琵琶湖周辺に咲く花 ’19.10.17 曇

 当日朝起きてみると、空は明るいようです。すぐにその地のピンポイント予報を確認すると、前日の予報が朝から小雨予報だったのですが、今日は30%以下に変わっています。これは行かずばなるまい・・と喜び勇んで出向きました。お目当てはもちろん、秋花の女王様とも勝手に思っている『スイラン』でした。着いてみれば咲き初めではなかったのですが、まだまだ当分開花が楽しめそうでした。

 スイランは9~11月に咲きます。もっとも当地では、9月の開花は見たことはなく、10~11月上と長く見せてくれるようです。この花はランというために、どうしてなのだろうと最初は感じたのですが、どうやら「細長い葉が春に咲くシュンランの葉に似ており、湿地に生えることからついた名」のようです。

 図鑑によれば、「中部地方から四国、九州に分布し、湿地や溜池畔で毎年咲く多年草、葉は根生または茎の下部に互生で集まり、長さ15~50cm、幅1~3cmの線状披針形で先端は鋭く尖り、厚く裏面は粉白色である。また上部の葉は線形でごく小さい。そして、花は大ぶりでニガナ属のオオジシバリ似であり、径3~3.5cm、花柄先に1個ずつつく。」とあります。

 今年はこの時期台風もしばしばで、こちらも水たっぷりの状態であって、花のそばまで寄れませんから撮影もうまくいきません。そんなことからほぼで雑草もろともの写真となりました。以前に書いたページはこちらでも取り上げていますからご覧ください。

     
スイラン(キク科スイラン属)は毎年見られる秋花で、菊の仲間でも一番のお気に入りで~す♪   

 今年は当地でのセンブリ、リンドウにキッコウハグマが例年より遅れ気味のようです。それでもセンブリだけが一株だけ咲いて待ってくれていました。とりわけ、この種は開花期間が長くないために、容易に目にするのはそんなに甘いものではありません。でも、後一回は再訪し群落の中のセンブリを見たく思っているのですが、キッコウハグマと開花時期がややずれることから、再訪を一回で済まそうと胸算用するのは無理でしょうかね~?。笑

 
 センブリ(リンドウ科センブリ属)

 その他の草本類の山野草たちですが、今年も酷暑だったこの夏だったことから、そして、台風19号到来で気温も一気に寒さ身に凍みるような晩秋が、とりわけうら淋しい秋花巡りでした。。それにしても台風15号や19号による大被害に遭われた東日本の皆様には1日も早い復興をお祈り申し上げます。

         
アキノキリンソウはまばら    ↑左はセンボンヤリの葉で右は閉鎖花の花跡 
         
 ツリガネニンジンの花は長く咲き   サワシロギクはこの後紅紫色に変る    コマツカサススキは終盤なり 
         
↑左はタヌキモ科のミミカキグサで右はホザキノミミカキグサがまだ咲いていた    リンドウはまだしばらく先に開花か 

 草本類で前回咲いていたカワラケツメイの果実がそろそろ、マメチャとして適期となっているのだろうか・・、と期待していたのですが、川原沿いの道が完全に綺麗な状態で草刈りされてしまっており、カワラケツメイは影も形も残っていませんでした。出合えるのはまた来年です。
 また、コバナノワレモコウの残花も池の畔で風に揺られて咲き残っていたのですが、やや離れていて撮れませんでした。二種とも泣面に蜂・・笑い。そうそう、箇所は違って離れたリンドウの咲く場所でしたが、今回初めて本来のワレモコウが今頃一株だけ咲いていました。これまた風強くボケてしまいました。残念!


 さて、木本類です。こちらはこの山塊ではわたしのお目当てはやっぱり『クロミノニシゴリ』です。昨年はこの種が裏年で「樹木も枯れるのではないのだろうか・・?」、と春頃には大きな心配をしたものですが、GW過ぎたあたりから葉も花のツボミもついてきて一安心でした。でも、開花は0だったことから実もなく昨秋は悲しい限りでした。

 しかし、今年は元気に開花してくれ、この秋には見事に名のとうり黒い果実が一杯できていました。本年の開花はこちらです。わたしとっては中部地方分布主体のこの種は極めて希少種であろうことから、大いに関心ある種なのです。聞けば分布は東海地方や近畿地方の奈良県にもあるようですが、奈良や和歌山の山も歩いたことがあるわたしにとっては、一般的には関西のハイカーにはタンナサワフタギやサワフタギが双璧で、ふつうに出会えるのですが、クロミノニシゴリにはそんなに容易には見られない種であろうと思っています。

 なお、ハイノキ科ハイノキ属の常緑樹ではなく、落葉樹のグループにはサワフタギ、タンナサワフタギ、クロミノニシゴリ、クロミノサワフタギの4種があるようですが、最後のクロミノサワフタギだけが未見です。どうやら西日本西部から四国・九州の分布らしいです。

 
クロミノニシゴリ(ハイノキ科ハイノキ属) 
     

 クロミノニシゴリはこれくらいにして、その他の木本類ですが、もちろん秋の開花は当地では今回は見られず、果実ばかりでした。笑 なお、今年の当地ではカマツカにアオハダの果実がほとんで見られませんでした。とりわけカマツカの個体は木が若かったのですが、開花も少なく果実はまったくついていませんでしたので、どうやらこの個体は枯れるのかもしれません。それにアオハダの木は果実は早くから無くなりましたが、樹木そのものは元気なようです。

         
サルマメは湿生地好み    もちろんウメモドキも湿地好き    当地はガマズミのみで他の仲間は無 
         
 ツツジ科シャシャンボはもう少しで熟    イヌザンショウは黒光が目立ち    トルのはデジだけ!、ミツバアケビ
         
 自然の中のトウカエデは希少    ヘビノボラズは毒性、棘注意、湿生好   ゴンズイ 3m以下の若い個体 * 
         
 モチノキ科で黒熟はイヌツゲ類のみ    サカキ黒熟は11~12月と遅い   ガンピの実は乾いた核果となり 
    ←はアオツヅラフジの核果で、つるは
右巻き。なお、花は目だたず、果実時
が特によく目立つよう。でも、毒性であ
ことも知っておきたい

→はアオツヅラフジの葉で、葉は変形
が多く、ときに浅く3裂する。葉柄は1
から3cmで縁は全縁
   

*ゴンズイの名の謂れがおもしろい。それは材がもろくて役に立たないので、同じように役に立たない魚、ゴンズイの名がつけられたという説があるらしい。ところで、植物一口小話ですが、魚と同じ名をもつ樹木はどのようなものがあるのでしょうか?。

 次のような種類がありそうです。それは、『カマツカ・ゴンズイ・キハダ・ハギ・サワラ・ヒイラギ・タラ』のようです。最初のカマツカは川魚ですが、その他はすべて海の魚のようです。なお、「この外にもあるヨ」と、ご存じの方がありましたら、メールにてお教えいただけるとうれしいです・・。笑

9/6カワラケツメイ ホームヘ 11/2キッコウハグマ






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