比叡山に咲く花 ’19.4.13 晴のち曇

 今年の花暦はやや遅れ気味となったが、それでも早春の開花グループはそろそろ終盤となってきたようだ。まずはユキノシタ科ネコノメソウ属の仲間たちで、「シロバナネコノメソウ」からご覧いただこう。この花は近年では花粉色が同定ポイントとなって見分けやすくなっている・・?。それは白がシロバナネコノメソウで、黄色がハナネコノメとの区分点が喧しい・・。もっとも先だって北山で出会った現役の京大植物学生によれば、「この花の同定もなかなか容易ではなく、京都ではこの花を古くより『ハナネコノメ』と、今でも呼んでいる学者もあるくらいだ」との言葉をその花の前で聞いたのだが・・?

     
シロバナネコノメソウ
   

 次の「ボタンネコノメソウ」はまだ新しいが個体によっては『アカヒダボタン』との名でも呼ばれるようになっているが、その名で通るようになった山が伊吹山のアカヒダボタンは有名だろう。いずれにしてもネコノメソウ類はいろいろ新しい呼び名が発表されており、市販の図鑑でも情報が追いついていない現状らしい・・?。

     
ボタンネコノメソウ
   

 次に関西圏では極めて珍しいと勝手に思っている「イワボタン」である。わたしはこのネコノメの花に山梨県や静岡県等で出会っている。もちろん、京都のRDBカテゴリーでは準絶滅危惧種である。なお、ネコノメソウ属の仲間でネコノメソウ、タチネコノメソウにヤマネコノメソウはありふれている種のため割愛した。

   
 イワボタン
   

 次にキンポウゲ科シロカネソウ属の「トウゴクサバノオ」だが、こちらは例年より個体数が少なくなっていたようだが・・。もちろん、これも京都のRDBカテゴリーでは準絶滅危惧種である。

      
トウゴクサバノオ
   

 次はカタバミ科カタバミ属のエイザンカタバミである。こちらは普通ハイカーが言うミヤマカタバミで、どなたにでも知られていることは語るに及ばない。しかし、ミヤマカタバミの別名として比叡山ではエイザンカタバミとして知られるのだが、この名をそう知る方は多くはなさそうだ。。
 なお、このようにその地の名で親しまれているカタバミは他にもいろいろありそうだ。それはミヤマカタバミの変種のカントウミヤマカタバミは名のとうり関東の山には多くあり、東の山へ登れば、そのカタバミの名を知らないようでは関東人のハイカーでないことが分かってしまうほどだ。笑、もちろん、コミヤマカタバミの変種でもあるヒョウノセンカタバミもある。以上羅列したこれらは全てわたしは出会っており、それぞれ思い出深い「山と花」なのだ。

     
エイザンカタバミ
   

 台風の爪痕は土砂崩れ等方々に見られて惨い。植物たちも悲惨であるが、命途絶えることなくなんとか頑張って花開く復活を待ち望みたいものだ。今年こそ台風地震豪雨等災害のない年となってほしい・・。

         
ニシノオオタネツケバナ 花盛りの満開    バイカオウレン 長く咲いたがさすがに仕舞い   ヤマルリソウ 台風過で減少、やや終盤 

 樹木はこれからだが、さて、こちらの被害はどうだろうか。植林の大倒木で林床の小さな樹々も相当の被害がありそうだ。これから5月6月と樹々の花が待ち遠うしい~。

         
 イワナシの残り花   ニワトコの花も終わったよう~     イヌガヤも咲き終わりか

 ほとんど咲き終えたクスノキ科のアブラチャンにダンコウバイだが、さすがにこの時季ともなれば花も見るに堪えない姿となっている。

         
アブラチャンはムラダチとの別名通り株立ち   見難いが花柄がある方で区別しよう。花小ぶり    ダンコウバイ株別れせず一本立ちの姿多し  花はほとんど柄がない。こちら花もやや大ぶり

3/20イワボタン ホームヘ 5/26ヤブデマリ満開



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