ポンポン山に咲く花 ’19.9.2 曇のち晴

 もう秋ですね~・・。でもまだまだ暑さは続きそうです。とはいえ、一時の猛暑日の日々の暑さは峠を越したようで、次第に夜も凌ぎやすくなりました。自然の植物たちもしっかりそのあたりを読み取っているいるようです。今回は大きな葉を広げることで知られるオタカラコウが咲き初めとなってきたようでした。

 この種はメタカラコウ属ですが、この仲間にはメタカラコウ、オタカラコウに始まって、マルバダケブキ、ハンカイソウ、トウゲブキにカイタカラコウといろいろの山々で分布しています。わたしはこれらの種の観察は終わっていますが、特に信州方面の亜高山帯の山々の登山中における黄色い種々の思い出が懐かしいです。

 とりわけ、オタカラコウについてはあの田中澄江さんが、花の百名山でも述べていますよね・・。それは愛宕山でオタカラコウの咲くのが見たい!とのことで、1980年までに愛宕山へも登られたそうです。でも、昨今ではオタカラコウは裏愛宕ではちらほら咲いていたのは見たことがありますが、最近はどうでしょうか、害獣はやっぱり鹿ですかね・・。表側の 愛宕山ではほとんど見られないようです。
 もちろん仲間の中では、マルバダケブキだけがまだ鹿の忌避植物のようですが、その他の種は鹿除け柵内でしか生き残れないようです。ただ、関西圏の山域でも、こちらのポンポン山では保護柵のお蔭でオタカラコウは鹿の食害に遭っていないです。そのような所は伊吹山のメタカラコウですが、そちらも保護柵によって近年復活のきざしのようです。同じような地は他にもあることでしょう。要するに鹿の頭数やその他の植物の種類や数量等いろいろな条件の違いで絶滅、あるいは自然のままでまだ生き残っている等の相違があるようです。また、メタカラコウ属では同じ場所では一種づつしか咲かないようです。

 
オタカラコウ(キク科メタカラコウ属) 

 オトコエシがこちらの山域では鹿除け柵内でどうにか咲いていました。

 
 オトコエシ(スイカズラ科オミナシ属)

 サネカズラの花もそろそろ満開となってきましたが、こちらは樹木花ですから鹿達には気づかれていないようです。11月ころには直径2~3cmの真っ赤な球形の果実がハイカーの目に入ることでしょう・・。

 
 サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属)

 早春の新芽時にはタラノメをと・・、いち早くその地へ採れる旬の時期として出向くのを毎年の登山行事としている左党のハイカーも多いことでしょう。そうです、このタラノメは早春の春を告げる山菜の王様といっても過言ではないでしょうか。なお、こちらのタラノキは立派な3m近く成長していますから、木の芽時でも到底手にはおえませんからよからぬことは考えないでくださいネ・・。笑い

 
タラノキ(ウコギ科タラノキ属) 

 さて、山野草でも昨今ではこのガガイモはどこにでも咲く花ではないでしょう。どうか、このガガイモに出会った時には希少な種であることを知っていただき、安易に持ち帰る等の採取は厳禁です。大事に見守りましょう。

         
野に咲き、あたりの他物につるんで伸びる     ガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属)   花は5裂の星形、 内側に毛が密生する

 オミナエシやオトコエシは普通に見られる花なのですが、オトコオミナエシは個体数がそんなに多くはないようで限られているようです。園芸等のために持ち替える等のないように願いたいものです。

         
集散花序、花は黄ときに白色が混じる     オトコオミナエシ(スイカズラ科オミナエシ属)   葉が羽状または掌状に中~全裂する 

 草本類です。晩夏の残花から秋花への頃でしょうか。いよいよ暑さもやや落ち着いてきて、秋の花々が咲き初めとなり、嬉しく楽しい時季の9月がやってきました。

         
 残花のキツネノカミソリ    柵内で守られヤマゼリ咲き   モミジガサは害獣柵内で個体数ふえ
         
これも鹿から守られオトコエシ咲き    ノアズキ翼弁は竜骨弁上部を被らず   ヤブツルアズキ翼弁は竜骨弁を被ぶり 
         
 ガマの雌花穂がガマの穂となり    ツチアケビはバナナ形の奇妙な実    鹿柵で保護地にマルミノヤマゴボウ

 晩夏のリョウブも終わり、いよいよそれらのアンカーのノリウツギの開花も終了のようです。木本類は果実類の世界となってきたのですね。花時はもちろんですが、樹木といえば果実類の観察は実に楽しいい限りで、若き緑色一色だった果実色ですが、これからは千紫万紅のごとく彩り豊かな自然空間を展開してくれるのですから、植物好きには堪らない時なのです。。

 ところで、今年の山歩きの中でサルナシに出会った覚えはありませんでした。ところが、本日はようやくその果実を見ることができたのでした。今回一番の喜びとなりました。この箇所は今年の花時も歩いていたのですが、やや離れたところだったために花はマタタビだと思い込みでしっかり雄しべの違い等まで確認していなかったのでした。
 サルナシとの確認せずに、「今年はサルナシは裏年だろうか・・?」と済ませていたのでした。↓画像のようにその一帯には、まだ成長中なのかやや小さめの実がじゅづなりでぶら下がっていたのを見つけた時にはなんと「やったぜ、サルナシやないか!~」と飛び上がらんばかりの歓喜でした。


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ノリウツギの花が裏向きは終わりの印    バイカウツギの果実は珍しい*1    サネカズラの若い果実*2 
         
 ナナカマドの実、9~10月に赤色に熟す   クロソヨゴ名は木肌がソヨゴより黒い3    カマツカはやや遅く10~11月に赤熟
         
クロモジは9~10月に黒色に熟す    タンナサワフタギの実は…*4    シロダモの実は・・*5 
         
 マンサクの果実・・*6    イソノキの果実・・*7    ゴマギの果実・・*8
         
エビヅルの果実・・*9     この時季、実つきのコナラが・・*10   ポンポン山、アベノハルカスが見えた 

 主たる種の果実についての概略説明です。

 *  種名  科名  特徴等 *   種名  科名  特徴等
1  バイカウツギ  アジサイ科 蒴果、9~10月に熟し4裂し種子を多数出す   2 サネカズラ  マツブサ科 集合果、11月に赤く熟し、直径2~3cmの球形
3  クロソヨゴ  モチノキ科  核果、直径約7mmの球形、9~10月赤熟 4  タンナサワフタギ  ハイノキ科  核果、卵形長さ6~7mm、9~10月に藍黒色熟
 5 シロダモ  クスノキ科  液果、長さ1.2~1.5cmの楕円形、
翌年10~11月赤熟 
6  マンサク マンサク科  蒴果、直径約1cmの卵状球形で表面短毛密生、
熟すと2裂し2個種子出し、種は黒光りの7~9mm 
 7 イソノキ クロウメモドキ科  核果、直径約6mmの倒卵状球形、
赤~黒熟 
 8 ゴマギ レンプクソウ科  核果、長さ8~10mmの楕円形、8~10月に赤く
なり、やがて黒く熟して落ちる 
 9 エビヅル  ブドウ科  液果、直径6mmほどの球形で黒熟、美味  10  コナラの枝先がチョッキリされ落花  ハイイロチョッキリというゾウムシの仲間が、暑い
時季にコナラの枝先をチョッキリ切り落とす森の
不思議現象で、虫と樹々との知恵比べのようです

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