きであった。

 二番目の谷ではギフチョウもカタクリを求めて飛翔していたが撮らせてはくれなかった。蝶より、人様だ。以前方々の山案内でご一緒したTさんに偶然お会いしたのは奇遇であった。お元気なようで何よりであった。もちろん最後までご一緒した。そして三か所目では昔の山の会のHさんとも再会であった。長い間のカタクリ保護団体で、元気に活躍もご苦労様であり感謝したいといって別れた。

 この日のヒットは何と言っても「白花のカタクリ」にお目にかかれたことであろう。いつものことだが、やや奥の向こう向きに咲く花で、そばではなかなか撮れないのは例年と同じであろう。でも、ヤッタ~!!との思いであった。

     
カタクリはほとんど終了だったが白花に出会へ、よしとしよう~ 

 山頂までの道々に出会った野草達の一部である。とても種多く全部はページが足りないのが惜しまれた。まず、スミレ類もほとんどが終焉まじかであったが、中でも地質や樹林等日当たりの関係からだろうが、「シハイスミレ」が多い小塩山だなと、今さらながら思い知らされた。

         
 アリアケスミレ  シハイスミレ    ノジスミレ  タチツボスミレ

 見て歩くと植物たちはいかに湿り気のある地を好むのだなと眺めるのであった。とりわけ、ネコノメソウ類、ハコベ類、タネツケバナ類などぬかるんでいるあたりは要チェックだろう。他にはミヤマハコベ、ヤマルリソウ、シロヤブケマンなどが満開であった。下山は天皇陵道を下山であったが、長い下り道で疲れてきたなと思うあたりにはクサイチゴ、ニガイチゴのキイチゴ類が咲き、黄色花はクサノオウ、ナルトサワギクも咲いて疲れを静めてくれるように思えた。

         
 ミヤコアオイ満開  ネコノメソウ果実化進行   サワハコベ終盤  アオハコベ 満開
         
 エンレイソウ終盤  チゴユリ満開    ニリンソウ満開 ニシノオオタネツケバナ咲き初め 
         
 ナルトサワギク終盤 クサノオウ終盤     ノヂシャ終盤 ムラサキサギゴケ満開 

 最後は木本類である。他にはクロモジが終盤で、アケビ、ミツバアケビにゴヨウアケビは満開で、ムベ、オトコヨウゾメ、コバノガマズミが蕾でコバノミツバツツジはほぼ終盤となっており、山野草、樹木花共に例年より相当早めな開花状況に思えた。なお、アケビ科類の見分け方についてはこちらからご覧頂けます。

         
 ヤマブキやや終盤  サルトリイバラ満開    ツルシキミ雄花満開  同雌花満開
         
 ウグイスカグラ終盤  ヤブサンザシ満開    ニワトコ果実  小塩山642m

4/12松尾林道からトロッコ保津峡 ホームヘ 4/20京都西山に咲く花






inserted by FC2 system