志賀 南尾根から登る堂満岳 ’19.2.27 曇

志賀駅-中谷出合下-水場-865尾根-荒川峠-南比良峠-南尾根-堂満岳-東稜道-ノタノホリ-比良駅 

 今年の温暖化はことのほかいたたまれない。そんな中だが、雪もほとんど少なくなってしまっているだろうが、ようやく天気も何とかよさそうなために比良へと向かった。それにつけても今年の1~2月は天候も山日和は少なく、あっても野暮用あったりと山へ向う日々が都合よくいかなかったシーズンが残念だった。。

 さぁ、喜び勇んで一番電車で志賀駅(6:35)を歩き始めた。今日も荒川峠道を登るのだ。登山口まで50分も舗装路を歩いて中谷出合下である。そして大岩谷分岐よりその先で大岩下から湧出する水場までは登山口より半時間といつもより早くついた。もちろんだろう、雪はここまでは皆無なのだから・・。何を思ったのか、4日前の武奈ケ岳ですらアイゼンだけしか持たなかったのに、今日の背中にはスノーシューまで乗っていた。バカみたい・・笑

 それでも、水場から10分も歩けば雪が途切れることなく残ってきた。もっともこの雪には4日前日曜日のトレースがありしっかり締まって1mmも沈まないほど歩き易い。笑、これだけ簡単な歩きであるなら、このままずっとなだらかな植林帯を上がるのはもったいない。しからば4年前に牛コバから擂鉢より烏谷山を登って下りに865尾根を下ったことのある斜面を登ってみようと閃いた。

 もっともその前回の下り時は深雪で単独者が上がってきていたのを擦れ違い、都合よく処女道としてホイホイとトレース泥棒しただけで、まったく頭は使わないただ歩くだけの思い出だった。しかし、今回は逆にこちらが単で登りでありもちろんトレースはないために面白味は倍加した。勾配は予想に反して穏やかで、最初の600m直前のとりつきから半時間ほど登れば東側に琵琶湖が疎林より見下ろせた。

 
 そこそこ急だが明るくなれば琵琶湖輝く

 そしてP865が近くなってくれば、目指している堂満岳が雑木の間に出てきた。そのすぐ先に865ピークであった。そこは自然のままであり、周りには木々がうるさいほど立っていた。でも表示類やテープなど一切ない。そのようなことから落葉のこの時期ですらこれだから、普段は展望は利かないだろう。それでも印だけの一本を入れて喉を潤した。

     
 頂はまだかなと思う頃に樹間から堂満が    着いた、P865だったが眺望は苦しい

 ところがどうだ。進みだしてすぐに目の前が開けたのだ。その迫力ある目の前に現れたのはこれだった。↓ 東に釈迦岳を従えた堂満岳が目の前にあぐらをかいたように大きく座っていた。

 
 足元下は崩落地で目の前に堂満が凛々しい

 その堂満岳の東南側斜面をUPしてみるとこの姿であった。願わくば青空が欲しかったが贅沢はよそう。初めての865尾根からの大迫力の堂満の姿だ。やったゼ~・・。しびれるほど堂満顔を眺めてしばし佇んでいた~♪♪。

 
堂満岳の大迫力 中のクロっぽいのは樹木で左側が上る南尾根はたおやかに写るが・・ 

 飽きるほど堂満岳を眺めた後は、やっぱり右側が切れ落ちる稜線を15分ほど前進していくと荒川峠への入口だった。ここを左に降りて行けば荒川峠下の道標地だが、どうやら今後の我が歩くルートは、10本兄弟のミズナラノキや、あの荒川峠下の道標地は踏むことは少なくなろう。
 そして今後の烏谷山や堂満岳に登るにはこちらのルートに決まりのような心だった。もちろん、無雪期にもこのGWのシャクナゲ歩きとしてP865、荒川峠入口、堂満岳の「比良のシャクナゲ」をと、早くも5月の山歩きと花歩きの計画が出来、嬉しくなってこの後の歩きにも元気がまた出てきた。

 ↓左画像の荒川峠入口から荒川峠までは5~6分でつき、いよいよこの後は堂満岳南尾根を視野に入れつつ近づくことになる。最初は登ってきた865尾根を振り返りながら、あの尾根を初めて登ったのだなと感慨深く歩こう。ここは短すぎると思ってしまうが、その稜線漫歩が楽しくてこのような静かでのんびり雪山歩きがいつまでできるのだろうかと思いながらの歩きが極上の世界となる。

         
左にシャクナゲを見て荒川峠へ向かう    荒川峠は左右に縦走路続く地だが・・     峠北に稜線踏みつつ865尾根を見て

 もちろん、眼前の景色も極上である。堂満南尾根、右に琵琶湖奥の鈴鹿の山並みは見飽きている。左にふればコヤマノ岳たちが白い。いろいろな山並みを登るのは当然ながら、遠望もこれまた素晴らしい。三浦雄一郎さんの世界に名だたる豪快さが素晴らしい。だが、ちっぽけな自らの背の丈に合った山登りで充分すぎる大きな喜びがある。

     
振り返れば蓬莱山、烏谷山なども    琵琶湖の上には伊吹山が座り 
     
琵琶湖の上には打身山が    目の前には堂満南尾根が待っている 

 さぁ、稜線から一段下の斜面をツボ足で駆け下り、すぐに南比良峠(9:30~45)だった。腹減ったなぁ、時計は9時半、え~こんな時間か、と行動食にとカミさんが持たせてくれた「オヤキ」をほうり込もう。そしていつものスプライトが上手い。いよいよこれから登りになる。やっぱりツボ足では無理だろうとアイゼン装着だ。

