滝谷山から天ヶ岳 ’18.8.2 晴

 花背峠-和佐谷峠-滝谷山-和佐谷峠-百井キャンプ場-天ヶ岳-寂光院道-大原バス停

 花背峠で9時ころバス下車すると今日も27℃だったが、結果的には本日の京都の最高気温は37.7度とのことで、相変わらず猛暑日が続いていた。しかし、峠から本日の高みである滝谷山(876.2m、3等三角点)まではほぼ水平道のためにハイキングとしてもまったく物足りない。笑

 
 花背峠では27℃の標示で涼しい

 歩き始めればすぐに京ではよく知られるドコモの紅白の鉄塔が飛び込んでくる。こんな景色を楽しみながらすぐに古木の大杉の間に小さな地蔵さんが座しているので、安全を願って手を合わせよう。その先には琵琶湖展望地もあるのだが、今日も湖は目に入らない。

 
すぐにドコモの塔が・・ 

 ならばと樹木観察しながら進もう。目についたのは真っ赤に色づいたヤブデマリの実はよく目立つ。白花のノリウツギは残り花となっていた。そして酷暑の中の花でもあるリョウブはまだまだ咲き続けることだろう。この時期では実の色あいが緑色多しでそんなに目立たない、シラキの赤くなりかけた果実がおもしろい姿でぶら下がっている。

 

       
ヤブデマリの赤い実   ノリウツギの残花  夏の花の代表リョウブ シラキの果実 

 その後には、チロル小屋と名前だけはハイカラだが、使われなくなって久しく荒れるがままの状態や、そばにも大きな配車がこれまた無残な様子に目を覆いたくなる広場にはいたたまれない心痛む場所である。その場所からすぐで花脊高原前から上がってくるハイキングコースの派手な看板があり、その隣には反対側の百井への下山口の標識もある和佐谷峠だ。今日はこちらの百井側へは滝谷山から引き返して降りる予定としているのだから、ここの峠は素通りとしよう。

     
チロル小屋に放置車は似合わない    和佐谷峠には案内板が賑やか

 この後も取り立てて目新しい植物はないだろう、とお散歩気取りで行けば、道端にカラスシキミの幼樹がポツンと立っているのに出会えた。この種は京都府RDBで『準絶滅危惧種』の指定を受ける希少種であるのだ。成長も遅く果してこちらの現地で成木といっても、大きくなっても1mくらいにしかならないのだが、そこまで成長できるだろうかと心配である。

 
 3~40cmのカラスシキミの幼樹

 そしてすぐに滝谷山への南側の取りつきである。穏やかな自然林の心地よい斜面が足にやさしい。見慣れた樹々ばかりだが、カマツカ、シラキ、タンナサワフタギ、イワガラミ、リョウブなどの樹木を確認しながら心ゆったりと、これぞ北山歩きだと気持ちもほぐれる。

 すると踏み跡を塞ぐように、そこそこの太さのつるが歩く邪魔をするような処で立ち上がっている。このつるは何だろうと目で追えば、すこし上へ出だしの葉をつけていた。さらに見渡せばいろいろな葉姿も見せてくれた。ブドウの仲間のサンカクヅルだった。植物に関心のないハイカーであれば、このツル性の株立ちが邪魔だと鋸などを持ち出して切ってしまわないだろうか、と案じてしまうほどの困った心配性のバカな男がいた・・。笑

     
 サンカクヅルの幼葉は特に変化多し    立派なサンカクヅルの葉*

*サンカクヅルと酷似するアマヅルとの相違点についてはこちらからご覧ください。


 こんな観察をしながら、のんびりゆったりの滝谷山到着で、和佐谷峠の百井キャンプ場への降り口から25分もかかっていたのだ。この山頂へは三通りの取りつきがあるのだが、この時期には面白味ある自然観察には及ばないだろうと、一番近い南側からの道をピストンとしよう。と頂の憩いはよそう。そして、上がってきた可愛いピークをとって引き返すのだった。

 
滝谷山も900にも未たない低山で暑い!! 

 そして峠の百井キャンプ場への降り口には15分で戻り、びっしり生えた植林帯の中を降れば、こちらにはシラキがいっぱいあって、可愛らしい果実をつけて風に揺られていた。そしてキャンプ場の小屋の屋根が見えると、そこらあたりには家族連れの子たちが賑やかに楽しそうだった。管理棟そばから酷道?R477に出て天ヶ岳へ向かうも、道はあたかも熱くなった鉄板の上を歩く感じがしてイヤになってしまった。それでも百井の配水池が過ぎれば天ヶ岳への分岐点につきホッとして吸水を繰り返した。

 この分岐から小一時間もかかるほどのんびり歩き、新林道で一帯は明るい山となっていた天ヶ岳だったが、やむなくここでお昼としよう・・。。半時間ほどの大休止としてから、今日は久しぶりに鞍馬へ降ろうかナ・・とチラッと考えたが、どのコース取りであっても無味乾燥の道ならば、やや短い寂光院道へ少しだけ戻って取りついた。
 短いといっても感じとしてはやっぱりこちらも長かった。それに岩場交じりの部分も多くあったり、おまけにシャクナゲ尾根分岐以降にも先の大雨の爪痕が何か所かあったりして歩き疲れた。でも、鹿除け柵以降での展望地から金毘羅山の右奥に蓑ノ裏ケ岳の姿が見られ、あの山もご無沙汰だなとしみじみとした感情が湧いてきた。
 すぐの翠黛山分岐で振り返れば天ヶ岳の頭が尖って見えたが、あの地でお昼としていた山頂があんなに尖っていたのかなぁ・・との気がしながら眺めるのであった。 

         
 天ヶ岳への分岐点    新たな林道も少しで天ヶ岳への分岐   新林道ありで天ヶ岳も日当たり多くなり
         
長い道のりの寂光院道を降ろう    シャクナゲ尾根分岐から後に展望地    終点鹿除柵手前にはコシアブラの蕾

 翠黛山分岐以降も足元に油断のならない状態の悪路が続き、最後の鹿除け柵あたりまでも昔よりどんどんコースが荒れ放題となっているのは仕方ないのだろうか。こんな悪路は今後は歩きたくないなぁ・・と思いながら、暑さで観光客の少なっている大原バス停着も14時にもなっていなかったが、人影もまばらな大原の観光地は珍しいナ・・、それにしても5時間にも満たない誰一人にも出会わなかった取り得のないハイクであったナ、と思いながら酷暑の中でバスを待つのであった。汗

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