西山に咲く花 ’19,7,28 曇のち晴
台風6号のために予定変更となってしまいました。やむなく近場の植物観察としましょう。西山でもしばらく目にできなかった種が何とか復活してくれていました。嬉しいですね~。次のようなお花たちでした。
とりわけ、キキョウは環境省カテゴリーで絶滅危惧Ⅱ類(VU)であります。もちろん、京都府カテゴリーでも絶滅寸前種であります。この花は万葉集のなかで秋の七草と歌われている「朝貌の花」が本種であると言われているものらしいです。
日本全国でもこの花の野生種ではほとんどが見つからないのでは・・というほど超希少種のようです。したがって、観光地等の寺や神社等で花材として植えられ、みかけるものは野生ではなさそうです。もちろん、自然の山中のなかで見かけたとしても大抵は人の手によるものでありそうです。いずれにしても、野生品は稀少であることを知ったうえで、珍しい花であるために大事に見守りたいものです。
キキョウ(キキョウ科キキョウ属) |
続いて、ヒオウギですが、こちらも京都府カテゴリーは準絶滅危惧種で希少種であります。ウィキペディアによれば「花が美しいためしばしば栽培され、生花店でも販売される。関西地方中心に名古屋から広島にかけて、生け花の7月初旬の代表的な花材である。特に京都の祇園祭や大阪の天神祭では、床の間や軒先に飾る花として愛好されている」と、解説があります。
ヒオウギ(アヤメ科アヤメ属) |
次にヒメヤブランが咲いていました。この花は日当たりのよい草地や林下に、上を向いて花を7月から9月まで咲かせる多年草です。特に葉の幅が2~3mmであるのが分かります。葉の長さは10~20cmと言われます。仲間のヤブランと違い、特に葉の幅が極端に細いことが特徴でしょうか。なお、ヤブランの葉の幅は1cm前後あり、長さも30~60cmと大型ですが、花期は8~10月とヒメヤブランより遅めに咲くようです。
また、ヒメヤブランの花とほとんど同時期に咲くジャノヒゲの葉の幅も長さも同程度ですから、葉の点でなく、花姿などで見分けることとなるでしょう。ヒメヤブランの花色は大体が淡紫色ですが、ジャノヒゲの花色は概ね白色で咲きそうです。
ヒメヤブラン(キジカクシ科ヤブラン属) |
外来種であるヤブカンゾウと酷似するノカンゾウですが、こちらは八重咲きでなく一重咲きが大きな違いです。ノカンゾウは京都府カテゴリーで絶滅危惧種となっています。いずれにしても希少種ですから特別大事に見守りたいものです。
ノカンゾウ(ススキノ科ワスレグサ属) |
その他に咲いていたものや終わりかけ、ほぼ終わったもの、さらには秋花のツボミ類の草本類は次のような種でした。
シオデはこちらでは咲き初め | カワミドリは秋まで咲くでしょう | オニドコロもこれからでしょう | ||
ヒヨドリバナも咲き初め | ガガイモのツボミで開花はもう少し先 | ベニバナボロギクも昨今珍しい | ||
ウバユリは満開となり | イチヤクソウはこちらでは終わり | コクラン終わり、葉は常緑で冬を越す |
木本類は果実でしょう・・、でも熟すまでにはしばらくかかりそう~。さて、↓の中での果実類の今秋におけるお目当ては、やっぱりエビヅルが狙い目のようです!、でも、野鳥とのバトルだろうか・・笑
エビヅルの果実がびっしりとつき |
【お詫びして訂正です。8/14】 以下の理由からアマヅルではなく、ツタ(別名ナツヅタ)のようなため訂正させていただきます。なお、ナツヅタに対してフユヅタとも言われるキヅタもありますが、こちらはブドウ科ではなくウコギ科となります。
そして今度は、後日8/2に近所の古民家の塀上で見つけたアマヅルでなく、ツタでしたが、もちろんツタは甲子園でも見てはいましたが、ツタの果実は今回が初めての存在でした。こちらは自然の中で先に見ていたエビヅルよりは実のつき方がややまばらでした。近場ですから今後の推移を見守りたいと思います。そのツタの生態内容等については↓画像欄の最後をご覧願います。
ツタの果実は白っぽい粉がふく | この葉は大きな三裂葉、基部深いハート形 | 葉裏の脈上に少し毛があり |
ブドウの仲間のアマヅルのように 思ったのですが、どうやら以下の点 からツタのようです・・。 ツタの葉には2形あり、花のつく葉は 大きく、柄も長い。また、花のつかない 長枝の葉は小さく、柄も短いし、切れ 込みなしや3裂するものや、3小葉の ものもまじるようです。 実は薄甘いがのどがチカチカするよう ですから秋には試食してみましょう。 |
||
葉のふちには先が芒になる鋸歯 | 葉の全体の様子です |
今年咲くサネカズラの花を期待して開花を今か今かと待っているのですが、8月中旬には見られるのでしょうか。さて、とりわけの期待は、雄花だけが咲くのか、それとも雄花と両性花が一緒の株に咲いてくれるのか、この点でも期待しています。
サネカズラは6mmほどのツボミ | オトコヨウゾメの実 、押し葉は黒色に | ヤマコウバシの実は賑やかに |
ヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属)は葉がわずかな風にも揺れて、サラサラと、あるいはザワザワと鳴ることから名がついたとも謂われていますが、わたしは風の吹いてる頃に近くを通ったことはありませんので、葉の鳴りようは知りません。でも、早春の頃に咲く花は目にした覚えはあります。
しかし、こちらのヤマナラシが立つ場所には、樹々がいろいろありすぎてよくはわからないのですが、ヤマナラシの結構本数が10本くらいは充分ありそうです。これまでは3月後半頃にこのような里山に上がってくることは、まずありませんでした。しかし、これから先にはいよいよやってくる年代となるのでしょうか・・。やっぱり見事なほどの開花シーンを目にしたいものであります。でも最近、実生で育っている小枝には、こちらへ役目を満たしてくれる対象ではなさそうです・・。笑
実生から60cm育ったヤマナラシの葉 | ヤマナラシの成木15m以上あり |
さて、最後になりましたが、本日出会った蝶ですが、撮らせてくれた二頭について見てみましょう。画像クリックで拡大画像がご覧願えます。