シロバナベニバナヤマシャクヤクの残花 ’19.6.12 曇
今回は遠路はるばる、珍しきマツブサ(京都府RDB準絶滅危惧種)が咲いているのではとのお目当てで出かけてきました。ところが全くのハズレとなってしまい泣きたいほどでした。しかし、別種のシロバナベニバナヤマシャクヤク(京都府RDB絶滅寸前種)の残花がいろいろ見られて有頂天でした。
シロバナベニバナヤマシャクヤクがまだ多数咲き残っていました~ | ||
以前のページでも書きましたが、本来のヤマシャクヤクとベニバナヤマシャヤク等(以下シロバナベニバナヤマシャクヤクを含む)との相違点等について、あくまでわたし的な感想を記してみます。なお、京都府によれば「今のところ、シカの忌避植物である」とのことで、例年の開花時期には咲き残ってはいますが、京都府では「指定希少野生生物」の位置づけでもあり、極めて大事に見守る必要があります。
1.開花時期がヤマシャクヤクの方がおよそ1ケ月早く咲き、今回見られたシロバナベニバナヤマシャクヤクは5月後半から6月上旬のころに咲くようです。
2.雌しべの先(柱頭)が写真のように渦を巻くように曲がるのがベニバナヤマシャクヤク等、外側に少し曲がるのがヤマシャクヤクの特徴と古い図鑑にはありますが、わたし的にはこの説はきわめて曖昧と感じています。
3.それに古い図鑑では、花柱の数で5個がベニバナヤマシャクヤク等で、3個がヤマシャクヤクとあったのですが、昨今では各々の数に幅が出る表記となっております。前者は2~7個、後者が2~5個とあるので、こちらの説も同定ポイントとしては絶対信じてよいものではなさそう・・?
4.葉の裏に毛があるのがベニバナヤマシャクヤクで、毛のないのをケナシベニバナヤマシャクヤクとしている府県もあるようです。ただ、一般的にヤマシャクヤクの葉裏は帯白色といわれ、シロバナベニバナヤマシャクヤクは京都府下でも葉裏に毛があるものと無いの両方があって、京都府ではベニバナヤマシャクヤク等について毛の有無は取り上げないとしている模様です。なお、わたし的にはよく行動する京都北山の山域では、少なくともシロバナベニバナヤマシャクヤクは圧倒的に毛無の方がほとんどのように思っています。
5.花冠の大きさはあくまでも見た目ではあるのですが、ベニバナヤマシャクヤク等の方がヤマシャクヤクより小ぶりで、全体の立ち姿もすらっと華奢な感じのする方がベニバナヤマシャクヤク等のように感じています。
次にアワブキが満開となっていました。これまでから登山道に落ちた葉を見るばかりで、アワブキの名の面白さを思いだして一人吹き出しながら歩くばかりでした。このように満開のアワブキの花に出会えたのも初めてでした。
こんなに美しい花だったのか、それにしても先の尖った独特の花姿がいいね・・と遠目ながらも感激でした~ |
はてさて、本日のお目当てであったマツブサ(マツブサ科マツブサ属)「京都府RDB準絶滅危惧種」とはどんな樹なのか・・?、とお思いの方もあろうかと思います。その葉などを貼ってみましょう。葉は無毛で厚いが触るとやわらかいです。この種は雌雄別株ですが、どうやらこちらの株は雄株のようですから、ウシブドウとも呼ばれるこの果実は何年たっても見られません。よってどっかで雌株を探すより仕方なさそうです。トホホ
なお、このマツブサの同属の仲間にはチョウセンゴミシという面白い名前の種もありますが、その分布は中部地方以北から北海道までで、残念ながら近畿地方以南では見られません。しかし、わたしは北海道、八ケ岳や富士山周辺等の山々で何度も花を見てはいました。ところが本家であるマツブサの花は福井県では過去に見ましたが、京滋ではまだ見ていません。要はわたしの京の近場でマツブサの開花状態に接したい訳であります。
葉は波状の浅い鋸歯、葉柄は葉身の半分以上 | 葉裏の葉脈がきれいに見える | 落葉つる性木本 左巻き ↑は左から右に伸びる |
さて、一般的なその他の花たち等をみましょう。
毛深いヤブムラサキの咲き初め | 左の葉ですが裏が特に毛深い | こちらはムラサキシキブのツボミ | ヤブ・・にくらべ、両面共無毛 | |||
大きなヤマボウシの総苞片が目立つ | 山はウツギで夏は来ぬ~♪ 笑 | ノブドウのツボミはまだ小さい | 枝先に2個並ぶ ツルアリドオシ |
若い果実たちや葉のいろいろをみましょう。
ジエビネの実は右直角につく | カマツカの果柄はいぼ状の皮目多し | クロモジの実は秋には黒色に熟す | ||
マタタビ 花時には枝先の葉が白色に | 葉柄ははじめ赤いのも特徴 | カラスシキミも冬緑樹で夏は葉落とし |