セッコクの咲き初め '19.5.19 曇

 今回はギンランを探しに歩いてみようと思いつきました。ならば以前に見かけたあの場所へと出かけてきました。ところがいくら探し回ってもギンランが見当たりません。どうやら相当昔に目にしていたランの花はギンランではなく、キンランの思い違いのようでした。おまけにそのランの花も一輪のみと寂しくなっていたのでした。

 以前のうろ覚えの花は「ギンランでなく、キンランだったのか・・」と返す返すも残念でした。しかし、その後に歩き疲れて目に飛び込んできたのは『セッコク』の咲き初めに出会えたのでした。これで一遍に疲れも吹っ飛んでしまいました。希少種のセッコクは、これまでから5末から6月上旬あたりで咲くのだろうと思っていただけに、場所によっては開花時期もずれが相当あることも知りました。もちろん温暖化の影響大なるものもあるのでしょう。着生する場所も高木頭上ばかりでなく、岩上の小さな割れ目あたりにも着生することも教えてくれたのでした。もちろん、セッコクは京都府の絶滅危惧種でもあります。

         
まだまだドンドン咲いてきそうでした    瑞々しいセッコク(ラン科)が岩盤に咲き~    岩上や大木に着生する野生ランのよう 


 今回のキンランは今月中旬に他でも出会っていましたが、あたかもその四番のピンチヒッターがホームランを打ってくれたようなものでした。笑、わたしはギンランを過去には信州方面のあちこちの山でも見かけてはいますが、関西圏では見た覚えもないハズで、それにギンランの花そのものも、ここ3~4年の間では目にしたことはありません。京都府下では当然キンランとともに絶滅危惧種でもありますが、そのようなことから、探すのは並大抵のことではなさそうですが、気長に探索を続けたく思います。

 
 キンラン


 さて、その他の開花はみな見飽きたものがほとんどでしたが、並べてみましょう。

     
白花のオドリコソウ(シソ科)      アヤメ(アヤメ科)
     
 ヒメハギ(ヒメハギ科)  ジシバリ(キク科)、オオジシバリも見ましたが・・


 樹木もまだ咲いているものは数多くはなかったようです。でも、↓左画像のツクバネウツギ(スイカズラ科)の白花が初の出会いでした。しかし、調べるとこの種は白色、黄白色、ときに黄色、まれにピンク色の花を咲かせるようです。なお、この花は5個の同じ長さの萼片をつけるのがポイントです。といいますのは5個の萼片で1個だけが極端に小さい種がオオツクバネウツギと名が変わるからです。

         
白花のツクバネウツギがまばらに咲き~     コツクバネウツギの萼は2or3個つく   これが本来のツクバネウツギ密に満開 


 ブドウ科のサンカクヅルが咲いていました。この種の開花も比較的多くはなさそうです。なお、近縁種にアマヅルという種もあります。両方とも花も葉もよく似ていますが、特に葉での比較が分かりやすいでしょうか。まず、サンカクヅルの葉は突起と突起の間が低く凹んで谷状になりますが、アマヅルの葉は突起と突起の間が丸っぽく山状になる点で見分けることにより区別すれば分かりやすいでしょう。

 
  サンカクヅル(ブドウ科) 葉の突起間が谷状


 また、↓右画像はバラ科のカマツカですが、花だけで見ればややもすればアズキナシと見間違いし易いでしょうか。でも葉の姿は全然異なります。特にアズキナシの葉脈はきれいに並んで葉姿がとりわけ美しく見えます。その点カマツカの葉脈はアズキナシのまっすぐの姿ではなく、やや曲がり気味でだらしなく見えるように思うのはカマツカに対し申し訳ないでしょうか。笑

     
カマツカ(バラ科) 葉脈が曲がり気味   カマツカの葉Up 

 【お断り】
 最後になりましたが、本ページに登場した全ての種類の見られた場所等のお問合せは硬くお断りしますのでご承知おき願います。それはセッコク・キンランの希少種保全の観点からです。

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