愛宕山のヒグラシノ滝 ’19.9.24 曇

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 今回は久しぶりに一般コースの大杉谷からピストンの『ヒグラシノ滝』へ入ってみました。この方法はわたしにとっては10年ぶりくらいでしょうか。超久しぶりのコース取りでしたが、でも、結構踏み跡はついており、4分ほどで上の方から滝が目に飛び込んできたのです。そしてすぐに滝つぼでした。「なんだ~ヒグラシノ滝は、誰でも簡単に見られる滝やないか・・」と着いてすぐの感じでした。
 それというのも、これまでやっていた大杉谷左岸コースからのこの滝を見るのには、相当の苦労をしてようやくの滝見物となるのでしたから、大杉谷一般コースからのピストン滝見物には「なんだ、少しも面白味がないやないの・・?、思ってたよりがっかり!」と思えたのでした。
 でも、しばらく写真を撮りながら、目にする穏やかな落ち水の情景は、我が心にも穏やかな心情にゆっくり変えているような、気がしているのにハッと我に返るのでした。「よかったなぁ~、今日こちらの滝へ寄り道して~!」との気持ちを友にして、しばらく大自然の空間の中に身をおいた喜びでした。それからようやく、久しぶりの大杉谷コースからの滝を後にするほどでした。

 さて、その滝見物、それは、このヒグラシノ滝へは近年では大杉谷左岸コースからばかりでの見物でした。忘れもしないその日の強風の恐怖、わたしの家にとっては、昨年’18.9.4の台風21号は最強暴風台風だったのです。被害は自宅の大屋根ばかりでなく、その台風によって大杉谷左岸道のコース全体が大きな被害を受けてしまいました。それ以来コース事態への進入がOUT状態となってしまったのは誠に残念でした。

 その台風以降の様子は本年の元旦にそのコース探索に入山したのですが、猛烈なる倒木や土砂崩れの連続で大変な目に遭ったのでした。最もその多くの倒木等の写真は通過するだけが精いっぱいの状態でしたから、写真撮る余裕等はまったくありませんでした。
 被害写真のないレポですが、よろしければその日の様子をこちらからご覧下さい。元旦のその日以来、今までは入山していませんので、最近の様子は計り知れません。しかし、1年も過ぎましたから、大倒木となった杉や檜の枝葉も枯れていることでしょうから、元旦時よりは相当歩きの大変さが減少しているハズです。
 もちろん、一般コースの登山道のようにこちらの左岸道は整備する人は皆無です。でも、そろそろその被害の残害状況を見に入って見ようかナ・・と気が向けば年内にでも歩いてみよう・・という思いの歩きとなりました。さてどうなりますことやら・・?

 
今日も穏やかに水を落とすヒグラシノ滝 

 それでは、本来の植物観察にうつりましょう。さすがに愛宕山では目に留まる花など皆無状態となっていました。無理やり探し回る状態でした。笑、トホホ

 さて、これまでからバラ科の「オオウラジロノキ」は愛宕山塊ではこちらだけでしか見ていません。もちろん北山や他の山塊でも方々で見かけてはいますが、愛宕山ではここだけであることから、わたしにとっては極めて希少であります。ところが最近どうしたことか枝が枯れ始め、次第に元気な枝がだんだん見られなくなってきたようです。
 過去にも一時的に枝が枯れることはあったのですが、元気に回復してくれました。でも、今年の枯れる状態はひどい状態となってきています。どうやらその命は短いのではないでしょうか。長年楽しませていただいた樹木なのですが、非常に悲しい限りです。なんとか頑張って生き抜いてもらいたいものです・・。

 
枯れ枝目立ち心配なオオウラジロノキ 

 続いて、古木過ぎて、ツゲ(ツゲ科)なのかイヌツゲ(モチノキ科)なのかどちらかハッキリしない樹木の再調査もしてみました。今回は葉が互生ならイヌツゲ、対生であればツゲとの点を中心の調査でした。ジックリと葉のつき方を鵜の目鷹の目で睨みつけました。もちろんルーペ使用でした。やっぱり、両方ありましたが、その対比は互生のほうが多そうでした。↓画像左が葉表ですが、こちらの画像では互生・対生は判別し辛いとはいえ、対生っポイい感じです。あ、↓右端画像は別の枝の葉裏です。こちらでは互生に見やすい枝でした。
 ただ、↓中画像のように、中心部分の枝にはほとんど葉が付いていません。これは愛宕山に戦前にできたスキー場当時から90年くらいそのまま生きてきたものと思われますので、相当の古木となっています。よって老木では若木と違い、イヌツゲ・ツゲの本来の違いがハッキリしなくなっているのではないでしょうか。
 互生・対生以外に葉のふちのギザギザ、すなわち鋸歯の部分についてもチェックしました。この点ではほとんど低くではありましたが、1mm以下の短い棘の鋸歯が見られました。よって、葉のつき方で互生の方が対生より多そうであり、鋸歯は比較的多く見られることから『イヌツゲ』と判断いたしました。

 もっとも、これ以外の同定根拠方法では花の開花時期の違いでの同定があります。この点ではイヌツゲの花は雌雄別株で、6~7月が開花期間で、ツゲは雌雄同種であり、3~4月に咲くようですから、来年調査してみようと思います。

 さらに、花が咲けば果実がつくはずですが、一般的には雌株のイヌツゲの実は10月ころに黒熟します。でも、割りあい数多くつけますから若い緑色の時点で果実が目につきます。しかし、こちらの枝にはこれまでから果実はまったく見られない状態でした。実際のところ、9月下旬にも緑色の果実が少しですがついていたハズですが、その時点では見つけることができなかったようで、10月23日に再訪し黒く熟した果実を発見し、この大木はイヌツゲであることが判明しました。
 それに対し、ツゲの実は雌雄同種であり、果実はどのツゲの木にもつくハズですが、なぜか、わたしのいつも観察している別箇所のツゲの木には3月下旬ころには花が咲き、5月下旬ころの若い果実は見てるのですが、熟すころの実殻は見たことはありません。来年の花と果実のころにも再度あたってみようと思います。

 しかし、愛宕山のその木は、本日最初の観察でイヌツゲと考えましたから、果実をこの木についているのは見たことがないために、イヌツゲの雄株だと同定しました。でも、念のためにイヌツゲとしての開花時期や花の様子等や果実の様子なども来年には再調査を考えます。

         
葉表、この枝では互生・対生では対生か    スキー場の老木のイヌツゲの雄株か・・?    葉裏、この枝では互生・対生では互生か 

 続いて、今年初めて果実のついたクスノキ科の『カナクギノキ』がありましたので、この木をみましょう。

         
クロモジ属の実は黒く熟すのが多い
葉は6~15、巾2~4cmで細長くふち全縁    樹皮が鹿の子模様からが名の謂れ    果実は仲間では赤色に熟すのが特色 

 その他に見かけた果実たちは次のような種でした。

         
 黒く完熟のタンナサワフタギ    来月には黄色に熟すカラタチの実   ウバユリもしっかり実が成長見せて 
         
葉の長さ19cmにもなるヒロハゴマギ     こちらのイケマの果実はまだ貧弱    サワオトギリも若い果実化始まり
         
    外花被片下部の蜜、ヤマジノホトトギス     

 歩いた地点等

         
愛宕神社 15℃と涼しくて・・     昔のスキー場、開拓者胸像跡地   愛宕山三角点、ガスで遠望きかず~ 

8/26ツルリンドウ ホームヘ 10/23ウラジロノキ





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