コクランとアケボノシュスラン ’18.6.22 晴

 今年もコクラン等の花を見よう。まずは黒紫色の地味な花を咲かせるランのコクランであったが、本年と同じような季節の早いころということで一昨年の時期を参考に出かけたのだが、何故か開花はおろかまだまだすべてが蕾の状態であった。植物の世界は極めて気候、栄養土合、日照状況等での開花順は複雑怪奇、容易ならざるものがありそうだ。でも、この後の一週間以内には開花を期待できそうだ。しかしながら、梅雨の心配は計り知れないが・・?。

 次に同じラン科のアケボノシュスランだが、近年のこちらでのその種だが、極めて少数となってきてたのを案じていたのが的中で、今回も数えられるほどの状態でみじめな程となっているのが悲しい。もちろん、こちらの種は花時はまだまだ先の9月に入ってからとなろう。

     
コクラン(ラン科クモキリソウ属)    アケボノシュスラン(ラン科シュスラン属) 

 さて、ランから目先を変えてみると、か細くひょろひょろと背高のっぽで、花色が紫色なのが特徴からその名となったムラサキニガナが咲きだしていた。花頭にはあまりに数重く、よく倒れることの多い花だが、半数以上はやっぱり倒れても咲くほどで、まさにど根性花の一つであり、こんな姿を見れば元気が貰える花だろう。花は咲き初めで低山歩き時にはしばらくは楽しめそうだ。

         
倒れ乍ら咲くムラサキニガナも美しい    まだ直立状態の個体だが・・     茎下部の葉羽裂し、上部は小さい披針形

 ところで、こちらにはキクタニギクの名の謂れとなった黄色花のキク科キク属の花が、昨今人の手によって絶滅から復活の兆しとなっているようだ。もちろん本名アワコガネギクだが、黄色く小さな花が密集して咲く様子を泡にたとえた名の謂れだ。自然の中で果して鹿、猪などの害獣食害や盗掘などの心配はいかがなものだろうか・・?。秋採深まるころの10月後半から11月上旬には山地でそよ風に揺れながら、淡い黄色の菊の希少種に出会えるのが待ちどうしい~

キクタニギクの今・・頑張れ! 

目についた木本類は次のようなものだった。

         
 イヌビワの雄花嚢これが花    ビロードイチゴの幼木、茎無毛   シロバイの果実は・・ *1 
         
 アリドオシの赤い実は目立ち棘あり *2    スノキの実がもう黒熟してた   ウスノキの実はすぐ赤でこれから熟す 

*1 画像のシロバイの果実は昨年の8月末に咲いてできた果実で、生まれてから8ケ月も経過したのに、まだ緑色の状態だ。そして、今回見られたこのハイノキ科ハイノキ属のシロバイの果実は、今秋10~11月ころに紫黒色に熟すことになるのだ。このように開花し、果実誕生から完熟するまでに1年は充分かかることになるために、今年新たに誕生してできたばかりの実とともに、昨夏誕生の果実と二年分の実が、重なり合って見られる点では比較的珍しい。

*2 ウィキペディアによれば、アリドオシは栽培されることもあり、地方によってはセンリョウ(千両)、マンリョウ(万両)とともに植え、「千両万両有り通し」と称して正月の縁起物とする。別名を一両(イチリョウ)ともいう。和名の「蟻通し」の語源には以下のように2説ある。・棘げが細長く、アリでも刺し貫くということから。・とげが多数あり、アリのような小さい虫でないと通り抜けられないということから。

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