比叡山に咲く花 ’19.6.6 晴のち曇

 やってきた比叡山には、この度はあの珍しき花も葉も目に入らなかったのです。どうしたのでしょうか、これはやっぱり盗掘しかありえないでしょう。人の心を良かれと誘うこのお山に出向く人たちが多いハズです。にもかかわらず、たまたま目に留まった名も知らぬ希少な花を、根っこから持ち帰る行為なんて考えられません・・。残念です~涙です。
 ハイカーは元より観光客も含めてすべての人たちはもちろん、野草類にも生命があります。花にとって大自然はそこで咲くのが一番の住処なのです。人様が持ち帰っても自然に比べ、猫の額ほどの庭ではその花は息苦しいことでしょう。とりわけ絶滅危惧種等の希少種ならば盗掘は犯罪であるとのことを知っていただき、是非とも心改めていただきたいものであります。

 のっけから目にしたくない文言を並べてしまいました。まことに心苦しいです。あまりに残念な行為に対しての野草達へのわたしの心でした。さぁ、気持ちを変えて木本類の開花を楽しむこととしましょう。まず最初は『ツツジ科のバイカツツジ』です。

 数あるツツジの仲間ですが、このバイカツツジは京都府下では出会ったことはありません。もちろん、植物層豊かなあの金剛山でも分布はなさそうです。しかし、関西圏では六甲山では昔に一株だけ出合った覚えはあるのですが、さて、昨今でも見られるのでしょうか。もちろん、わたしがよく歩く滋賀県の比良山系でも見かけた覚えはありません。要するに珍しきツツジではないでしょうか。

 図鑑によりますと、花弁は5個で花冠は直径2cmほどであり、雄しべは5個ですが、3本が長く2本は短いようです。葉は枝先に集まってつき、葉身は3~7cm、幅は1.5~2.5cmの楕円形または狭楕円形でふちには鈍い鋸歯があります。葉の表面は毛が散生し裏面は琥珀色です。葉の状態等バイカツツジについてはこちらからご覧ください。

 
 
 
 バイカツツジ(ツツジ科ツツジ属)
西日本型は紅紫色の斑点が環のように見え、東日本型は斑点が上の3枚のみにつきます
日本では糸魚川から静岡の中央構造線ともいわれるフォッサマグナの構造線を境に住分けています

 

 そして次は『マルバウツギ』です。そのマルバウツギはわたしは関西圏では金剛山以外では見た記憶がありませんでした。今回も歩きながら「この時季ウツギが沢山咲いているなぁ~、一枚だけでも撮っておこうか・・」と何の気なしにウツギをいい加減に撮ったのですが、帰ってからそのピンボケ写真を見てびっくりしたのです。その写真が私が滋賀県で初めて見たマルバウツギだったのです。もちろん、過去には信州や富士山周辺の山々では普通にマルバウツギは何度も見ていましたので珍しい感じはまったくないのですが、近場で出会った嬉しさいっぱいの花となりました。
 もちろん、いろいろな特徴があるのも忘れてはいません。①オレンジ色の花盤がどなたでも目につく以外にも、②花序すぐ下の葉だけは無柄で茎を抱き、③他のウツギの花糸は横から見ればいかり肩ですが、こちらマルバウツギの花糸は撫で肩です。④花は上向きに平開する等ですが、これらの特徴すら全く気にもせずに、ただウツギのことばかり考えていたものですから、そのウツギの写真1枚だけを取ろう・・だったのでした。バカですね~笑、涙

 
マルバウツギ(アジサイ科ウツギ属) 
 花弁が平開するので、オレンジ色の花盤が良く見えます・・

 そしてカキノハグサもようやく咲き初めのようでしたが、比叡山でも多く咲くコースではなかったために一株だけ見られただけでよしとしましょう。

 
 カキノハグサ(ヒメハギ科ヒメハギ属)
葉が柿の葉に似ることからの名、 関西圏では見られる山域は限られます

 他にもいろいろ観察しながらの歩きとなりました。

       
 マタタビ(マタタビ科)ツボミ  テイカカズラ(キョウチクトウ科)満開  ネジキ(ツツジ科)満開 ツクバネソウ(シュロソウ科)終盤 
       
 ニワトコ(レンプクソウ科)果実 クマシデ(カバノキ科)果実  ナガバノモミジイチゴ(バラ科)果実  大比叡(1等三角点848.1m) 

5/26ヤブデマリ満開 ホームヘ 6/13咲いたマツブサ







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