西山山麓に咲く花 ’19.9.26 くもり

 いよいよ秋花のシーズンへとなりました。しかし、開花する花たちの景色は何故か寂しさを感じさせるような気持ちと、どうして思わせるのでしょうか・・。さて、最初に目に飛び込んできたのは、群れ咲くサワヒヨドリ、そして重たげな頭花を眺めていると、2裂した長い花柱がのびだしています。でもそんなに明るく賑やかさは感じられません。ひとり静かにこの群落と対峙していると、やっぱり「もう秋なんだ~」としんみりしていました・・。

 
 サワヒヨドリ(キク科フジバカマ属) ヒヨドリバナより整然と並んで咲く

 マメ科についてご覧いただきましょう。まずは自然観察会等では特に面白く話を聞いていただける、①タンキリマメと②トキリマメの二種からです。西山ではこの二種が仲良く揃って咲く地はわたしは知りません。今のところ、別々のところでしか見ていないのです。よって①↓左は9/8に観察したタンキリマメの花の画像です。その時点では豆果はまだ生まれたばかりでしたが、↓右10/2には豆はすこし大きく成長していましたが、次の段のトキリマメのような暗赤色になっているものはまだありませんでした。

     
①タンキリマメの花はトキリマメと違い少ない9/8     タンキリマメの葉は上の方が幅広と若い実10/2

 一方↓画像は本日の②トキリマメの若い実と果実が裂開したばかりの状態の実の様子です。もちろん、こちらの開花は完全に終了でした。①②ともに10月下旬ころより↓右画像の状態からさらに裂開し、完全に開ききれば、右左に離れて黒光りした果実風景が楽しめることとなります。

 ②の葉は葉先が特に尖るのが大きな特徴です。この二種は花や実での同定はほとんど困難といっても過言ではないでしょう・・。でも、葉を見れば一目瞭然ではないでしょうか。もっとも来月後半では葉はほとんど枯れ落ちてしまい、その頃になりますと、今度は黒光りする2個の果実がそれなりの風があっても落ちずに揺れるのが見られるはずです。昨年暮れのトキリマメの裂開する黒豆がこちらから見られます。

 どうぞ、山へ紅葉狩りのお帰り時の頃に山麓まで下山されましたら、垣根やフェンス沿いにつるんでいるツルが目に入れば、↓右画像の暗赤色の豆が平行に開き、豆の殻その左右から2個の黒光りの豆がぶら下がっている姿を是非見つけてみてください。その節には「こんな豆姿を見つけたヨ!」と写メールいただけると嬉しいです・・。笑
 なお、この豆は年が明けても1月から2月ころまで長い間に渡って見られることでしょう・・。

     
②トキリマメの葉先は尖り、若い果実できたばかり    左とは別個体の裂開が始まった果実もあり 

 続いてその他のマメ科の花です。

       
ヤブマメの花は白と紫のツートンカラーが独特   ノササゲは果実の紫色が特に美しい ヤブツルアズキの実を改良して小豆となった  アレチヌスビトハギはひょうきんな花 

 野に山にいろいろな種の花々が見られる今は秋で~す・・。楽しみましょう!・・

         
 アメリカセンダングサ(キク科)    コセンダングサ(キク科)   オオオナモミ(キク科) 
         
 マメアサガオ(ヒルガオ科)*1   マルバルコウ(ヒルガオ科)     ジュズダマ(イネ科)
         
 スズメウリの花と実(ウリ科)    ツリフネソウ(ツリフネソウ科)   ヒヨドリバナは無節操な感じの花姿 
         
 ツリガネニンジン(キキョウ科)   ヒガンバナ(ヒガンバナ科)     ノダケ(セリ科)
         
イボクサ(ツユクサ科)     ヒメジソ(シソ科)*2   オオカナダモ(トチカガミ科) 
         
シロバナサクラタデ(タデ科)  ミツバフウロ(フウロソウ科)   カラスウリ(ウリ科)     
         
 アカバナユウゲショウ(アカバナ科)   ガガイモ(キョウチクトウ科)    コクラン(ラン科) 

*1 マメアサガオは直径1.5cmほどの淡紫色から白色の花を1〜2個つけます。なお、よく似たホシアサガオの大きさはマメアサガオとほぼ同じくらいの小さな花ですが、花が直径1.5cmほどの淡紅色で星型に見え、花の中心部が濃色になり、花を数個固めてつけるのが特徴と説明があるのですが、西山では昔は見た覚えはありますが、近年は出会えなくなったようです。

*2 ヒメジソはシソ科イヌコウジュ属ですが、そのイヌコウジュとは極、見極めが容易ではない種でしょうか・・。わたし的には葉の鋸歯が6個以下4個がヒメジソ、また6個以上13個がイヌコウジュと簡単に見分けているようにしています。ただし、6個の個体が多いように見受けられ、その時にさて、どちら・・?となって大いに悩んでいます・・。結局、最後は葉の鋸歯の見た目が、粗く6個以下がヒメジソだろう・・。そして鋸歯が低く、そんなに粗く見えない6個以上のものをイヌコウジュと判断しています。これら以外では決定的な同定ポイントが見いだせないままの状態です・・。笑い

         
 フジバカマ(キク科)    オミナエシ(オミナエシ科)   タムラソウ(キク科) 
         
ヒメアカタテハ♀    ツマグロヒョウモン♂    傷だらけのツマグロヒョウモン♀ 

 今回は見慣れない果実の樹木を発見しました。帰宅後画像の果実を中心に手持ち図鑑の総めくり方法で当たってみたのですが、どうしても今回の珍しい果実らしき画像が図鑑からも見つけ出せません。やむなくネットでその名を教えていただいて驚きました。それは何と・・普段からふつうに見られる「ガマズミ」の果実だったのです。その果実へ虫のガマズミミケフシタマバエの寄生による「ガマズミミケフシ」という虫こぶだったのです。

         
短毛に覆われ 「ガマズミミケフシ」の虫こぶ   ガマズミ(レンプクソウ科)の葉の様子    ガマズミの葉は対生です。これは葉裏 

 その他の木本類ではキンモクセイが早くもツボミ膨らむ状態であたりはほのかに良い香りが匂っていました。花はさすがにこれ以外には見当たりません。他は果実ばかりでしたが、果実の成長度合いが色々あってそれなりに楽しむことができました。

         
キンモクセイ(モクセイ科)    コバノガマズミ(レンプクソウ科)     アクシバ(ツツジ科)
         
 サネカズラ(マツブサ科)   シキミ(マツブサ科)     ヤマコウバシ(クスノキ科)

9/19シラヤマギク ホームヘ 10/2カリガネソウ






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