比良の小女郎谷花巡り ’19.4.28 晴のち曇

 行者山トンネル-サカ谷南尾根-ケルン地-蓬莱山-小女郎峠-小女郎谷-蓬莱駅

 平成最後の花巡りをやろうと蓬莱山へ登ってきた。10連休二日目の好天気に恵まれ蓬莱山頂は多くの観光客で賑わっていた。山頂で販売されているコーヒーを片手に琵琶湖を眺めているのだろう。でも、白銀の白山に気がつく方はそうなさそうだが、目を凝らせばよく見えていた。

 さて、今回の登りは坂下のサカ谷南尾根を行者山トンネル左側より取りついてみた。そして順調にP762を踏み、Ca1080あたりのケルン地へ登って小女郎ケ池越しに蓬莱山や武奈ケ岳などを眺めた後で、蓬莱山で大休止として山頂の賑わいの仲間入りとした。

 半時間ほどで本日のお目当てである小女郎峠から谷筋の花巡りとしたが、これだけの花時にやってきたのが久しぶりだったのか、こんなに花の谷歩き路だったのかと大感動となって、多くのハイカーすべてに置いていかれるデジ歩きとなった嬉しい花巡り山行だった。ただ、今回のページは花の種類多しのため羅列のみとしよう。

 しかし、そうはいっても本日の代表花等のみ大きく取り上げてみよう・・。ユキノシタ科ネコノメソウ属は左二種の個体数がめちゃくちゃ多かったのも、ここでは初めての出会いだった。でも、タチネコノメソウはほとんど目立たず、本家のネコノメソウは果実化が始まっていた。さすがにこの仲間たちはそろそろ終盤となってくることだろう・・

         
ボタンネコノメソウ    キンシベボタンネコノメソウ     タチネコノメソウ

 小女郎谷にはこの時季なら、比良の他の山なら満開のはずのイワウチワが咲かないようなのが残念だった。だが、その仲間のイワカガミは垂直の壁が大群落地となって地形的にも見事だが、その地は咲き初めとなってきてた。

         
イワウチワよりやや遅咲きのイワカガミはこれからどんどん満開となることだろう・・   

 では山野草たちから並べてみよう。

         
 ハグロシハイスミレ    ミヤマカタバミ    ヤマルリソウ
         
ミヤコアオイ    ニリンソウ    ヤマエンゴサク 
         
 モミジチャルメルソウ    ウワバミソウ   ウラシマソウ 
         
タチキランソウは上弁が2裂する    ミツバツチグリ   ワサビ 

 樹木は早春花のムシカリがただひとつ咲き初めとなって目立っていた。キブシやチドリノキは花から実になりかけている。

         
 唯一ムシカリが咲く    カエデのチドリノキが花終わリ    カヤの種子ができ
         
 カラスシキミの花は5月末頃から咲く    葉裏に主脈が隆起する   小低木で1m以下 
         
 落下してたアカシデの雄花    落下してたイヌシデの雄花   ツルアジサイの新葉は無臭 
         
花びらは振るえるようなニガイチゴ     もじゃもじゃに見えるマルバアオダモ   試験管ブラシに見えるウワミズザクラ 

 
 集落の屋根が見えだしたなと思う頃に「ケンケーン・ケ~ンケン」と山麓に響き渡る聞き慣れた声がする。「あの声はキジだ~」と急ぎ足で降り、放棄田の草むらの中に♂がうろうろしているのを見つけた。「あの鳴き声といい、その動きは近くに♀がいるのだな・・」とあたりを探すも♀の姿は気がつかなかったので、すぐに♂の写真を撮ってみよう。

 するとこちらの上後ろから♀が♂の上方に飛び立って草むらへ隠れてしまった。もちろん、♂は♀を追っかけるように急ぎ足で姿を消してしまった。どうやらツガイだろうか、恋の季節かナ・・?。キジは一夫多妻や乱婚は珍しくないと聞く。春になると真っ赤になった♂の肉だれが目立つのだ。その♂は草地を中心とした直径400mほどのなわばりをもつという。それに♂は一切子育ての手伝いはしないようだ。そうだ乱婚だもの自分の子とは限らないのだから子育てなどやってられないだろう・・(笑)

 今日も早春のもと、水しぶきをみせて流れる雪解け水の渓谷の細道を辿りながら、可愛らしい花々に出会えた。さらには野鳥たちの中でもとりわけよく響くさえずりを聞かせてくれるミソサザイの声を友に花巡りもできた。それに下山中最後にはラッキーなことに、きれいな羽を持つことで知られるキジにまで何年ぶりに出会えたが、メスを呼ぶ鳴き声のケンケ~ン!という呼び声は聞けなかったのが残念だった。でも、大いなる大満足の自然観察日和となってくれた。なお、↓の写真は一羽のキジを何度も撮ったもので、嬉しさ余って3枚もUPしてしまった。(笑)

     
このキジは♀のことばかりが気がかりなのか 、羽を扇状に広げて飾り羽根を見せてくれることはなかった。残念・・ 

 行者山トンネルから取りつき、サカ谷南尾根最高点(Ca1080)のケルン地から小女郎ケ池越しに蓬莱山や武奈ケ岳を眺めた。その後は本日の高み蓬莱山(1174.2m1等三角点)へ登って、まだまだ真っ白に染める白山連邦を眺めた。そして下りは本日一番のお目当てであった小女郎峠からの花の谷下りを主体で、トータル7時間もかけてのんびり花歩きとすることができたのである。

         
 行者山トンネル左側から登りスタート   名勝薬師滝     蓬莱山琵琶湖テラス、アーチ状デッキ

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