ポンポン山に咲く花 ’19.10.10 晴のち曇

 大型の台風19号が心配されるのですが、10日はまだ影響はなさそうで、やっぱり花巡りとしようと出かけました。今年はまだ見ていないジャコウソウのお目当てとしたのですが、案の定、向かうのが遅すぎました。あの大型の独特のよく目立つ萼ばかりが多数あって、肝心の花びらは数えるほどの残花だったのが残念でした。

 
ジャコウソウ(シソ科ジャコウソウ属) 

 シラヤマギクも少しばかり咲いていました。こちらの花期は8〜10月までと長いのですが、ノコンギクあたりとは違って個体数がそんなに多くありません。こちらでもノコンギクは咲いていましたが、群れ咲くノコンギクには食傷気味でレンズも向かいません。でも、シラヤマギクに出合えばいつも撮ってしまいす。笑

 
シラヤマギク(キク科シオン属) 

 こちらの山域では昨年京都新聞発表(’18.4.11夕刊)されました、「4倍体のトリカブトは全国初の貴重種」であり、これまで見つけられていた染色体数が16本ではなく、染色体数がその倍の32本の4倍体トリカブトもチェックに行きました。ところが、今年はなぜか昨年ほどの数は咲いていませんでした。それに特徴であるムカゴもほとんど姿が見つけられませんでした。なお、もう少し詳しい昨年の記事等はこちらからご覧ください。 

 できれば、このトリカブトにも京都北山一帯で広く分布する「キタヤマブシ」ではなく、新たな名前がほしいところです。わたし的にはこの山域に分布するネコノメソウの仲間である「ヤマシロネコノメ」とあり、その名も近年はメジャー化していることから、ずばり、『ヤマシロトリカブト』と名づけて頂き、染色体数が16本で2倍体トリカブトである「ジョウシュウトリカブト」との染色体数が異なる区別化としていただけたら嬉しいです・・。笑い

     
染色体数が32本の4倍体トリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)    トリカブトにつくムカゴは希少 

 もう一つのお目当てであるジンジソウですが、今年は相当遅れているようで、まだまだツボミ状態だったのが残念でした。そして、アケボノソウも一株だけと寂しく、まだまだ咲き初めでこれからのようです。そして、今年の喜ばしきことは、例年と異なり、ツチアケビがほとんど鹿の食害に出会わず、果実の状態がいつまでも見られたことでした。なお、他に目についた花々たちは以下のとうりでしたでしょうか。、

         
アキチョウジ(シソ科)     ナギナタコウジュ(シソ科)   ツルニンジン(キキョウ科) 
         
 アケボノソウ(リンドウ科)   ツリフネソウ(ツリフネソウ科)     オタカラコウ(キク科)
         
コセンダングサ(キク科)    ツチアケビ(ラン科)     カラスウリ(ウリ科)
         
 ヒヨドリジョウゴ(ナス科)   ハダカホオズキ(ナス科)    ジンジソウ(ユキノシタ科) 

 続きまして、草本から木本に移ります。さすがに花の開花種は目立ちません。ホツツジが終わって、秋花の開花はコウヤボウキやナワシロイチゴだけでした。

 本当は秋の開花で超珍しいバラ科サクラ属のリンボクの開花を期待して、今期は9/19に続き今回二度目の出かけでしたが、やっぱりまだ咲いていませんでした。このリンボクは常緑樹のサクラ属でバクチノキと共に開花に出会うには相当の花好き者でないと無理と言っても過言ではないでしょうか・・。笑、ちなみにわたしは植物園でも、樹木のみで花の開花には出会えていません。あっ、そうそう、リンボクの開花には、岩湧山で以前に一度だけ開花状態を見ていますが・・。

 さて、モチノキ科は日本ではモチノキ属のみしか見られないのですが、日本で見られるモチノキ科モチノキ属23種のうちで、本家といってもいいくらいのモチノキそのものが自然の中に見られるというより、見つけられることはほとんどまれではないでしょうか。
 それより、この種は植栽用途が庭木や公園樹として特に多いために、実はわたしも山歩きの中では見つけたことがありません。花や実を見るのは植物園や街路樹で見るくらいなのです。今回も名札こそかかってはいませんでしたが、赤くなりかけた木に目が行って葉を確認し、「やっ、これはモチノキだ!」と見つけたのが実は街路樹だったのでした。

 この科には落葉樹と常緑樹があり、それぞれに山歩きの中では、どなたでも出会っておられることと思いますが、落葉樹ではアブラチャンやダンコウバイ、常緑樹ではソヨゴにイヌツげなどは個体数も多いようで、ふつうに見られます。しかしながら山歩きの中でモチノキそのものに出会えたハイカーは超ラッキーな方ではないでしょうか・・。笑

 
 モチノキ(モチノキ科モチノキ属)は個体数が少ないのか見つけられない

 青空のもとに高い樹々の枝先にはコシアブラの果実が風に揺られていました。タカノツメは高木でも枝が曲がって下のほうへ垂れ、花や実姿が手に取れるために馴染みがあります。しかし、タカノツメとは違って、コシアブラは垂直に枝張りしますから更に高い位置に伸びることとなり、高すぎて細かくは見極められません。普段から果実時にはなかなか出会えないというより、気がつかない樹種のために出合えた嬉しさも倍増です。

 
コシアブラ(ウコギ科)は20mにもなる高い木ですね~ 

 一方、こちらのナナカマドは高くなっても10mほどのようですから、そう高い感じではなさそうです。しかしながら、西山でのナナカマドでは個体数が比較的少ないようですから、目にすることはそう多くはありません。ましてや花をつけるには、陽樹から成長するには年月がかかりそうで、日当たりの悪いところでの実生から成長度合いは相当な年月が必要のようです。

 
 ナナカマド(バラ科ナナカマド属)

 その他に目についた木本類です。

         
コウヤボウキ(キク科)     ナワシログミ(グミ科)    ウスノキ(ツツジ科)
         
ツルアリドオシ(アカネ科)    ウメモドキ(モチノキ科)    ノブドウ(ブドウ科) 
         
ヤマコウバシ(クスノキ科)     アオツヅラフジ(ツヅラフジ科)   ミツバウツギ(ミツバウツギ科) 
         
 サルナシ(マタタビ科)    イヌガヤの実、右緑色(イヌガヤ科)   イヌガシ(クスノキ科)の冬芽(花芽) 

10/2カリガネソウ ホームヘ 10/20.ヒヨドリジョウゴ







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