 峠の道標すぐ左はいつもであれば雪の大岩のごとき状態になってそばは巻かれない時が多かったのだが、今日はさすがに右下に降りなくて済み、簡単に雪の右側が通過できた。だが、二つの地蔵さんは雪の中で見えない。さぁ、いよいよ南尾根の上りに取りかかろうとファイトだ。でもしっかり締まっている雪質はありがたい。4度目となるこの南尾根だがこれだけ急斜面を苦とは思えずに、峠より半時間もしないでいつもより上部のなだらか地で振り返って写真タイムとした。

 
南尾根上部から振り返る  打見山・蓬莱山に中央が烏谷山で稜線右端が摺鉢山 

 ↑写真と同じ位置から撮った↓865尾根の登りもなかなかのもんだった。どうだこの姿、いいもんだろう!・・

打見山手前の尾根は琵琶湖面に頭を上げるP865のピーク、手前に崩落地を持つ姿が猛々しい 

 上二枚の写真撮影地から上ればすぐ大岩が目につくと稜線で、もうその右へ堂満岳(1057m)の頂に到着だった。南比良峠から半時間たらずで登れたようだ。山頂は貸し切りの我が山であったのだが、眺望は絶品とはいかなかった。でもカラ岳と釈迦岳の間あたりの奥に白山が肉眼ではよ~く見えたのは四度目にして初めてのことだったから、今日の堂満南尾根登りは「よし!」としよう。

 
堂満から初の白山、左から大汝峰、御前峰と右に別山か、肉眼ではよく見えたが写真は辛い

 山頂はこの日曜日には賑わっていたのだろう。びっしりと踏み固められて山名札は当然隠れていた。すぐにレイヤリングで、シャクナゲの木陰で寒さを凌ぎ、なんとか昼食(10:10~11:00)にありついていた。食べ終われば四周を取り囲む山々を眺めまわそう。

       
 山頂より西北はコヤマノ岳 北東にはカラ岳から釈迦岳   琵琶湖奥は伊吹山や鈴鹿北部の山並み 南は打見山・蓬莱山 

 さて、いつまで山頂にいても猿の子一匹登ってこないようだ。さて、どこ降りようかな・・と思うと白山の遠望のために北東側に居たことからトレースも見ていたからだろう。でも知らぬうちに東稜道を見下ろしていた。どうやらこの日曜日に2~3人が下山したのだろうか。トレースがあるのでこれを拾いながらのんびり降りようと考え事しながら相変わらず急坂の踏み跡をのんきに踏んで降りていった。
 ところが150mも降りて急下りがいつまでも続き、緩やかにならないのはおかしいなと思ってきた。おや、やっぱりいつもの方角ではなさそうだ。とようやくそこでスマホを覗けば、やっぱり完全に正規筋道ではない。足元をよく見てもトレースはしっかりこの下方向へ続いており、北東への正面谷を目指しているらしい。どうやら正規の南東へのトレースもなかったことから、その人たちも間違えたのか、それとも正面谷へ当初からの計画だったのかそれは分からない。

 人のトレースのことはさておき、おっ、これはヤバイ、南へ振らねば・・と方行転換であった。ならば可能な限りトラバースして楽に本来の道へ修正することとしよう。でも、たまたま今回は雪質が締まって踏み抜きもほとんどなく、アイゼンでそのまま支障なかったからよかったものの、通常であればシューがなければアイゼンだけでは無理だっただろう。しかし、今日は偶然シューも持ってたので余裕で復活することができやれやれだった。それにしても、慣れた東稜道をよくもチョンボするかと笑ってしまったのだが、これは山をあまりに甘く見過ぎている証拠だろうと大きな反省となってしまった。

 堂満RP3の標識の後に尾根終端で直に右折するように細引きが貼ってあり、右折への案内らしくテープが自然を汚すがごとく散乱している箇所がある。そのすぐ下の南向きで雪はなくなろうと思ってアイゼンを外して、ゆっくりと慎重にノタノホリから別荘地へと下山した。その荒れた小屋群では珍しく大阪方面のナンバーのついた車で来た方だろう、一人で片づけをされるのを今回初めて見かけたが、この一帯の持ち主もさぞかしバブルでみじめな思いをされておられることだろうと、失敗した我が身のことは棚に上げて、その方の心情を思ってコンニチワとの挨拶だけで多くは語らずにその場を通り抜けた。

 比良駅にはバカみたいな早い下山時刻であった。これが笑っちゃう時刻だったのだ。「何時やネ・・?」、「それがね、13:15分だったんですよ。」「バカ目!、だったら、堂満の前に烏谷山に登るとかできなかったんかいな。もっと上手に山歩きの時間を使えよ・・。」「へ~すっまそん!」、爆笑

 結局、町内の暇してる井戸端会議の奥さん連中にまで「今日はえらく早いお帰りですね。そりゃ~たまには早く帰らんとチコちゃんに叱られるもんネ~」と大笑いで茶化されてしまった。シュン、涙

 なお、これまでの南尾根からの堂満岳は以下のとおり        ’14.2.23   ’15.2.21   ’18.2.19

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