キバナサバノオを求めて ’19.4.20 快晴

 めっきり暖かくなって、野山の植物たちも寒かった冬場を乗り越えてすっかり生気に満ち始める季節となってきた。今日は全国的に晴やかな日となりそうだ。4/20そう、今日は二十四節気のひとつの穀雨なのだ。雨こそ降らないが大快晴が期待されることを知って、この時季には珍しい『キバナサバノオ』を二年ぶりに出会ってこよう。

 この花は非常に珍しく、奥深い渓流の苔むす岩場にへばりつくように水しぶきのかかるようなところで咲き誇り、品のある色あいの薄緑がかる黄色い花を咲かせていた。この花はサバノオの仲間なのだが、とりわけ花径1~1.5cmとずっと大きく見栄えがし、草丈も20〜50cmほどの大型で見事であった。
 それに咲くところも自然厳しいところのためだろうか、環境省のRDBでも絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているほどである。それに自生しているのも岡山県、兵庫県、滋賀県に京都府の分布であり、極限られておりまったくの希少種である。RDBのページにもこの種が絶滅しないための『保全対策は生育場所を公開しない』とあるように、ネットを手掛けている方々はそのあたりを充分配慮したUPが必要でもあろう。

 今回訪ねた先も、2013年のあの18号大型台風時に登山道土砂崩れ等が発生したことにより、その後は通行止めとされている状態で、その後の復旧はほとんど手付かず状態となっているためにハイカーの入山はとたんに消えたも同然となっている。
 したがって、その地へ至る山道の現状はなかなか手ごわい山や谷の連続で、単に花が好きだから・・というくらいの甘い気持ちで向かえば、極めて危険極まりない雰囲気となっていることも承知し、安易なる入山は遠慮したいものである。もちろん、今回も人の姿など皆無であったがそれは当然だろう。

 
キバナサバノオ(キンポウゲ科シロカネソウ属) 
 
急斜面の岩場に
     
葉裏

 

 なんとかキバナサバノオに出会え心晴やかな気持ちで、後は荒れた登山道への野草そぞろ歩きとしたが、少なかった今年の積雪のためだろうか、山野草類の姿が極端に寂しい状態のようで、その点では実に残念至極であった。これまでから見ていた花々で今日見なかったものは次のようなものだったろうか。

 {スミレサイシン・ハグロシハイスミレ・山陰型タチツボスミレ・マルバコンロンソウ・ボタンネコノメソウ・ニッコウネコノメソウ ・イワウチワ}などはこれまでほとんど咲いていたものを見ていたが、今回はそれぞれの株だけでもの個体すら出会えなかった種である。

 それでもなんとか目についた咲いてた種はこれくらいだっただろうか・・

     
 トキワイカリソウ(メギ科イカリソウ属) シロバナニシキゴロモ(シソ科キランソウ属)  ヤマエンゴサク(ケシ科キケマン属)
     
 エンレイソウ(シュロソウ科エンレシソウ属) コチャルメルソウ(ユキノシタ科チャルメルソウ属)    タチネコノメソウ(ユキノシタ科ネコノメソウ属)

 さらに樹木の花もやはりまだまだで、開花状況はこれからのようだが、それでもシロモジも超満開で多数咲き誇っていた。こちらではユキグニミツバツツジが見られるかなと気にしながら歩いたが、残念ながらコバノミツバツツジばかりだった。またシロバナコバノミツバツツジがここだけで見られるのだが、花は完全に終わってしまってた。さらに、キンキマメザクラもさすがにほとんど終わったようで花びらがみな痛みかけていたのが残念だった。 

         
シロモジ(クスノキ科クロモジ属)     コバノミツバツツジに奥の白いのはタムシバ    キンキマメザクラ(バラ科サクラ属)

 日本海側分布のマルバマンサクの残り花が見られ、タムシバは今が盛りの満開が広がっていた。それにしてもカエデの仲間である比較的珍しい古木のアカイタヤが葉の展開すら始まっていなかった。

         
マルバマンサク(マンサク科マンサク属)    タムシバ(モクレン科モクレン属)     アカイタヤ(ムクロジ科カエデ属)

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