京都北山 西尾根から愛宕・竜ケ岳 ’19.1.30 晴

 保津峡-西尾根-水尾分かれ-黒門-三角点-P811尾根-竜登口-竜ヶ岳-ジープ道-愛宕石段下小屋-西南脇道-水尾-保津峡

 今日は細川の八幡谷右岸尾根からの釣瓶岳を予定してたのだが、珍しく寝過ごしてしまい堅田からのバスには間に合わない。そのため京都駅から急遽愛宕へ方向転換とした。先週愛宕三山を踏めなかったためのリベンジ山行としよう。それなら保津峡からはやっぱり西尾根だ。

 今日は先週と違いやや雪は増えており、500mあたりから白くなってきていた。この道も今月三度目のためにもう感動はほとんどない。それにしても今日の天気で汗びっしょりだが、汗かきの身に堪えるが仕方ない。水尾分かれまで上がれば表参道やツツジ尾根を上がってきたハイカーとは容赦なく口をきかねばなるまい。

     
シキミがもう蕾膨らませていた     水尾参道に上がってきた

 水尾分かれから黒門を過ぎれば次第に雪はアイスバーンのようだが、これくらいであればまだまだアイゼンは取り出さないで進もう。やがて社務所前まで上がってきた。今回は後工程から神社までは止そうと石段下小屋の温度計を覗けば0℃ではないか。エ~汗かきでなくともこれなら汗びっしょりとなるはずである。

     
 杉の大木と黒門   この石段から神社へは失礼しよう

 中を覗けばや、あの姿は何度か出会ったM2さんではなかろうか。下を向いてアイゼンをつけておられる最中だったようだ。済んだようだから「失礼ですかMさんではないでしょうか・・?」と声をかけると、上を向かれたその顔は間違いなかった。「あっ、Tさん・・」しっかり覚えてもらってた。M2さんはこれより地蔵山をピストンされるようだ。ひとしきり近況を話した後は、ここで別れて先を急ぐこととした。

 予定どうりジープ道から地蔵辻より首無道にわずかに入り、すぐ左折して三角点地へショートカット道だが、トレースが消えており、これより多雪の始まりとなるようだ。三角点(11:25~35)からは武奈ケ岳の白く輝くのをチラッと眺めて下の平地へ降りれば、水尾分かれで出会ってた中年の女性がもう食事中だった。ここでアイゼンを付けながら話を伺うと、「いつもの友達に振られて今日は一人だから食後はワカン練習で遊び、また清滝へ表を降ります。」と可愛らしい顔と同じで行動も可愛らしい。

 わたしはアイゼンが整ったのでその場からいきなり、「ではお気をつけて・・」と声を出して東向きに谷へ向えば「エ~、そんなとこ下りてから首無地蔵へ行くんですか・・」と聞かれるために、「もちろん首無へも行けますが、今日はそちらへは行かずに、龍ノ小屋方面に尾根を歩くんです・・」と言って別れた。

     
 武奈ケ岳が左端に輝いて見え    三角点

 すぐで昔からの作業小屋がぽつんと建っているが、その前を直進していよいよマイナールートをスタートである。そして次のお目当ての竜ヶ岳が頭を持ち上げていたが、「う~ん、このような角度から竜の頭を眺める人はそうないハズ・・、してやったり!」と自己満足も甚だしい。


竜ヶ岳

 しかしながら足元のパウダースノーが出だしてきてアイゼン歩きは膝まで潜ってきた。北向きの一本道なのだから雪はどんどん深くなってくるようだ。そうはいっても高度はないに等しく歩けないこともなさそうだが、スノーシューに変えようと雪まみれになりながら交換だったが、これも雪遊びの一環で楽しからずやだ・・。

 それでも三角点から、かれこれ1時間ほどもかかって、ようやくのP811地点だった。う~ん、「前回のこの尾根歩きはいつだっただろう」と思いながら歩いていたので、帰宅後調べるも過去の資料が多すぎて見当たらない。無雪期であればより容易だったはずだが、さすがに積雪期は足元深く、方角読みもやや時間は必要だ。それぞれのピークからの次への降り口判断がいる山並みも若干あったりして、P811で食事時だったがやっぱり確実な場所まで進んでからとしよう。

