比良 オトワ池北西尾根から蓬莱山 ’19.5.12 曇

坊村-明王谷第4ヘアピンカーブ-北山-オトワ池-蓬莱北尾根-
森山岳-蓬莱山-ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-林道-蓬莱駅 

 天気も上々、山歩き日和となって比良のマイナールートの縦走を楽しみました。坊村より明王林道を20分ほど進み、第4ヘアピンカーブのイロハカエデ立つ地点を右に突っ込みます。このオトワ池北西尾根はなかなかの急登で登り堪えがあります。

 取りつきより半時間で山名札下がる北山へ上がりました。最近このP695の北山までは真新しいピンクテープがつけられています。さらに踏み跡もできてウロウロすることもなく辿れます。しかし、このうす暗いピーク以降はピンクテープはぱったり無くなって、当然トレースも薄くなりますが、尾根どうしを外さなければ急登だけを考えながら上を目指すこととなります。1000m近くになればバイケソウの新葉が広がっています。そのあたりはブナやミズナラの一帯となっていました。北向きの空いた樹林の間からは西南稜から武奈ケ岳がよく見えました。

         
オトワ池北西尾根取りつきイロハカエデ    北山は杉の植林地内     自然林の新緑眩しくバイケソウ群落も

 すぐで目の前には白滝山が見下ろしています。でも、あのピークは5/3に踏んでいますからパスして、直にオトワ池へ向かいます。この池をスタートに本日はお池巡りの始まりです。最初の①は一番水が多くてきれいです。すぐ右側には二つ目のカシラゴ池があったのですが、現在はすっかり水が消えてしまい写真もパスでした。
 その後左側には②の水があるためによく目につきます。そして一番大きな③でしたが、最近この長池も乾燥化が進んでいるのでしょうか。水が減少しその周りが小さくなっているようなのが残念です。以前はこの池は周回してハイカーが楽しんだものでしっかり道整備もなされていたのに、現在は周回ルートは消えたも同然です。もちろん、昔のハイカーはここまで楽しんだ後は音羽池に戻ってニシヤ谷へ降りたり、白滝山に登ったりのコース取りだったのです。

 ところが昨今は長池から南への蓬莱北尾根を歩きとおし、蓬莱山へ登り上げるコースどりとなっています。今日はこのルートを南へ踏むこととします。とはいえ、このルートの入山はまだまだそう多くはないために、トレースはそんなにあるとはいえず状態がほとんどです。何はともあれルートファインティングそのものです。

 ④の無名の池はやや美しさの点で目をそむけたくなりますのですぐに右へ進みます。でも、ここを左に進んで行けば、今度はほとんど水が見えなくなって落ち葉が渦高くなるほどの湿地帯がありますが、この湿地帯に踏みいれるのは危険であることを知っていて損にはなりません。笑  
 以前に初めてのグループで歩いた時に、1名が雑に踏み入れたことから脱出にみんなで苦労したことがあるからです。今回のお池巡りの最後であります⑤は小ぶりですが美しいです。とりわけ紅葉のシーズンは見事ではないでしょうか。秋には錦秋の光景とタフなルートの鉄塔道を合わせて巡りたいものです。

         
①オトワ池    ②スギヤ池     ③長池
         
 長池近くの関電鉄塔からルーファン    ④無名の池1   ⑤無名の池2

 お池巡りを終えて蓬莱北尾根の稜線歩きです。以前に見たモモイロキランソウを思い出しながら探しますが、今回は見逃したのか、それとも消えたのでしょうか。あったのはタチキランソウでした。そうだ目の上がCa1030のピークである。あそこより北の展望よしを思い出します。その時にザックをデポしたままカメラだけで頂に上がって撮ったのが↓中の写真でした。コヤマノを従えた武奈ケ岳でした。お~見事なり・・

 スマホをザックに入れたままで歩いていたために、後で軌跡には1030へ上がってないこととなっていましたが、悪しからずです。その後ものんきな一人旅は続きますが、やがて森山岳下の好展望台にやってきました。
 ここまでオトワ池より1Hもかかったようです。ところがお二人の先客がお昼のようでした。なんと奇遇にも以前から何度もご一緒した山の会のリーダーSさんとMさんのお二人が次の例会の下見にやってこられてたようです。

 しばらくぶりのために話が弾みました。一緒に食事の仲間にいれていただき、談話をしながら4~50分もいろいろな方たちの活躍ぶり等の花が咲きました。こちらも山の会退会以後はガイド業それからはソロの山歩きとスタイルが大きく変わって思い出も一入であり感動ものでした。山の会当時にはお互いに世話になったりしたりと、感謝に堪えないと述べて互いに反対側に向かうための方向となったのでした。

         
タチキランソウ     Ca1030からの武奈ケ岳   森山岳の好展望台より武奈眺望 

 お二人は鉄塔道方面の下見へ向かわれるそうでしたが、こちらは森山岳山頂を踏んで蓬莱山へ登り上げます。途中の登りで振り返れば、右下にスキー場のリフト乗場の滝平、そしてその上には武奈ケ岳初め、白滝山手前を先ほど歩いてきた蓬莱北尾根が長く伸びています。

