ポンポン山に咲く花 ’19.10.30 晴
今月は天候不順であったのですが、「本日よりしばらくは快適な秋日和の始まりとなるようです」と、予報士も気のせいか嬉しそうな笑顔で告げてくれました。朝一番から歩き始めますと、それでもあたりは一面霧深く真っ白でしたが、10時過ぎになれば、ようやく青空が広がって気持ち良い樹々の中を縫うこととなりました。さぁ、今日はどんな秋花や果実たちに出会えるのでしょうか・・。
最初は先日も東山で見られた「キチジョウソウ」が、ここ西山の京都側でも咲き初めとなっていたのでした。ポンポン山のキチジョウソウは高槻側、京都側それぞれのコースでわずかに咲いてくれます。この花は歩き始めると汗もかかない内に出会える草叢で咲いてくれます。
ところが、西山も鹿が増えすぎて、特に晩秋から冬場には、あたりの草たちが枯れきってしまうころでも、葉は青々と茂って一層目立つ存在となります。このキチジョウソウの葉はたちまち鹿の栄養源となり易い種なのです。そのようなことから、西山の高槻側からのコースでは、古くから山麓に暮らす人たちの田畑あたりも鹿除け柵が設けられていたようです。偶然その柵近くに生え育ったキチジョウソウが今も健在で元気に咲かせてくれているようです。
一方、京都側では鹿除け柵等のない場所に稀に咲いていたのですが、鹿の急増あたりからは見る間に食害に遭ってしまうようになりました。しかし、その後も年によっては芽だしを、また食害を繰り返す等して、何年ぶりにキチジョウソウに出会えるという、まさに、キチジョウソウが本来であれば、いつの年も咲かないといわれた、その特徴のような状態の生き方となっていたのでした。
しかしながら、鹿の食害に追い打ちをかけたのは、燃料革命以降しばらく林道施設等の増設はなかったように思うのですが、その後は時代も変わり、山の自然開発の促進が驚くばかりで、「必要もなさそうな林道をどうして無駄っぽい掘削を繰り広げて、道づくり等により自然破壊をするのだろうか・・?」と思える状態に目を覆うばかりでのハイカーの目でした。結局、このキチジョウソウもその痛手を受けた植物であったのです。しかし、今年何年かぶりに京都側にもキチジョウソウが姿を見せてくれ、何とも嬉しい限りです。ヤッター~!
鹿はもちろん大いなる害敵ですが、盗掘心配で心無いハイカーにも要注意です。花は人目に可能な限り目につきにくいよう心していますが、今回も写真を撮っているとハイカーらしき人影が遠くに見え隠れしたために、急いでその場を避けるように移動しました。帰宅後、いつもながらやっぱりボケ写真でした。悲しい・・
(キジカクシ科キチジョウソウ属) |
続いて印ばかりの数種が咲き残っていました。山野草の果実も姿や彩り可愛いものが嬉しい~・・、とりわけ『ノササゲ』の熟すと実にきれいな紫色の果実を見つけると、ヤッタ~、ノササゲだ!と、いつも、思わず声が出てしまうほどなのです・・。ニコニコ
ヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属) | リュウノウギク(キク科キク属) | ケシロヨメナ(キク科シオン属) | ||
ノササゲ(マメ科ノササゲ属) | ハダカホオズキ(ナス科ハダカホオズキ属) | カラスウリ(ウリ科カラスウリ属) |
さらにポンポン山で見られる木本類の果実たちの今をご覧ください。
この二種は山ではほとんど出会えず、植栽でも好き、左モチノキと右ニシキギ | この後さらに真っ赤になるナナカマド | |||
左クロソヨゴと右ソヨゴで、その違いは?・・。葉に鋸歯有と無が違いです~ * | ヤブコウジも赤色に熟しその後が長い | |||
今年の山頂のカマツカは不作か風か | ウメモドキは今年も順調に豊作です | シロダモ熟して後まもなく開花が始り | ||
サネカズラはまもなく完熟期となります | アクシバは熟し鳥の餌で少なくなり | ヤブムラサキ毛が密生し手触り最高 | ||
ノブドウの実は虫こぶでキラキラ綺麗 | マンサク熟して二裂にいつ弾けるか | コシアブラ高所で紫黒色に熟はいつ | ||
オオカサゴケはあたかも緑の花のよう | 静かなポンポン山 15℃ |
* クロソヨゴの果実は図鑑によれば9~10月に赤く熟すとありますが、今回初めて黒くなった実を見ました。(↑画像参照ください)ネットで調べるのですが、熟すのは赤色ばかりで黒色になって熟すとの解説は出てきませんし、過去にも黒色は一度も見た覚えもありません。しかし、やっぱり赤色になれば熟してきたのがその証拠でしょうか。そして、その後、日がたつにつれて黒くなって枯れ落ちるのでしょう・・。
10/20 ヒヨドリジョウゴ ホームヘ 11/7キチジョウソウ