 頂にはいつもの北山では名の知られるピークハンターさんの山名札があったが以前来た時には見なかった。前に見た山名札は↓右のものだったが、その時にもこの札をつけた方はきっと北アの西穂高岳にも登った方なのだろうと思ったことを思い浮かべていた。多分お二方ともに相当の岳人であろう。

     
 北山の標高点ではこの札がよく見られ    愛宕周辺の山とあり、「独標」の標示が山屋の印

 やっぱり、P811から次のピークの降り口が一番難敵だったが、しっかりコンパスで方角を読めばすぐにその尾根芯に乗れ、「これでこの先のやや危険な岩場の降りをやっつければ龍ノ小屋手前の竜登口でそこが食事処だ。」と心つぶやけば一遍に元気回復となった。

 その岩場の先端に着いてびっくりだった。「それはなんとキツイ下りなんだ。」と見えてしまった。ビビッていても仕方ない。すぐに腰を据えてシューからアイゼンにチェンジし、ストックも片づけよう。シューを担げばずっしりと肩に堪えたが、そんなこと考えていても始まらない。慎重に樹々の枝を取りながら竜登口に降りた。よし、と腕を覗けばとっくに1時をまわっておりすぐに食事(13:15~40)であったが、「ヤバイ!、時間が押してる・・」とガスは使わないで冷えきったオニギリで我慢だった。なんとか腹に詰め込んで、竜の東尾根だ。

 こちらの尾根も何年振りだろう・・?、雪のつく岩場がやや手ごわいが、休み休み登ればどうってことはない。と我慢の岩場交じりの急登をよじ登ろう。途中小ピークの岩場からすぐ北向きへトラバースするのが一般道だが、この岩場下を真っすぐ西へのまた急登をどうにかやっつける。
 しばらくでトラバースに合するとまたまたパウダーの山盛りとなっていたが、今度こそすぐに竜ケ岳山頂(14:30)に着いた。無雪期であれば半時間で登る距離なのに今日は50分もかかってた。時計を見て「もうアカン!、この後滝谷へ降りて登って反射板地から地蔵山のピストンをやっていたら下山が暗くなるだろう。」とあっさり地蔵を止めてしまった。


画像拡大=クリック!

 竜の頭は数えきれないほど踏んでいるので感動もない。写真を撮ればこの後はジープ道から神明峠への計画も変更して、一番短いルートの社務所前から西南脇道をくだることとしよう。勝手知ったる山なので山頂後はトレース泥棒を決め込むことで楽だ。とここで本日の山歩きは終わったも同然となってしまったが、それでも最後の展望地で地蔵山と竜ヶ岳の並ぶショットを最後としてジープ道だった。

 
展望地からの地蔵山と竜ヶ岳

 すぐで若い青年一人がこれから地蔵山にでも行くのだろうか、でもその後どうするのかな・・?、などと自分の計画の行動と比較しながら歩いていると社務所前に戻ってきた。小屋でちょっと一口飲んで西南脇道から水尾へ降りると、お年寄りが「上は雪があったじゃろう・・、よう降りてきんさったナ・・。」とねぎらいの言葉がうれしい。
 民家側の水場でストックやアイゼンを洗って後片づけを済ませ、これで後4Kほどの保津峡までの舗装路歩きだとボッチラと帰ることとしよう。外灯で照らされた保津峡駅(17:10~30)では濡れたものをしっかり着替えた。お陰で寒さ知らずに電車に乗れば上手く座れて船を漕ぐことができた。フゥ

 追記

 後日、調べたところ、P811南北尾根などを歩いた記録は次のとおりであった。’14.3.19岩ケ谷から愛宕山’16.4.20ミニ縦走の愛宕山’16.10.10雲心寺西平尾根、芦見谷東尾根からの愛宕山

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