         
森山岳の標示はミズナラの股へあり     蓬莱途中から振り返る武奈   森山岳より25分ほどで蓬莱山 

 蓬莱山は相変わらずの観光客がごった返しており、こちらが三角点そばで撮っていると「ずっと歩いてここまで登ってきたのですか凄いですね・・」とこちらがびっくりするほど、その方の驚かれるその声に逆にびっくりする始末でありました。こちらは登山は当然の思いであることから、人それぞれの行いの違いでこうも思うことが相違するのかと思ってしまいました。笑

 すぐに小女郎峠へ向けて出発としましょう。この後の下り道は静かな空間に戻りました。今日はお池巡りだったのですが、小女郎ケ池は数えきれない程見ているために、オトワ池や長池方面の池とはまったく気持ちは異なります。ということでこちらの小女郎ケ池はパスします。目指すはホッケ山でした。

 そうだ、先日この稜線歩きの中でフモトスミレが皆無だったのですが、今日は咲いているだろうと探しながら歩きました。しかし、やっと見つけてみたものの数えるほどしか目に入りませんでした。多分裏年かな・・と寂しく思いながらトボトボでした。

 
 裏年か少ないフモトスミレ

 蓬莱山頂から半時間でホッケ山に着けば3人グループの方が、360の眺望に大感動のようで大声が出ていました。かたわらには単の青年が蓬莱山や琵琶湖を目の前にして何思う感じで座っているのが目の入りました。

 こちらはこの後にはホッケ山の左の尾根でなく、右下のホッケ谷右岸尾根を見下ろしながら、「あ~、またあそこを下るのか・・」と声には出さずに心で呟くのでありました。

         
 ホッケ山   振り返ると大きな山体の蓬莱山     降るホッケ谷右岸尾根を見下ろし

 荒れた急坂を下ればすぐにムシカリが咲いていました。そうだ、今日はこの花のみの一人舞台だったのです。稜線においてはまだまだ樹木花の開花は時間がかかりそうです。右にカーブ地点がホッケ谷右岸尾根の取りつきとなります。
 すぐに斜面には名残りのイワウチワばかりが色あせながら咲き残っていました。白花じみて見えますが、これはアルビノで完全な白花を咲かすイワカガミのヤマイワカガミではありませんね。そうだ、そのヤマイワカガミは中部、東海地方に分布する種ですが思いだしました。その純白のヤマイワカガミは静岡の山々で見かけた花を脳裏に焼き付いていたのでした。

         
ムシカリばかりが稜線の花    ホッケ谷右岸尾根の取りつき    イワカガミの白花でもないが・・ 

 こちらの尾根上には上部だけにきれいな肌のブナに出会えますが、道より少し入れば相当の古木ブナにも出会えます。どうやらほとんどハイカーは踏み込んで見物には入っていないようです。
 こちらは2017年の台風の爪痕である上部の大倒木が発生し、’18年に登った時には古道がとても歩ける状態ではなくなっていたことから、止む無くトラバースしながらの斜面歩きから樹走路合流を目指したのです。
 その際に巡り合ったのが大木のブナだったのです。その登り時に踏み跡が無くなってしまい、どうにかヤブ状態の斜面を這い上った際に出会えた大ブナでした。またあの時に出会った大きなブナを見に行きたいナと後で思いだしたのでした。笑

         
まだそんなに太くないブナが道沿いに     P735下の上迷点入口   ジグザグ最後の9回目の入口 

 今回は縦走路からホッケ谷右岸尾根を下って林道に降りたったのは丁度1時間かかっていました。しかし、上部は大木の倒木が数えきれない箇所が多く、やや歩きにくいです。そしてその部分にも大きなイヌブナが枝の一部分が折れたのですが、幹は持ちこたえています。
 標高点P735以下の迷点区間は樹木が茂ってくる時期では、普段あまり歩いていないハイカーであれば、一層判然としない恐れ等、この道は次第に歩きづらくなっているといっても過言ではなさそうです。この道への入山は慎重でありたいですね。

 さて、大岩すぐ下が下山口で林道歩きには駅まで概ね1Hは要することになりそうです。私は植物観察しながらですから苦痛には感じません。今回は枯れ葉を紅葉後でも長く落とさないのが特徴のヤマコウバシですが、この時季の初夏になって落葉完了で、やっと新葉の展開が始まったようでした、
 それにヤブデマリの咲き初めにも出会えました。この花の特徴は花びら5枚の内1枚だけが極端に小さいのがポイントです。それに装飾花だけが美しいのではなく、花序の中心部は小さな両性花が沢山つき、雄しべは花冠から高くつき出ています。その両性花の一部までも開きかけているのが目に入りました。この可愛い部分に気がついたことも初見でしたので、今後はこの両性花を中心の観察としたく思います。

     
 ヤマコウバシの新葉がやわらかい    ヤブデマリが咲きだしました

 本日は坊村を8:50に歩き始めて、15時すぎに蓬莱駅着の6時間20分の歩きで、久しぶりの花歩きではなく、しっかり登山となりました。笑  

本日のトラックです。

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